第二話:紅葉に置けば紅の露
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その場に居た全員は、鬼がそのまま落下すると予想していた。
けれど、鬼風の体はピタッと空中で静止した。
そして、警官たちに背を向けて、空中を走っていく。
鬼風のそばにいた警官が屋上の端に詰め寄り、隣のビルへと走っていく鬼の姿に目を見張る。
「たっ大変です!走ってます!鬼が空を!」
「バッカ!あれは細いワイヤーで綱渡りしてるだけだ!」
警官の言うとおり、ヒノクレホテルと隣のビルに細いワイヤーが結ばれていた。
「仕掛けがあるなら俺たちも追いかけ……」
勇気ある警官が、仕掛けに気づき、泥棒を追いかけようとした。
だが、そのワイヤーに足をのせることはできなかった。
下から吹き上げる強風が、警察官の股を縮み上がらせる。
下に広がる車や電灯の明かりが遥か下にあり、彼の背筋に冷たい汗が滑り落ちる。
「ひっ」
彼は腰を抜かし、その場に尻餅をついた。
「……一歩間違えばあの世行きだ。」
牙琉や警官が立ち往生しているところに、目を血走らせた館長がやってくる。
「かまうものか!しょせん犯罪者だ!」
ビルにくくりつけられていたワイヤーを、館長は持ってきたペンチで切った。
ぴんっと張っていた足場が切れ、鬼は重力に従い下へと落下する。
その行動に牙琉は館長を睨む。
「なんてことするんだ!」
「ふん!あんな泥棒に取られるぐらいなら……」
館長が鬼の姿を見て、言葉を失う。
落ちると思っていた鬼風が高く飛び上がった。
ワイヤーが切られる前に、跳躍していたようだ。
風に運ばれるように、鬼風の体が浮き上がり10メートルは離れているであろう隣の屋上へ飛び移る。
屋上にふわりっと着地して、首元の黒い頭巾が風に遊ばれる。
ピンピンしている鬼風に牙琉検事含む警察は言葉を失い呆然としていた。
「おっお前、一体なんなんだぁ!?」
顔を真っ青にした館長の絶叫に、黒衣の赤鬼がくるっと振り返った。
たんっと足を踏み鳴らしながら、片腕を差し出す。
けれど、鬼風の体はピタッと空中で静止した。
そして、警官たちに背を向けて、空中を走っていく。
鬼風のそばにいた警官が屋上の端に詰め寄り、隣のビルへと走っていく鬼の姿に目を見張る。
「たっ大変です!走ってます!鬼が空を!」
「バッカ!あれは細いワイヤーで綱渡りしてるだけだ!」
警官の言うとおり、ヒノクレホテルと隣のビルに細いワイヤーが結ばれていた。
「仕掛けがあるなら俺たちも追いかけ……」
勇気ある警官が、仕掛けに気づき、泥棒を追いかけようとした。
だが、そのワイヤーに足をのせることはできなかった。
下から吹き上げる強風が、警察官の股を縮み上がらせる。
下に広がる車や電灯の明かりが遥か下にあり、彼の背筋に冷たい汗が滑り落ちる。
「ひっ」
彼は腰を抜かし、その場に尻餅をついた。
「……一歩間違えばあの世行きだ。」
牙琉や警官が立ち往生しているところに、目を血走らせた館長がやってくる。
「かまうものか!しょせん犯罪者だ!」
ビルにくくりつけられていたワイヤーを、館長は持ってきたペンチで切った。
ぴんっと張っていた足場が切れ、鬼は重力に従い下へと落下する。
その行動に牙琉は館長を睨む。
「なんてことするんだ!」
「ふん!あんな泥棒に取られるぐらいなら……」
館長が鬼の姿を見て、言葉を失う。
落ちると思っていた鬼風が高く飛び上がった。
ワイヤーが切られる前に、跳躍していたようだ。
風に運ばれるように、鬼風の体が浮き上がり10メートルは離れているであろう隣の屋上へ飛び移る。
屋上にふわりっと着地して、首元の黒い頭巾が風に遊ばれる。
ピンピンしている鬼風に牙琉検事含む警察は言葉を失い呆然としていた。
「おっお前、一体なんなんだぁ!?」
顔を真っ青にした館長の絶叫に、黒衣の赤鬼がくるっと振り返った。
たんっと足を踏み鳴らしながら、片腕を差し出す。