賽は投げられた
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同日 某時刻
低柄駅 ホーム
成歩堂が現場に足を踏み入れようとすると、男が走ってきた。
「おうダメヨ!関係シャイガイ禁止ネ!」
(なんだこのカタコトの男は?)
相手の男は、男性にしては長すぎる髪をしていた。
髪をすべて後ろに流し、後頭部で長髪を一つに束ねている。
鼻の下にはチョビ髭が生えていた。
「あの、あなたは?」
「ワタシはチャン釜津手ネ。ヨロシク。チャン刑事と呼ばれてるヨ」
「チャン刑事ですか。……ボクはその、弁護士の成歩堂龍一です」
「アナタが!あのナルホド弁護士ネ!」
「いや、ナルホド“ウ”です」
成歩堂がそう訂正するが、チャン刑事の耳には届かなかったようだ。
「あなた気をつけた方がいいネ。
今回の弁護をすることになったのなら、相手はあの”オミズ検事”だカラ」
「オミズ検事……?」
「キラメキ検事が左遷されて誰が来るカと思タら、まさかあのオミズ検事が帰ってくるとは思わなかったヨ」
「はぁ」
どうやら人の話をよく聞かない刑事のようで、成歩堂の疑問を無視して勝手に話し始めている。
「……あの、現場の調査をしてもかまいませんか」
「オニイサン頭悪いネ」
「え」
「現場は“ケーサツ”関係者以外立ち入り禁止ネ。弁護士も、もちろんそうネ。
とくにあのオミズ検事に目をつけられているアナタ入れたラ、ワタシの給料が危ないネ」
(断られちまった)
「あの、せめて、解剖記録だけでも、見せてもらえないでしょうか。なにしろ、事件に関する資料が少なくて……」
「そんな目で見ないで欲しいネ。……ワタシからはなにも出せないネ」
そう言って、話を切ろうとしたチャン刑事だが、あっと小さく声を出す。
「どうしました?」
「あー……そうネー。あの人だったらもしかしたら……。
ナルホドさん」
「ナルホド“ウ”です。……なんですか?」
「警察の、鑑識に行けば、もしかしたらクれるかもしれないネ。
解剖記録」
「えっ」
「チョット変わった検視官がいるネ。その人はオミズ検事のことを良く思ってないカラ、もしかしたら協力してくれるかもしれないネ」
「(この人が変わってるって言うことは、よっぽど変わってるんだろうな)……。
そうですか、それじゃその人のところに行ってみます」
成歩堂は警察に向かおうとしたが、やはりせっかくここまで来たのだから、もう少し情報が欲しいと、ダメ元で被害者の情報について聞いてみた。
「あの、被害者は数か月前まで黒谷さんの上司だったそうですね」
「ハぁ?」
成歩堂の言葉にチャン刑事はすっとんきょうな声をあげた。
「なニ言ってるネ。黒谷は半年前に職場をやめてるネ」
「え。でも、黒谷さん本人がそう言ってましたよ?」
「あー、オニイサンそれ嘘を吐かれたネ。よっぽどオニイサンのこと信頼してないみたいネ。その人」
(どういうことだ?)
「なんか、カワイソウになってきたネ。特別サービスで、遺体の所持品ぐらいは教えてあげるネ」
「ほっ本当ですか?」
「ただし、ワタシが洩らしたことはナイショネ。ワタシの給料大変なるヨロシ」
「わかりました。それで遺体が所持してたモノとは?」
「薬袋ネ」
「薬袋って、あの病院でもらう薬に入れる袋ですよね?」
「そうネ。だけど、空だったネ。ガイシャが持ってた薬袋は」
(空の薬袋……)
「どこの病院かは現在調査中ネ。さぁ、教えたんだからどっか行くネ」
「あっ。どうもありがとうございました」
もう少し情報が欲しかったが、チャン刑事はどこかに行ってしまう。
(さて、それじゃ、警察に行ってみるか)
低柄駅 ホーム
成歩堂が現場に足を踏み入れようとすると、男が走ってきた。
「おうダメヨ!関係シャイガイ禁止ネ!」
(なんだこのカタコトの男は?)
