第三話:魚の水を得たるが如し
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1月18日 午後14時12分
総合病院 #み#の病室
微睡みに浸かっていた意識が浮上し、私は重い瞼をゆっくりとあげる。
秋も駆け足で終わり、寒さが身にしみる季節になった。
肩の隙間から冷気が入り込んできて、思わず布団の中へと潜る。
寒さに身を震わせ、体を胎児のように丸めた。
いつもならもう起きなければと嘆くのだが、残念ながら今の私はいつでも寝ていられる。
しかし、一日中寝ているというのはさすがに辛い。
はぁーとため息を吐き、頭をぐしゃぐしゃとかきむしった。
社会不適合者+穀潰しの烙印まで押され、決して明るくはないであろう未来に絶望的な気分しかわかない。
明日のことを思うと、さらに気持ちは奈落の底へと沈んでいく。
寝ていても気分が腐るだけだ。
とりあえず、病院の中を散策してみるか。
ナースステーションの横を通ると、なんだか看護婦たちが色めき立っている。
その理由はすぐに理解できた。
なにやら金髪のグラサンの男が医師と話している。
この男がなかなかの二枚目で、サングラスをかけた横顔が凛々しい。
彼の秀麗な容姿が看護婦たちの目線を釘付けにしている。
医師の隣に控えている厳格そうな婦長すらも、少し浮かれているように見えた。
もしグラサン男だけなら、ケッこれだからイケメンは。といつものように吐き捨てていただろう。
だが、彼の周りにいる青い制服に身を包んだ男たちが見え、私の野次馬根性が湧いた。
……あれって、おまわりさんか?
なんで警察が病院内に居るんだ?
ふと、私は昨日のイザヨイ先生の言葉を思い出した。
この近くで事件が起きたから、調査のために警察関係者が病院内をウロウロしてる、と。
ってことは、あの警官の中心に居るグラサンの兄ちゃんは刑事さんか?
ドラマや漫画の中のような中年のおじさんを想像していたので若くてちょっと意外だ。
医師との話し方を見ても、新人というわけではなさそうだ。
あの若さに似合わず、自信に満ち溢れた態度は……キャリア組ってやつだろうか。
金髪の刑事が医師に笑顔を向けた。
医師が刑事に頭を下げて、去っていく。
どうやら医師との会話が終わったらしい。
刑事が入口に向かおうとして、数人の看護婦たちが彼の前に出てきた。
なにやら色紙を差し出し、サインをねだっている。
あれだけカッコイイとサインもねだられるんだなぁ。
彼は口元に笑みを浮かべ、看護婦たちと言葉を交わしている。
そろそろ帰ろう。
なんだか眠くなってきたし。
あくびを噛み殺していたら、金髪の刑事がこちらの方にじっと顔を向けた。
突如、刑事がサングラスを外した。
青みがかった柔らかい瞳がこちらを向いている。
……グラサンとってもイケメンはイケメンかよ。
ちょっとだけ嫉妬が湧き、私はその場を去った。
あーぁ。
ああゆうイケメンには彼女いるんだろうな。
くそっあんだけ顔が良くてキャリアとか、神様不公平すぎんだろ。
……
このとき、彼女はこの男の視線の意味に気づくことはなかった。
総合病院 #み#の病室
微睡みに浸かっていた意識が浮上し、私は重い瞼をゆっくりとあげる。
秋も駆け足で終わり、寒さが身にしみる季節になった。
肩の隙間から冷気が入り込んできて、思わず布団の中へと潜る。
寒さに身を震わせ、体を胎児のように丸めた。
いつもならもう起きなければと嘆くのだが、残念ながら今の私はいつでも寝ていられる。
しかし、一日中寝ているというのはさすがに辛い。
はぁーとため息を吐き、頭をぐしゃぐしゃとかきむしった。
社会不適合者+穀潰しの烙印まで押され、決して明るくはないであろう未来に絶望的な気分しかわかない。
明日のことを思うと、さらに気持ちは奈落の底へと沈んでいく。
寝ていても気分が腐るだけだ。
とりあえず、病院の中を散策してみるか。
ナースステーションの横を通ると、なんだか看護婦たちが色めき立っている。
その理由はすぐに理解できた。
なにやら金髪のグラサンの男が医師と話している。
この男がなかなかの二枚目で、サングラスをかけた横顔が凛々しい。
彼の秀麗な容姿が看護婦たちの目線を釘付けにしている。
医師の隣に控えている厳格そうな婦長すらも、少し浮かれているように見えた。
もしグラサン男だけなら、ケッこれだからイケメンは。といつものように吐き捨てていただろう。
だが、彼の周りにいる青い制服に身を包んだ男たちが見え、私の野次馬根性が湧いた。
……あれって、おまわりさんか?
なんで警察が病院内に居るんだ?
ふと、私は昨日のイザヨイ先生の言葉を思い出した。
この近くで事件が起きたから、調査のために警察関係者が病院内をウロウロしてる、と。
ってことは、あの警官の中心に居るグラサンの兄ちゃんは刑事さんか?
ドラマや漫画の中のような中年のおじさんを想像していたので若くてちょっと意外だ。
医師との話し方を見ても、新人というわけではなさそうだ。
あの若さに似合わず、自信に満ち溢れた態度は……キャリア組ってやつだろうか。
金髪の刑事が医師に笑顔を向けた。
医師が刑事に頭を下げて、去っていく。
どうやら医師との会話が終わったらしい。
刑事が入口に向かおうとして、数人の看護婦たちが彼の前に出てきた。
なにやら色紙を差し出し、サインをねだっている。
あれだけカッコイイとサインもねだられるんだなぁ。
彼は口元に笑みを浮かべ、看護婦たちと言葉を交わしている。
そろそろ帰ろう。
なんだか眠くなってきたし。
あくびを噛み殺していたら、金髪の刑事がこちらの方にじっと顔を向けた。
突如、刑事がサングラスを外した。
青みがかった柔らかい瞳がこちらを向いている。
……グラサンとってもイケメンはイケメンかよ。
ちょっとだけ嫉妬が湧き、私はその場を去った。
あーぁ。
ああゆうイケメンには彼女いるんだろうな。
くそっあんだけ顔が良くてキャリアとか、神様不公平すぎんだろ。
……
このとき、彼女はこの男の視線の意味に気づくことはなかった。