第一話:嘘吐きは泥棒のはじまり
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大きな角が生えた頭、鋭い牙の生え揃った口、恐ろしい金色の眼。
冥土野の髪が風で揺れる。
女は少女を見た瞬間、反射的に引き金を引いたが、なぜか指は空を切った。
はっと女中は手を見る。
そこには自分の手のひらしかなく、武器の姿が無くなっていた。
般若の手に、いつの間にか冥土野の銃があった。
彼女は髪の毛の根を締め付けられるように感じて、全身に鳥肌が立つ。
「きっ」
彼女が叫び声をあげる前に、般若の拳が冥土野のみぞおちに叩き込まれる。
彼女の目が虚ろになり、その場に膝をつき、畳へと倒れ伏した。
その光景を口を半開きにしながら、オドロキたちは呆然と見つめていた。
時間にしたら30秒も満たなかっただろう。
だが、彼らには2時間も3時間も時が過ぎ去ったように感じていた。
彼らは魂を奪われたように鬼の少女の姿をぼんやりと見ていた。
だが、ココネがはっと我に返り、目に涙を浮かべる。
「たたたっ大変です!オドロキセンパイ!ゆめみちゃんが!ゆめみちゃんが!鬼になっちゃいました!
御札!天国に行ける御札を!」
後輩の狼狽える姿によって、オドロキはほんの少しだけ平静をよそおうことができるようになった。
「落ち着いて希月さん!あれは鬼じゃなくて鬼の面をかぶってるだけだよ」
オドロキの冷静な声を聞き、ココネはじっと鬼となったゆめみを見つめる。
オドロキがゆっくりと般若の人物に黒い瞳を向けた。
「……気になってたんだ。ゆめみちゃんと居るとき、たまに腕輪が反応するのが。」
「えっどっどういうことですか?」
「……このゆめみちゃんは偽者だ。」
ココネは頬を押さえて目を白黒させながら、ええと叫んだ。
「えっじゃあ本物のゆめみちゃんは!?それにこの偽者はいったい誰なんですか!?」
「……オレには、このゆめみちゃんが誰かわかる気がするよ。」
あの証拠品を突きつけてみるんだ。
オドロキは頭の中の推理を元に、ある証拠品を選択した。
歌舞伎調の文字で書かれたカードをつきつけた。
「『憎き日輪沈む 逢魔時
らくようの 鬼寺から
鬼切り像を 頂きに参上仕る。』
この予告状が正しければ、この偽のゆめみちゃんは
……鬼風だ!」
「えええええ!?」
偽のゆめみが般若の面に手をかけた。
外した仮面の下で、少女の顔が片頬を大きく吊りあげる。
「あっ!バレたとあちゃあ、しょうがあるめぇ」
少女の顔をした鬼は、姿に似合わない男の声を出しながら、着物の肩の部分を掴んだ。
冥土野の髪が風で揺れる。
女は少女を見た瞬間、反射的に引き金を引いたが、なぜか指は空を切った。
はっと女中は手を見る。
そこには自分の手のひらしかなく、武器の姿が無くなっていた。
般若の手に、いつの間にか冥土野の銃があった。
彼女は髪の毛の根を締め付けられるように感じて、全身に鳥肌が立つ。
「きっ」
彼女が叫び声をあげる前に、般若の拳が冥土野のみぞおちに叩き込まれる。
彼女の目が虚ろになり、その場に膝をつき、畳へと倒れ伏した。
その光景を口を半開きにしながら、オドロキたちは呆然と見つめていた。
時間にしたら30秒も満たなかっただろう。
だが、彼らには2時間も3時間も時が過ぎ去ったように感じていた。
彼らは魂を奪われたように鬼の少女の姿をぼんやりと見ていた。
だが、ココネがはっと我に返り、目に涙を浮かべる。
「たたたっ大変です!オドロキセンパイ!ゆめみちゃんが!ゆめみちゃんが!鬼になっちゃいました!
御札!天国に行ける御札を!」
後輩の狼狽える姿によって、オドロキはほんの少しだけ平静をよそおうことができるようになった。
「落ち着いて希月さん!あれは鬼じゃなくて鬼の面をかぶってるだけだよ」
オドロキの冷静な声を聞き、ココネはじっと鬼となったゆめみを見つめる。
オドロキがゆっくりと般若の人物に黒い瞳を向けた。
「……気になってたんだ。ゆめみちゃんと居るとき、たまに腕輪が反応するのが。」
「えっどっどういうことですか?」
「……このゆめみちゃんは偽者だ。」
ココネは頬を押さえて目を白黒させながら、ええと叫んだ。
「えっじゃあ本物のゆめみちゃんは!?それにこの偽者はいったい誰なんですか!?」
「……オレには、このゆめみちゃんが誰かわかる気がするよ。」
あの証拠品を突きつけてみるんだ。
オドロキは頭の中の推理を元に、ある証拠品を選択した。
歌舞伎調の文字で書かれたカードをつきつけた。
「『憎き日輪沈む 逢魔時
らくようの 鬼寺から
鬼切り像を 頂きに参上仕る。』
この予告状が正しければ、この偽のゆめみちゃんは
……鬼風だ!」
「えええええ!?」
偽のゆめみが般若の面に手をかけた。
外した仮面の下で、少女の顔が片頬を大きく吊りあげる。
「あっ!バレたとあちゃあ、しょうがあるめぇ」
少女の顔をした鬼は、姿に似合わない男の声を出しながら、着物の肩の部分を掴んだ。