焼け木杭に火がつく
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「最初に、捜査に参加していた宝月刑事を召喚する」
え?
呼ばれた名前にオドロキは目を見開く。
宝月茜が証言台に立った。
出てきた人物に心音があれっと声をあげる。
「この事件を担当していた刑事って……紗針さんでしたよね?」
「あぁ。そのはずだよな」
弁護側は疑問符を頭に浮かべながら、証言台の刑事の話に耳を傾ける。
「名前と職業を言え」
夕神の言葉に、むっと証言台の刑事がむくれる。
「……偉そうね」
「なんか言ったか」
「……いえっ別に」
刑事は姿勢を正し、口を開く。
「宝月 茜。
警察署の刑事課で、刑事をやっています」
「刑事。事件の詳しい説明してやれ。」
「1月25日午後5時30分頃、被告人の別邸から火災が発生しました。
その焼け跡から被害者只野さんの遺体が発見されました。
遺体の状態から殺害されたと推測されます。
火災現場の前で被告人の八百屋奈々子が座り込んでいたため
警察は彼女を容疑者として逮捕しました。」
心音がイヤリングを指で弾きながら、思案顔になる。
「確かに火事が起きてるのに、見てるだけだったなんて、疑われても仕方ないですね」
「とりあえずゆさぶって、情報を集めよう」
「ふむ。それでは、弁護人。尋問をお願いします。」
「1月25日午後5時30分頃、被告人の別邸から火災が発生しました。」
「出火場所はどこだったんですか?」
「灯油ストーブの置かれている南の部屋からよ。」
「暖炉のある北の部屋ではなく?」
「ええ、そうよ」
「屋敷はどれくらい燃えていましたか?」
「全体的に火が回っていたみたいだけど、建物の崩壊は免れたわ。
幸い消火活動が早かったから、本邸には燃え移らなかったみたい。
不幸中の幸いは、その日は風がなかったから予想よりは炎が広がらなかったことかしらね。」
「ふむ。証言を続けて」
「その焼け跡から被害者只野さんの遺体が発見されました。」
「遺体はどんな状態だったんですか?」
「顔半分と胴の半分が黒焦げになっていたわ。
燃えていない部分からかろうじて被害者を特定することができたの。
そして……」
「遺体の状態から殺害されたと推測されます。」
「なぜ殺害されたと判断したんですか?」
「遺体が煙を吸い込んだ様子がなく、
胸に一か所だけ刺し傷があったからよ。」
茜が続けて説明する。
「火災が原因で死亡する場合、焼死よりも一酸化炭素中毒で死亡するほうが多いの。
けど、遺体からは中毒反応がなく、胸部にナイフで刺された傷跡が残っていたわ。
凶器に使われたと思われるナイフは現場に落ちていました」
「ふむ。わかりました。受理します」
≪凶器のナイフ:被害者の指紋が付着している≫
「火災現場の前で被告人の八百屋奈々子が座り込んでいたため」
「そのときの被告人はどんな状態でしたか!?」
「そうねー。意識ここにあらずって感じかしらね。目の前でボーッと屋敷が燃えてるのを眺めていたわ」
「警察は彼女を容疑者として逮捕しました。」
「任意同行ではなく?」
「ええ、被告人の様子がおかしかったのもそうだけど
現場に駆け付けた消防が言うには
"私が……つけた……火が……"
と本人がブツブツつぶやいていたらしいの。」
カンッとサイバンチョウが木槌を鳴らす。
「さて、事件の内容を把握したところで、目撃証人を入廷させてください」
え?
呼ばれた名前にオドロキは目を見開く。
宝月茜が証言台に立った。
出てきた人物に心音があれっと声をあげる。
「この事件を担当していた刑事って……紗針さんでしたよね?」
「あぁ。そのはずだよな」
弁護側は疑問符を頭に浮かべながら、証言台の刑事の話に耳を傾ける。
「名前と職業を言え」
夕神の言葉に、むっと証言台の刑事がむくれる。
「……偉そうね」
「なんか言ったか」
「……いえっ別に」
刑事は姿勢を正し、口を開く。
「宝月 茜。
警察署の刑事課で、刑事をやっています」
「刑事。事件の詳しい説明してやれ。」
「1月25日午後5時30分頃、被告人の別邸から火災が発生しました。
その焼け跡から被害者只野さんの遺体が発見されました。
遺体の状態から殺害されたと推測されます。
火災現場の前で被告人の八百屋奈々子が座り込んでいたため
警察は彼女を容疑者として逮捕しました。」
心音がイヤリングを指で弾きながら、思案顔になる。
「確かに火事が起きてるのに、見てるだけだったなんて、疑われても仕方ないですね」
「とりあえずゆさぶって、情報を集めよう」
「ふむ。それでは、弁護人。尋問をお願いします。」
「1月25日午後5時30分頃、被告人の別邸から火災が発生しました。」
「出火場所はどこだったんですか?」
「灯油ストーブの置かれている南の部屋からよ。」
「暖炉のある北の部屋ではなく?」
「ええ、そうよ」
「屋敷はどれくらい燃えていましたか?」
「全体的に火が回っていたみたいだけど、建物の崩壊は免れたわ。
幸い消火活動が早かったから、本邸には燃え移らなかったみたい。
不幸中の幸いは、その日は風がなかったから予想よりは炎が広がらなかったことかしらね。」
「ふむ。証言を続けて」
「その焼け跡から被害者只野さんの遺体が発見されました。」
「遺体はどんな状態だったんですか?」
「顔半分と胴の半分が黒焦げになっていたわ。
燃えていない部分からかろうじて被害者を特定することができたの。
そして……」
「遺体の状態から殺害されたと推測されます。」
「なぜ殺害されたと判断したんですか?」
「遺体が煙を吸い込んだ様子がなく、
胸に一か所だけ刺し傷があったからよ。」
茜が続けて説明する。
「火災が原因で死亡する場合、焼死よりも一酸化炭素中毒で死亡するほうが多いの。
けど、遺体からは中毒反応がなく、胸部にナイフで刺された傷跡が残っていたわ。
凶器に使われたと思われるナイフは現場に落ちていました」
「ふむ。わかりました。受理します」
≪凶器のナイフ:被害者の指紋が付着している≫
「火災現場の前で被告人の八百屋奈々子が座り込んでいたため」
「そのときの被告人はどんな状態でしたか!?」
「そうねー。意識ここにあらずって感じかしらね。目の前でボーッと屋敷が燃えてるのを眺めていたわ」
「警察は彼女を容疑者として逮捕しました。」
「任意同行ではなく?」
「ええ、被告人の様子がおかしかったのもそうだけど
現場に駆け付けた消防が言うには
"私が……つけた……火が……"
と本人がブツブツつぶやいていたらしいの。」
カンッとサイバンチョウが木槌を鳴らす。
「さて、事件の内容を把握したところで、目撃証人を入廷させてください」