可愛い子には旅をさせよ
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同日 午後 9時 2 分
大山田 ホテル 王泥喜の部屋
着いたのが遅かったため、閉館時間までアトラクションを全て回りきることができなかった。
また明日遊ぼうということになり、ホテルに戻るとそれぞれの部屋でゆったりすることになった。
ピンポーン
ベッドでぐったりしていた王泥喜はインターホンが鳴り、怠慢な動作で体を起こす。
「はぁーい」
ドアスコープからドアの向こうを覗く。
その瞬間、ベッドへ駆けた。
布団の海にダイブしてそのまま寝たフリをする。
ピンポーンピンポーンとしつこくインターホンが鳴る。
枕を頭に乗せてその両端を耳まで引っ張り、耳を塞ぐ。
あけて王泥喜くん!頼む!今回はマジなんだ!
声音がなんとなくいつもと違い、枕をベッドに置いて王泥喜は警戒しながらゆっくりとドアまでにじり寄る。
そしてもう一度ドアスコープを覗き、向こう側にいる相手を見る。
いつもは飄々としている青年の顔は、なにやらひどく焦っていた。
しばらく逡巡したあと、思い切ってドアを開けた。
鬼風が部屋に入るとすぐドアを閉める。
「匿ってくれ!」
「はぁ?」
なぜか鬼風は上半身はワイシャツを肩に羽織っただけの半裸である。
割れた腹筋が眩しい。
「そんな恰好で廊下を歩いていたんですか?」
変質者を見るような目で王泥喜は鬼風を見た。
「しょうがないだろ!タマゴちゃんに服取られたんだから!」
「みぬきちゃんが?」
むしろ逆じゃないのか……。
王泥喜の視線がじとーっとしていると感じた鬼風は身振り手振りをつけながら、説明しはじめる。
「私は風呂に入るつもりだったんだよ!けど、そしたらいきなりタマゴちゃんが乱入してきたんだよ!こう、扉をばぁーんと開けて!さすがに焦るよ。上半身は確実に裸だったから。けど、あの子近づいてきたと思ったら私のズボンに手をかけたんだよ!」
「……あの、それ、本当にみぬきちゃんが?」
「マジだよ!!じゃなきゃこんな格好で廊下出歩いて君の部屋まで来ない!」
「えー……でも……えー……」
にわかには信じられない鬼風の言葉に、王泥喜はまだ納得できずにいた。
「頼む。王泥喜くん。なにもしない。君には指一本触れないから、だから、床でいいので同じ部屋で眠らせてください」
その場に土下座する勢いで頼まれ、王泥喜は腕輪をきゅっと弄りながら鬼風を見つめる。
「……いいですよ」
「やった……いや、よかった」
こいつ今、やった って言わなかったか?
胡乱な目で鬼の泥棒を見る赤い弁護士に対し、鬼風はわざとらしく口笛を吹きながらそっぽをむいてみせた。
「けど、みぬきちゃんがなんでそんなことを……」
「それは私が知りてぇよ」
ぐったりとしながら床に座り込む鬼風。
「風呂入ってないなら入ってきたらどうです?」
「ホテルの寝間着は残ってるか?」
「予備で一着ありますよ」
「じゃあ、それ使わせてもらうよ」
王泥喜から寝間着を受け取り、鬼風は風呂場へと向かった。
しばらくするとシャワーの流れる音が聞こえてくる。
「……これが可愛い女の子だったらなぁ……」
風呂場から聞こえるシャワー音に、王泥喜はイチミリも胸が高鳴ることはなかった。
なんせ今シャワーを浴びているのは自分より背の高い男だから。
「オレも……いつかはこう女性とこういう……」
想像してボッと顔を熱くなってしまう。
しばらくして、風呂場から出てきた鬼風が王泥喜を見て、なんともいえない表情になる。
「……気持ち悪いくらい鼻の下伸びきってるけど……大丈夫?」
風呂場から出てきた鬼の青年は、可哀想な人を見るような目で王泥喜を心配げに見つめてしまった。
着いたのが遅かったため、閉館時間までアトラクションを全て回りきることができなかった。
また明日遊ぼうということになり、ホテルに戻るとそれぞれの部屋でゆったりすることになった。
ピンポーン
ベッドでぐったりしていた王泥喜はインターホンが鳴り、怠慢な動作で体を起こす。
「はぁーい」
ドアスコープからドアの向こうを覗く。
その瞬間、ベッドへ駆けた。
布団の海にダイブしてそのまま寝たフリをする。
ピンポーンピンポーンとしつこくインターホンが鳴る。
枕を頭に乗せてその両端を耳まで引っ張り、耳を塞ぐ。
あけて王泥喜くん!頼む!今回はマジなんだ!
