第一話:嘘吐きは泥棒のはじまり
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「とりあえず、職人さんに会いに行きましょう。
このお寺に住み込んでいて、寺の離れ家で仕事をしているらしいです」
ゆめみは独り言を呟いていた今野に声をかける。
「今野さん。行きますよ。」
「あっ。しっ失礼。それじゃ行こうか」
すると、すぐにこちらの世界に戻ってきて、寺の離れへとゆめみと共に向かい始める。
ゆめみたちが寺の境内を歩き始め、オドロキたちはその後についていく。
ゆめみは門から見える母屋を迂回して、裏にある離れへと進む。
「そういえば、その職人の名前はなんて言うの?」
ココネがゆめみに質問をした。
「白川鬼三郎(シラカワ キサブロウ)。彫刻を彫る仕事をしている職人さんです。
お父さんとは中学の頃の友人なん……」
……パァーン……
突如聞こえた音に、ゆめみの言葉が途切れた。
オドロキたちは足を止める。
「なんだ?今の音……」
オドロキが怪訝な顔を音の方へ向ける。
ココネがハッとして、駆け出す。
「銃声ですよ!!さっきの!!」
「なんだってぇ!?」
走り出したココネのあとをオドロキたちが慌てて追いかける。
「あっ!こら君たち!待ちたまえっ!」
走りだしたオドロキたちの後を、駐在が追った。
同日 午後4時30分
鬼寺・離れ家
「警察です!ここを開けてくださいっ!」
駐在はドンドンッと玄関の引き戸を壊す勢いで叩く。
キャアアアアアと女性の叫び声を聞き、駐在は引き戸を乱暴に開け放った。
駐在の後に、オドロキたちがついていく。
駐在は靴を脱ぎ捨て、左手にあった障子を開け放ち、奥の障子を続けて開ける。
駐在の背中越しに、部屋のある物にオドロキの注意はひきつけられた。
オドロキが見たものは、部屋の中央に倒れている人の姿であった。
赤い池の真ん中で、中肉中背の体がうつぶせになっている。
その足元で和装姿の女性が、うつぶせの体を揺すっていた。
「白川様っ!白川様っ!」
部屋全体を見てみると、オドロキたちから見て、右の壁際にオドロキの背ほどの仏壇タンスが置かれていた。
その仏壇タンスの引き出しに、一ヶ所あかがね色が手の形に光っている。
「白川さん!」
今野が女性と横たわっている人のそばに行って、かがみ込んだ。
今野は死体の手首を取り、そっと死体の右のまぶたを開けた。
「……ダメだっ。すでに息を引き取ってる。」
「そんなっ!」
ココネが両手で口を押さえる。
ああああぁと女性が畳の上に顔を伏せ、泣き叫ぶ。
なんだなんだ!?
縁側の障子から、バタバタと大柄な男と小柄な男が入ってくる。
「先生っ!」
大柄な男が白川のそばに駆け寄る。
「先生はどうされたんですか!?」
小柄な男は今野に必死な声で問い詰める。
「何者かに襲われ、残念ながら息を引き取りました。」
「そんなっ!?」
「あっ!」
大柄な男がなにかに気づき、仏壇を指差す。
「ないっ!ないぞっ!」
その声に女性と小柄な男も仏壇を見て、驚愕に目を開く。
「鬼切り像がっ!」
「なくなっているわっ!」
そこでハッと今野がある事実に気づいた。
「……まさか」
今野は仏壇を睨む。
「《鬼風 》の仕業かっ!?」
オドロキたちはただ呆然と成り行きを見ているしかなかった。
このお寺に住み込んでいて、寺の離れ家で仕事をしているらしいです」
ゆめみは独り言を呟いていた今野に声をかける。
「今野さん。行きますよ。」
「あっ。しっ失礼。それじゃ行こうか」
すると、すぐにこちらの世界に戻ってきて、寺の離れへとゆめみと共に向かい始める。
ゆめみたちが寺の境内を歩き始め、オドロキたちはその後についていく。
ゆめみは門から見える母屋を迂回して、裏にある離れへと進む。
「そういえば、その職人の名前はなんて言うの?」
ココネがゆめみに質問をした。
「白川鬼三郎(シラカワ キサブロウ)。彫刻を彫る仕事をしている職人さんです。
お父さんとは中学の頃の友人なん……」
……パァーン……
突如聞こえた音に、ゆめみの言葉が途切れた。
オドロキたちは足を止める。
「なんだ?今の音……」
オドロキが怪訝な顔を音の方へ向ける。
ココネがハッとして、駆け出す。
「銃声ですよ!!さっきの!!」
「なんだってぇ!?」
走り出したココネのあとをオドロキたちが慌てて追いかける。
「あっ!こら君たち!待ちたまえっ!」
走りだしたオドロキたちの後を、駐在が追った。
同日 午後4時30分
鬼寺・離れ家
「警察です!ここを開けてくださいっ!」
駐在はドンドンッと玄関の引き戸を壊す勢いで叩く。
キャアアアアアと女性の叫び声を聞き、駐在は引き戸を乱暴に開け放った。
駐在の後に、オドロキたちがついていく。
駐在は靴を脱ぎ捨て、左手にあった障子を開け放ち、奥の障子を続けて開ける。
駐在の背中越しに、部屋のある物にオドロキの注意はひきつけられた。
オドロキが見たものは、部屋の中央に倒れている人の姿であった。
赤い池の真ん中で、中肉中背の体がうつぶせになっている。
その足元で和装姿の女性が、うつぶせの体を揺すっていた。
「白川様っ!白川様っ!」
部屋全体を見てみると、オドロキたちから見て、右の壁際にオドロキの背ほどの仏壇タンスが置かれていた。
その仏壇タンスの引き出しに、一ヶ所あかがね色が手の形に光っている。
「白川さん!」
今野が女性と横たわっている人のそばに行って、かがみ込んだ。
今野は死体の手首を取り、そっと死体の右のまぶたを開けた。
「……ダメだっ。すでに息を引き取ってる。」
「そんなっ!」
ココネが両手で口を押さえる。
ああああぁと女性が畳の上に顔を伏せ、泣き叫ぶ。
なんだなんだ!?
縁側の障子から、バタバタと大柄な男と小柄な男が入ってくる。
「先生っ!」
大柄な男が白川のそばに駆け寄る。
「先生はどうされたんですか!?」
小柄な男は今野に必死な声で問い詰める。
「何者かに襲われ、残念ながら息を引き取りました。」
「そんなっ!?」
「あっ!」
大柄な男がなにかに気づき、仏壇を指差す。
「ないっ!ないぞっ!」
その声に女性と小柄な男も仏壇を見て、驚愕に目を開く。
「鬼切り像がっ!」
「なくなっているわっ!」
そこでハッと今野がある事実に気づいた。
「……まさか」
今野は仏壇を睨む。
「《
オドロキたちはただ呆然と成り行きを見ているしかなかった。