賽は投げられた
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同日 某時刻
低柄駅 改札
ふと、成歩堂はホームにカメラが設置されていることに気づいた。
(カメラ……。もしかして、黒谷さんと被害者が映っているかもしれない)
成歩堂は近くの駅員に声をかける。
「あの、すみません」
弁護士バッジをつきつけて、事件の調査をしていると言うと、すんなりと駅員室に案内してもらえた。
「それで、事件当日のカメラの映像を見せてもらえませんか」
「ええ、いいですよ」
駅員はパソコンを操作し、お目当ての映像を出してくれた。
いざ再生されてみると、ひどかった。
「これは……」
「ね。あの眼鏡の女の人が完全に突き飛ばしていますよ」
「いえ、それよりも、被害者が胸を押さえているのが気になりますね」
「えっ?あぁ。確かに。心臓でも悪かったんですかね」
「心臓……」
「この年なら心不全や脳梗塞があってもおかしくないですから」
成歩堂はじっとカメラの映像を見つめる。
「どうしますか?警察も持って行きましたたけど、あなたもコピーでよければ欲しいですか?」
「あ、はい。是非とも」
「でもねえー、弁護士さん。さっき警察の人とも見たけど、どう考えても弁護士さんに有利になるような映像ではないですよ」
ぐっと成歩堂は息を詰まらせたが、すぐに答える。
「有利かどうかというより、ボクは真実のために調べていますから」
「ははっ。なかなか言いますね」
駅員はできあがったコピーのCDを成歩堂に渡した。