第一話:嘘吐きは泥棒のはじまり
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「……なんだか仏壇が怪しいですね。この仏壇を調べてみましょう」
ココネたちは仏壇の棚を開けて隅々まで探す。
すべての棚や引き出しを開け、中身をひっくり返していく。
だが、あったのは線香の束、微かなホコリとありがたいお経だけであった。
「おかしいな。絶対この仏壇に隠されてると思ったのに……」
ゆめみが仏壇の側面をなにやら探るような手つきで撫でているのに、ココネが気づく。
「どうしたの、ゆめみちゃん?」
彼女の行動が気になり、ココネは思わず声をかけた。
「あっあの、この仏壇、なんだか私の家にあるものと違うような気がして……」
そう言って、ゆめみはコンコンと仏壇箪笥の横の壁を軽く手の甲で叩いていく。
ゆめみが仏壇の支えらしきところを叩いた瞬間、ココネがあっと声をあげた。
「ゆめみちゃん!最初から、もう一回叩いてみて!」
「?はっはい。」
「なにか気づいたの?希月さん。」
しっとココネが口に人差し指を当てる。
「静かに。」
オドロキがぐっと両手を口に当てる。
ココネに言われた通り、ゆめみは仏壇の壁を叩いた。
コンコンっと引き出しの一段目、二段目、そして箪笥の支えを叩いていく。
「……やっぱり!」
パンっと手を叩いて、ココネは納得したような表情を浮かべる。
「このタンスの支えと引き出しの壁の音が同じなんです。」
「どっどういうこと?」
オドロキが額に冷や汗をかきながら、後輩に説明を求めた。
「結論から言うと、このタンスの支えの中も、引き出しみたいに道具がしまえるようになってるんです!」
「!ってことは!?」
オドロキはハッとした顔つきで、ココネに目線を送る。
ココネが大きく頷く。
「この支えの中に拳銃と像が隠されてるかもしれません。」
…………。
「希月さん、いい?」
「いつでもOKです!」
せーのっと掛け声と共にオドロキとココネは支えの上から仏壇をどかした。
「あっ!見てください!この位置に仏壇を置けば、死体の位置ともばっちり合います!」
「!弁護士さん!見てください!」
ゆめみが中にあった物を指差す。
そこには鬼が切られている15センチほどの木彫りの像と、9口径の小銃があった。
「やっぱり鬼切り像は盗まれていなかったんですね。」
お盆に隠れながら、怖々と仏壇の支えの中を覗く。
「こんなところに隠してあったんですね。取っ手がなかったから、全然気付かなかったのです。
でも、これであの女中さんが犯人だと証明できますね」
「あぁ。希月さんのおかげだよ。」
へへっとココネは髪をとかしながら、頬を染めて顔を緩める。
「こういう仕掛けのある箪笥を、≪からくり箪笥≫っていうんです。一見するとただの箪笥ですけど、引き出しを開け閉めすると中に入れた物がなくなったり、90度反転や180度回転する引き出しとか、からくり仕掛けが施されているんです。この仏壇箪笥も取っ手はないですけど、物を入れることができるんです。昔、見たことがあるのでもしかしたらと思って。」
「この凶器と像はどうしましょう?」
ゆめみがオドロキたちに尋ねた。
「一度仏壇を元に戻しておこう。もうそろそろ警察がくるだろうから、そのときにこの仏壇について証言しよう。」
希月さん手伝って。とオドロキが言う。
すると、ココネが言いにくそうに、口を開く。
「あのっその前にちょっと……お手洗いに行ってきます!」
そそくさとトイレに向かうココネに、オドロキはふぅとため息を吐いた。
「あんなに村でオレンジジュースなんて飲むから……」
じっとゆめみが仏壇箪笥の中身を見つめていたので、オドロキは彼女に声をかけた。
「どうしたのゆめみちゃん?」
「いえっ、私が仏壇を戻すお手伝いできれば、よかったなぁっと思っただけです……」
ははっとオドロキが笑う。
「いいよ。ゆめみちゃんは重すぎて箪笥を持てなかったんだから気にしなくて……」
ふっとオドロキはある疑問が脳裏に浮かんだ。
「……あれ?」
待てよ。
あの女中さんは被害者を撃って、その後、この仏壇に銃を隠した。
そして、銃声を聞いて、今まさに現場に駆けつけたように見せかけた。
もしあの女中さんが犯人なら、どうやってあの短い時間で仏壇に凶器と銃を隠したんだ?
見たところあの女中さんはゆめみちゃんと身長は変わらない。
見た目も、体育会系のココネと違い、運動が得意そうな女性には見えなかった。
そんな女性が一人で、大人2人掛かりでやっと動かせる仏壇の隠し棚に、どうやってあの短い時間で凶器と像を隠したのか?
