賽は投げられた
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3月23日 午前9時23分
地方裁判所 第二控え室
「遅効性の毒物はピックアップしてリストにしてきたが、果たして被害者の体からその毒物が使われた証拠が出るかどうかだな」
杏里が成歩堂にその書類を手渡した。
「それ以外に毒を飲ませたと思わしき行動はあるかい」
成歩堂の言葉に鬼風は首を振る。
はぁと成歩堂はため息を吐いた。
鬼の泥棒の眉尻が情けなく下がった。
「……悪いな。こんな悪人の弁護なんかさせちまって」
成歩堂は目を白黒させて、目の前の泥棒を見た。
「……君が謝るなんて意外だなって」
「おいおい。なにに驚いてるかと思えば。そこまで図々しくねえってだけだよ」
「君って、本当は真面目?」
鬼の泥棒が呆れたような視線を成歩堂に向ける。
「真面目な人間が泥棒なんてするかよ。ちったぁシャキッとしろよ。ナルホドくん。
これから弁護なんだぞ。わかってんのか」
「あぁ、別にふざけてるとか気が抜けてるわけではないよ」
「それならいいんだが」
「それよりも毒以外の方法はなにか思いついたかい?」
「ないとしか言えねえ。体内に毒っていう証拠が残っちまってるんだから。
なかなか、それ以外の殺害方法は出てこねえだろ」
「そうなんだよな……」
「ただ気になるのが、時間のズレなんだよな。
やっぱり、あんだけ遅れてでる毒ってのも珍しいというか。遅効性の毒もないというわけではないさ。ただ、私が知ってる限りそんなに多くはないぞ」
「毒に詳しいんだね」
「使ったからなよく」
「え」
「あぁ、よく使ったな」
「え」
鬼風と杏里の言葉に顔をひきつらせながら、成歩堂は尋ねる。
「ちなみに、用途は……いや、なんでもない」
ニッコリと鬼風が笑う。
「懸命な判断だ。
人間聞かない方が正解の場合もある。職業柄聞きたいだろうがな。アンタの場合」
成歩堂はつうとこめこみから嫌な汗が浮かぶのを感じた。
「さて、話もここまでかな。もうそろそろ」
「開廷の時間です!法廷へ来てください」
「さて、行こうか。ナルホドセンセイ?」
地方裁判所 第二控え室
「遅効性の毒物はピックアップしてリストにしてきたが、果たして被害者の体からその毒物が使われた証拠が出るかどうかだな」
杏里が成歩堂にその書類を手渡した。
「それ以外に毒を飲ませたと思わしき行動はあるかい」
成歩堂の言葉に鬼風は首を振る。
はぁと成歩堂はため息を吐いた。
鬼の泥棒の眉尻が情けなく下がった。
「……悪いな。こんな悪人の弁護なんかさせちまって」
成歩堂は目を白黒させて、目の前の泥棒を見た。
「……君が謝るなんて意外だなって」
「おいおい。なにに驚いてるかと思えば。そこまで図々しくねえってだけだよ」
「君って、本当は真面目?」
鬼の泥棒が呆れたような視線を成歩堂に向ける。
「真面目な人間が泥棒なんてするかよ。ちったぁシャキッとしろよ。ナルホドくん。
これから弁護なんだぞ。わかってんのか」
「あぁ、別にふざけてるとか気が抜けてるわけではないよ」
「それならいいんだが」
「それよりも毒以外の方法はなにか思いついたかい?」
「ないとしか言えねえ。体内に毒っていう証拠が残っちまってるんだから。
なかなか、それ以外の殺害方法は出てこねえだろ」
「そうなんだよな……」
「ただ気になるのが、時間のズレなんだよな。
やっぱり、あんだけ遅れてでる毒ってのも珍しいというか。遅効性の毒もないというわけではないさ。ただ、私が知ってる限りそんなに多くはないぞ」
「毒に詳しいんだね」
「使ったからなよく」
「え」
「あぁ、よく使ったな」
「え」
鬼風と杏里の言葉に顔をひきつらせながら、成歩堂は尋ねる。
「ちなみに、用途は……いや、なんでもない」
ニッコリと鬼風が笑う。
「懸命な判断だ。
人間聞かない方が正解の場合もある。職業柄聞きたいだろうがな。アンタの場合」
成歩堂はつうとこめこみから嫌な汗が浮かぶのを感じた。
「さて、話もここまでかな。もうそろそろ」
「開廷の時間です!法廷へ来てください」
「さて、行こうか。ナルホドセンセイ?」