賽は投げられた
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同日 午後2時23分
地方裁判所 ロビー
裁判所の踊り場を経て左右に分かれて上る構造の階段で橋間 未來が係官に連行されていた。
彼は踊り場を抜け、一階へと続く階段をゆっくりと降りていく。
係官より少し先を歩く橋間の背中を、成歩堂と鬼風は踊り場から眺めていた。
「……果たして、本当に 殺された のか 殺す しかない状況だったのか」
突如鬼風が漏らした言葉に、成歩堂が訊く。
「なんのことだい?」
「なんでもなっ……っ?」
不自然に言葉を切った鬼の泥棒に、成歩堂は首を傾げる。
鬼風は目を大きく開き橋間を見ていたため、成歩堂もつられて橋間の方へと目を向けた。
橋間の前に立ちふさがるように、女性が立っていた。
「なんで……」
橋間の声が強く震えていた。
「ね、え、さん?」
「え?」
成歩堂は自分の耳を疑った。
「まさか、あの女性、彼女が橋間 京子さん?」
「……」
無言のまま、にこりと穏やかにその女性が笑う。
「はなれろっっっ!!」
あっという間だった。
鬼風が叫んだときには、すでに和妻師の左胸にはナイフが生えていた。
係官が悲鳴をあげる。
それを合図かのようにひらりと女性が成歩堂の方へ向かってくる。
あっという間に距離を詰められ、呆然としている成歩堂の腹にナイフが迫った。
すんでのところで鬼風がナイフごと女性の手を蹴り上げた。
「やろうっ!!狐火かっ!」
そう鬼風が叫んだ瞬間、女性の口が頬まで裂けるように笑う。
それが 答え だった。
「待て!」
踊り場の窓を割って、狐火が外へと逃げる。
鬼風が割れた窓から狐火を追いかける。
「橋間さん!」
成歩堂は橋間の方へ走った。
橋間は目をいっぱいまで開き、あっあっと喘ぐ。
「しっかり!はやく救急車をっ!!」
成歩堂の鋭い声によって係官が走るが、彼の叫びも無駄に終わる。
その数秒後に、赤い水たまりのなかで息を引き取る和妻師の姿を彼は目にすることになったのだから。
その日、裁判所で事件が起きた。
“亡霊”に刺され、犯人が死亡した。という。
亡霊による殺人事件が。
地方裁判所 ロビー
裁判所の踊り場を経て左右に分かれて上る構造の階段で橋間 未來が係官に連行されていた。
彼は踊り場を抜け、一階へと続く階段をゆっくりと降りていく。
係官より少し先を歩く橋間の背中を、成歩堂と鬼風は踊り場から眺めていた。
「……果たして、本当に 殺された のか 殺す しかない状況だったのか」
突如鬼風が漏らした言葉に、成歩堂が訊く。
「なんのことだい?」
「なんでもなっ……っ?」
不自然に言葉を切った鬼の泥棒に、成歩堂は首を傾げる。
鬼風は目を大きく開き橋間を見ていたため、成歩堂もつられて橋間の方へと目を向けた。
橋間の前に立ちふさがるように、女性が立っていた。
「なんで……」
橋間の声が強く震えていた。
「ね、え、さん?」
「え?」
成歩堂は自分の耳を疑った。
「まさか、あの女性、彼女が橋間 京子さん?」
「……」
無言のまま、にこりと穏やかにその女性が笑う。
「はなれろっっっ!!」
あっという間だった。
鬼風が叫んだときには、すでに和妻師の左胸にはナイフが生えていた。
係官が悲鳴をあげる。
それを合図かのようにひらりと女性が成歩堂の方へ向かってくる。
あっという間に距離を詰められ、呆然としている成歩堂の腹にナイフが迫った。
すんでのところで鬼風がナイフごと女性の手を蹴り上げた。
「やろうっ!!狐火かっ!」
そう鬼風が叫んだ瞬間、女性の口が頬まで裂けるように笑う。
それが 答え だった。
「待て!」
踊り場の窓を割って、狐火が外へと逃げる。
鬼風が割れた窓から狐火を追いかける。
「橋間さん!」
成歩堂は橋間の方へ走った。
橋間は目をいっぱいまで開き、あっあっと喘ぐ。
「しっかり!はやく救急車をっ!!」
成歩堂の鋭い声によって係官が走るが、彼の叫びも無駄に終わる。
その数秒後に、赤い水たまりのなかで息を引き取る和妻師の姿を彼は目にすることになったのだから。
その日、裁判所で事件が起きた。
“亡霊”に刺され、犯人が死亡した。という。
亡霊による殺人事件が。