「ひやぁああああっ」
ゆめみの叫び声にハッとして、思考を巡らしていたオドロキが顔をあげた。
「ゆめみちゃん!」
ココネたちは仏壇の棚を開けて隅々まで探す。
すべての棚や引き出しを開け、中身をひっくり返していく。
だが、あったのは線香の束、微かなホコリとありがたいお経だけであった。
「おかしいな。絶対この仏壇に隠されてると思ったのに……」
ゆめみが仏壇の側面をなにやら探るような手つきで撫でているのに、ココネが気づく。
「どうしたの、ゆめみちゃん?」
彼女の行動が気になり、ココネは思わず声をかけた。
「あっあの、この仏壇、なんだか私の家にあるものと違うような気がして……」
そう言って、ゆめみはコンコンと仏壇箪笥の横の壁を軽く手の甲で叩いていく。
ゆめみが仏壇の支えらしきところを叩いた瞬間、ココネがあっと声をあげた。
「ゆめみちゃん!最初から、もう一回叩いてみて!」
「?はっはい。」
「なにか気づいたの?希月さん。」
しっとココネが口に人差し指を当てる。
「静かに。」
オドロキがぐっと両手を口に当てる。
ココネに言われた通り、ゆめみは仏壇の壁を叩いた。
コンコンっと引き出しの一段目、二段目、そして箪笥の支えを叩いていく。
「……やっぱり!」
パンっと手を叩いて、ココネは納得したような表情を浮かべる。
「このタンスの支えと引き出しの壁の音が同じなんです。」
「どっどういうこと?」
オドロキが額に冷や汗をかきながら、後輩に説明を求めた。
「結論から言うと、このタンスの支えの中も、引き出しみたいに道具がしまえるようになってるんです!」
「!ってことは!?」
オドロキはハッとした顔つきで、ココネに目線を送る。
ココネが大きく頷く。
「この支えの中に拳銃と像が隠されてるかもしれません。」
…………。
「希月さん、いい?」
「いつでもOKです!」
せーのっと掛け声と共にオドロキとココネは支えの上から仏壇をどかした。
「あっ!見てください!この位置に仏壇を置けば、死体の位置ともばっちり合います!」
「!弁護士さん!見てください!」
ゆめみが中にあった物を指差す。
そこには鬼が切られている15センチほどの木彫りの像と、9口径の小銃があった。
「やっぱり鬼切り像は盗まれていなかったんですね。」
お盆に隠れながら、怖々と仏壇の支えの中を覗く。
「こんなところに隠してあったんですね。取っ手がなかったから、全然気付かなかったのです。
でも、これであの女中さんが犯人だと証明できますね」
「あぁ。希月さんのおかげだよ。」
へへっとココネは髪をとかしながら、頬を染めて顔を緩める。
「こういう仕掛けのある箪笥を、≪からくり箪笥≫っていうんです。一見するとただの箪笥ですけど、引き出しを開け閉めすると中に入れた物がなくなったり、90度反転や180度回転する引き出しとか、からくり仕掛けが施されているんです。この仏壇箪笥も取っ手はないですけど、物を入れることができるんです。昔、見たことがあるのでもしかしたらと思って。」
「この凶器と像はどうしましょう?」
ゆめみがオドロキたちに尋ねた。
「一度仏壇を元に戻しておこう。もうそろそろ警察がくるだろうから、そのときにこの仏壇について証言しよう。」
希月さん手伝って。とオドロキが言う。
すると、ココネが言いにくそうに、口を開く。
「あのっその前にちょっと……お手洗いに行ってきます!」
そそくさとトイレに向かうココネに、オドロキはふぅとため息を吐いた。
「あんなに村でオレンジジュースなんて飲むから……」
じっとゆめみが仏壇箪笥の中身を見つめていたので、オドロキは彼女に声をかけた。
「どうしたのゆめみちゃん?」
「いえっ、私が仏壇を戻すお手伝いできれば、よかったなぁっと思っただけです……」
ははっとオドロキが笑う。
「いいよ。ゆめみちゃんは重すぎて箪笥を持てなかったんだから気にしなくて……」
ふっとオドロキはある疑問が脳裏に浮かんだ。
「……あれ?」
待てよ。
あの女中さんは被害者を撃って、その後、この仏壇に銃を隠した。
そして、銃声を聞いて、今まさに現場に駆けつけたように見せかけた。
もしあの女中さんが犯人なら、どうやってあの短い時間で仏壇に凶器と銃を隠したんだ?
見たところあの女中さんはゆめみちゃんと身長は変わらない。
見た目も、体育会系のココネと違い、運動が得意そうな女性には見えなかった。
そんな女性が一人で、大人2人掛かりでやっと動かせる仏壇の隠し棚に、どうやってあの短い時間で凶器と像を隠したのか?
「ひやぁああああっ」
ゆめみの叫び声にハッとして、思考を巡らしていたオドロキが顔をあげた。
「ゆめみちゃん!」