声音がなんとなくいつもと違い、枕をベッドに置いて王泥喜は警戒しながらゆっくりとドアまでにじり寄る。
そしてもう一度ドアスコープを覗き、向こう側にいる相手を見る。
いつもは飄々としている青年の顔は、なにやらひどく焦っていた。
しばらく逡巡したあと、思い切ってドアを開けた。
鬼風が部屋に入るとすぐドアを閉める。
「匿ってくれ!」
「はぁ?」
なぜか鬼風は上半身はワイシャツを肩に羽織っただけの半裸である。
割れた腹筋が眩しい。
「そんな恰好で廊下を歩いていたんですか?」
変質者を見るような目で王泥喜は鬼風を見た。
「しょうがないだろ!タマゴちゃんに服取られたんだから!」
「みぬきちゃんが?」
むしろ逆じゃないのか……。
王泥喜の視線がじとーっとしていると感じた鬼風は身振り手振りをつけながら、説明しはじめる。
「私は風呂に入るつもりだったんだよ!けど、そしたらいきなりタマゴちゃんが乱入してきたんだよ!こう、扉をばぁーんと開けて!さすがに焦るよ。上半身は確実に裸だったから。けど、あの子近づいてきたと思ったら私のズボンに手をかけたんだよ!」
「……あの、それ、本当にみぬきちゃんが?」
「マジだよ!!じゃなきゃこんな格好で廊下出歩いて君の部屋まで来ない!」
「えー……でも……えー……」
にわかには信じられない鬼風の言葉に、王泥喜はまだ納得できずにいた。
「頼む。王泥喜くん。なにもしない。君には指一本触れないから、だから、床でいいので同じ部屋で眠らせてください」
その場に土下座する勢いで頼まれ、王泥喜は腕輪をきゅっと弄りながら鬼風を見つめる。
「……いいですよ」
「やった……いや、よかった」
こいつ今、やった って言わなかったか?
胡乱な目で鬼の泥棒を見る赤い弁護士に対し、鬼風はわざとらしく口笛を吹きながらそっぽをむいてみせた。
「けど、みぬきちゃんがなんでそんなことを……」
「それは私が知りてぇよ」
ぐったりとしながら床に座り込む鬼風。
「風呂入ってないなら入ってきたらどうです?」
「ホテルの寝間着は残ってるか?」
「予備で一着ありますよ」
「じゃあ、それ使わせてもらうよ」
王泥喜から寝間着を受け取り、鬼風は風呂場へと向かった。
しばらくするとシャワーの流れる音が聞こえてくる。
「……これが可愛い女の子だったらなぁ……」
風呂場から聞こえるシャワー音に、王泥喜はイチミリも胸が高鳴ることはなかった。
なんせ今シャワーを浴びているのは自分より背の高い男だから。
「オレも……いつかはこう女性とこういう……」
想像してボッと顔を熱くなってしまう。
しばらくして、風呂場から出てきた鬼風が王泥喜を見て、なんともいえない表情になる。
「……気持ち悪いくらい鼻の下伸びきってるけど……大丈夫?」
風呂場から出てきた鬼の青年は、可哀想な人を見るような目で王泥喜を心配げに見つめてしまった。