第一話:嘘吐きは泥棒のはじまり
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縁側の方の障子から、不藤がゆめみの首に腕を巻きつけているのが見えた。
「大人しくしてれば良かったのに、バカな子たち。」
すっと不藤の背後からあの女中が出てきた。
「!希月さん!」
さらにその後ろから弥勒という男が包丁をココネの首元に突きつけ、現れる。
「せっセンパイ……」
ココネは顔面を真っ青にしながらオドロキを見る。
そこでオドロキがある結論に達した。
「そうか。お前たち全員が共犯だったんだな!」
「おらっ」
ココネが弥勒に腰を蹴られ、オドロキの足元に転がった。
「大丈夫!?希月さん!?」
オドロキは希月の体をくまなく見回すが、外傷は見られずホッと息を吐く。
彼はキッと犯人たちを睨む。
不藤の腕がゆめみの首を持ち上げ、ゆめみの足は畳から浮いていた。
ゆめみが息苦しさに顔を歪める。
弥勒がゆめみの首に包丁の先を突きつける。
「市長の娘の命が惜しければ、その仏壇に隠した銃と像を渡しな」
女中がオドロキたちを見下ろしながら、鼻にかかる甲高い声で命令した。
警察はもうすぐやってくる。
それまでに時間を少しでも稼ごうとオドロキは口を開く。
「なんで白川さんを殺したんだ。」
「その像を大人しく渡さなかったからさ。
私たちはちょっとしたお尋ね者でね。
他のところで盗みをしてて、おまわりから逃げ回ってこの村に辿り着いたのさ。
どうせならと、この村の鬼切り像を頂いてから、他のところへ行くつもりだった。
けど、ここのジジィのせいで、像は見つからないは、めんどくさいことになるわ……。」
女中はちっと舌打ちをする。
「素直に渡しちまえばいいものを、バカなジジィさ」
くくっとルージュの塗られた唇の端が、釣り上がる。
「さぁ、さっさと凶器と像を渡しな。余計なことを考えてるなら……」
包丁の先から赤い線が、ゆめみの首筋をゆっくりと落ちていく。
それを見て、オドロキは重く口を開く。
「……わかった。けど、先に人質を開放してくれ」
「聞こえなかったのかい?」
凄みのある声で彼女は問う。
「私が銃と像を渡せと言ったんだよ」
ゆめみの首を不藤がさらに締め上げる。
腕の中でゆめみが微かに喘ぎながら、小さくもがいている。
その様子を見て、ココネは目に力を入れ、歯ぎしりをした。
オドロキは唇を噛み、拳を強く握る。
彼は仏壇の中に入っていた銃と像を拾い、犯人たちの足元に放り投げた。
畳の上で銃がすべり、像が転がっていく。
女中は銃を拾い、弥勒が像を拾いあげる。
「それじゃ、仲良くあの世に行ってもらおうか。」
「約束が違うじゃない!」
「あら?渡せとは言ったけど、開放してやるとは一言も言ってないわよ。」
オドロキの額に青筋が浮かび、その目が怒りで燃え上がる。
「ヒキョウモノー!」
ココネの首に下がっていたモニタが、機械音声で罵倒した。
「何、あのジジィと同じように楽に殺してやるわ」
女中が口元を醜く歪めながら、オドロキたちに拳銃を突きつけた。
ココネは体を震わせた。
オドロキは女中が突きつけている暗い銃口を睨みつける。
「大人しくしてれば良かったのに、バカな子たち。」
すっと不藤の背後からあの女中が出てきた。
「!希月さん!」
さらにその後ろから弥勒という男が包丁をココネの首元に突きつけ、現れる。
「せっセンパイ……」
ココネは顔面を真っ青にしながらオドロキを見る。
そこでオドロキがある結論に達した。
「そうか。お前たち全員が共犯だったんだな!」
「おらっ」
ココネが弥勒に腰を蹴られ、オドロキの足元に転がった。
「大丈夫!?希月さん!?」
オドロキは希月の体をくまなく見回すが、外傷は見られずホッと息を吐く。
彼はキッと犯人たちを睨む。
不藤の腕がゆめみの首を持ち上げ、ゆめみの足は畳から浮いていた。
ゆめみが息苦しさに顔を歪める。
弥勒がゆめみの首に包丁の先を突きつける。
「市長の娘の命が惜しければ、その仏壇に隠した銃と像を渡しな」
女中がオドロキたちを見下ろしながら、鼻にかかる甲高い声で命令した。
警察はもうすぐやってくる。
それまでに時間を少しでも稼ごうとオドロキは口を開く。
「なんで白川さんを殺したんだ。」
「その像を大人しく渡さなかったからさ。
私たちはちょっとしたお尋ね者でね。
他のところで盗みをしてて、おまわりから逃げ回ってこの村に辿り着いたのさ。
どうせならと、この村の鬼切り像を頂いてから、他のところへ行くつもりだった。
けど、ここのジジィのせいで、像は見つからないは、めんどくさいことになるわ……。」
女中はちっと舌打ちをする。
「素直に渡しちまえばいいものを、バカなジジィさ」
くくっとルージュの塗られた唇の端が、釣り上がる。
「さぁ、さっさと凶器と像を渡しな。余計なことを考えてるなら……」
包丁の先から赤い線が、ゆめみの首筋をゆっくりと落ちていく。
それを見て、オドロキは重く口を開く。
「……わかった。けど、先に人質を開放してくれ」
「聞こえなかったのかい?」
凄みのある声で彼女は問う。
「私が銃と像を渡せと言ったんだよ」
ゆめみの首を不藤がさらに締め上げる。
腕の中でゆめみが微かに喘ぎながら、小さくもがいている。
その様子を見て、ココネは目に力を入れ、歯ぎしりをした。
オドロキは唇を噛み、拳を強く握る。
彼は仏壇の中に入っていた銃と像を拾い、犯人たちの足元に放り投げた。
畳の上で銃がすべり、像が転がっていく。
女中は銃を拾い、弥勒が像を拾いあげる。
「それじゃ、仲良くあの世に行ってもらおうか。」
「約束が違うじゃない!」
「あら?渡せとは言ったけど、開放してやるとは一言も言ってないわよ。」
オドロキの額に青筋が浮かび、その目が怒りで燃え上がる。
「ヒキョウモノー!」
ココネの首に下がっていたモニタが、機械音声で罵倒した。
「何、あのジジィと同じように楽に殺してやるわ」
女中が口元を醜く歪めながら、オドロキたちに拳銃を突きつけた。
ココネは体を震わせた。
オドロキは女中が突きつけている暗い銃口を睨みつける。