相手の男は、男性にしては長すぎる髪をしていた。
髪をすべて後ろに流し、後頭部で長髪を一つに束ねている。
鼻の下にはチョビ髭が生えていた。
「あの、あなたは?」
「ワタシはチャン釜津手ネ。ヨロシク。チャン刑事と呼ばれてるヨ」
「チャン刑事ですか。……ボクはその、弁護士の成歩堂龍一です」
「アナタが!あのナルホド弁護士ネ!」
「いや、ナルホド“ウ”です」
成歩堂がそう訂正するが、チャン刑事の耳には届かなかったようだ。
「あなた気をつけた方がいいネ。
今回の弁護をすることになったのなら、相手はあの”オミズ検事”だカラ」
「オミズ検事……?」
「キラメキ検事が左遷されて誰が来るカと思タら、まさかあのオミズ検事が帰ってくるとは思わなかったヨ」
「はぁ」
どうやら人の話をよく聞かない刑事のようで、成歩堂の疑問を無視して勝手に話し始めている。
「……あの、現場の調査をしてもかまいませんか」
「オニイサン頭悪いネ」
「え」
「現場は“ケーサツ”関係者以外立ち入り禁止ネ。弁護士も、もちろんそうネ。
とくにあのオミズ検事に目をつけられているアナタ入れたラ、ワタシの給料が危ないネ」
(断られちまった)
「あの、せめて、解剖記録だけでも、見せてもらえないでしょうか。なにしろ、事件に関する資料が少なくて……」
「そんな目で見ないで欲しいネ。……ワタシからはなにも出せないネ」
そう言って、話を切ろうとしたチャン刑事だが、あっと小さく声を出す。
「どうしました?」
「あー……そうネー。あの人だったらもしかしたら……。
ナルホドさん」
「ナルホド“ウ”です。……なんですか?」
「警察の、鑑識に行けば、もしかしたらクれるかもしれないネ。
解剖記録」
「えっ」
「チョット変わった検視官がいるネ。その人はオミズ検事のことを良く思ってないカラ、もしかしたら協力してくれるかもしれないネ」
「(この人が変わってるって言うことは、よっぽど変わってるんだろうな)……。
そうですか、それじゃその人のところに行ってみます」
成歩堂は警察に向かおうとしたが、やはりせっかくここまで来たのだから、もう少し情報が欲しいと、ダメ元で被害者の情報について聞いてみた。
「あの、被害者は数か月前まで黒谷さんの上司だったそうですね」
「ハぁ?」
成歩堂の言葉にチャン刑事はすっとんきょうな声をあげた。
「なニ言ってるネ。黒谷は半年前に職場をやめてるネ」
「え。でも、黒谷さん本人がそう言ってましたよ?」
「あー、オニイサンそれ嘘を吐かれたネ。よっぽどオニイサンのこと信頼してないみたいネ。その人」
(どういうことだ?)
「なんか、カワイソウになってきたネ。特別サービスで、遺体の所持品ぐらいは教えてあげるネ」
「ほっ本当ですか?」
「ただし、ワタシが洩らしたことはナイショネ。ワタシの給料大変なるヨロシ」
「わかりました。それで遺体が所持してたモノとは?」
「薬袋ネ」
「薬袋って、あの病院でもらう薬に入れる袋ですよね?」
「そうネ。だけど、空だったネ。ガイシャが持ってた薬袋は」
(空の薬袋……)
「どこの病院かは現在調査中ネ。さぁ、教えたんだからどっか行くネ」
「あっ。どうもありがとうございました」
もう少し情報が欲しかったが、チャン刑事はどこかに行ってしまう。
(さて、それじゃ、警察に行ってみるか)