第一話:嘘吐きは泥棒のはじまり
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ココネとオドロキが呆れた目でクマベエを見下ろす。
「相変わらずですね。あなたも」
腕を組むオドロキの手首には、きちんと腕輪が戻っていた。
「いいかげん、スリから足を洗ったらどうですか?」
腰に手を当て、ココネがくまべえにキツイ声で言った。
「オラだってそうしようとは思ったさ。だけんども、さっきこんなもんを見つけたらそうも言ってられなくなっただぁ!」
わめきながら、クマベエは白いカードをオドロキたちに突きつける。
「なんですか?これ?」
オドロキがカードに目を向ける。
「なんかところどころ汚れてますね」
土汚れの目立つカードを心音が目を細めながら見た。
オドロキたちはカードの文字を目でなぞっていく。
カードには歌舞伎の看板に出てくるような、筆文字で書かれていた。
「って!これ、もしかして犯行予告っ!?」
「一体どこで手に入れたんですか!?」
「この前市長に会ったとき、ポケットから拝借を……」
「って!やっぱり勝手に盗ったんですね!」
「ひぃいいいいい!」
ココネの怒鳴り声に、クマベエは肩のタオルを頭に被る。
「"霜降月の 鬼の宿りし日
憎き日輪沈む 逢魔時
らくようの 鬼寺から
鬼切り像を頂きに参上仕る"……」
オドロキはカードの内容を声に出して読み上げるが、途中で眉間に皺を寄せる。
「希月さん。最後の文字、なんて書いてあるかわかる?」
「んー?」
ココネも目を細めながら、カードを覗き込む。
「……すみません、私も読めないです。」
最後の名前のところだけ、汚れが酷く二人とも解読はできなかった。
「最後のマークも見たことのないものですね」
「なんだろう?これ?」
「紅葉の形してますね。」
「そんなことはどうでもいい!」
クマベエは肩のタオルを握り締め、叫んだ。
クマベエの大声に、オドロキたちは身をわずかに後退させる。
「おらが気に入らないのは泥棒のくせに、犯行予告を出してることだぁ!」
顔をしわくちゃにしながらクマベエは怒りを顕にした。
「この村にはオラのじいちゃんのアズキ小僧っていう立派な義賊がいただぁ!だから、もう泥棒なんて必要ねえべ!」
「いや、泥棒なんて一人もいない方がいいんですけど。」
オドロキが呆れ気味にツッコミをいれる。
「予告状に書いてあるこの鬼寺ってどこにあるんですか?」
「その寺なら、あの呉葉山(クレハヤマ)の頂上さ」
クマベエは背後にある赤く染まっている山を指差した。
「このカードにも書いてある鬼切り像ってそんなに高価な物なんですか?」
「おらも詳しいことはわっかんねえけども、
前にその像を懐に入れただけで、
今の持ち主が像を取り返すまでどこまでも追いかけてきただぁ。
あそこの住職は本当におっかねえよ。」
「やっぱり盗ったんですね」
「だから、おらもあの職人から盗むのは諦め「くおらっ!泥棒!アタシの指輪返せ!」
「ひぃいいいい!」
クマベエの顔を見つけて、若い女性が鬼の形相で彼に突進してきた。
クマベエは若い女性を見て、一目散に逃げ出し、若い女性は彼を追いかけて行ってしまった。
「……手にはめてる指輪、盗ったものだったんだね」
「そうみたいですね。」
ココネがオドロキに顔を向けた。
「センパイ!せっかくですからこの鬼寺に行ってみませんか?」
ココネがきっと顔を引き締める。
「泥棒がくるかもしれないのに、黙って見過ごすなんてできません!」
「うーん……」
どうするべきかオドロキは腕を組んで考えこむ。
「うわっ!」
突如、どんっとココネの背中に男がぶつかってきた。
「あっ!」
「相変わらずですね。あなたも」
腕を組むオドロキの手首には、きちんと腕輪が戻っていた。
「いいかげん、スリから足を洗ったらどうですか?」
腰に手を当て、ココネがくまべえにキツイ声で言った。
「オラだってそうしようとは思ったさ。だけんども、さっきこんなもんを見つけたらそうも言ってられなくなっただぁ!」
わめきながら、クマベエは白いカードをオドロキたちに突きつける。
「なんですか?これ?」
オドロキがカードに目を向ける。
「なんかところどころ汚れてますね」
土汚れの目立つカードを心音が目を細めながら見た。
オドロキたちはカードの文字を目でなぞっていく。
カードには歌舞伎の看板に出てくるような、筆文字で書かれていた。
「って!これ、もしかして犯行予告っ!?」
「一体どこで手に入れたんですか!?」
「この前市長に会ったとき、ポケットから拝借を……」
「って!やっぱり勝手に盗ったんですね!」
「ひぃいいいいい!」
ココネの怒鳴り声に、クマベエは肩のタオルを頭に被る。
「"霜降月の 鬼の宿りし日
憎き日輪沈む 逢魔時
らくようの 鬼寺から
鬼切り像を頂きに参上仕る"……」
オドロキはカードの内容を声に出して読み上げるが、途中で眉間に皺を寄せる。
「希月さん。最後の文字、なんて書いてあるかわかる?」
「んー?」
ココネも目を細めながら、カードを覗き込む。
「……すみません、私も読めないです。」
最後の名前のところだけ、汚れが酷く二人とも解読はできなかった。
「最後のマークも見たことのないものですね」
「なんだろう?これ?」
「紅葉の形してますね。」
「そんなことはどうでもいい!」
クマベエは肩のタオルを握り締め、叫んだ。
クマベエの大声に、オドロキたちは身をわずかに後退させる。
「おらが気に入らないのは泥棒のくせに、犯行予告を出してることだぁ!」
顔をしわくちゃにしながらクマベエは怒りを顕にした。
「この村にはオラのじいちゃんのアズキ小僧っていう立派な義賊がいただぁ!だから、もう泥棒なんて必要ねえべ!」
「いや、泥棒なんて一人もいない方がいいんですけど。」
オドロキが呆れ気味にツッコミをいれる。
「予告状に書いてあるこの鬼寺ってどこにあるんですか?」
「その寺なら、あの呉葉山(クレハヤマ)の頂上さ」
クマベエは背後にある赤く染まっている山を指差した。
「このカードにも書いてある鬼切り像ってそんなに高価な物なんですか?」
「おらも詳しいことはわっかんねえけども、
前にその像を懐に入れただけで、
今の持ち主が像を取り返すまでどこまでも追いかけてきただぁ。
あそこの住職は本当におっかねえよ。」
「やっぱり盗ったんですね」
「だから、おらもあの職人から盗むのは諦め「くおらっ!泥棒!アタシの指輪返せ!」
「ひぃいいいい!」
クマベエの顔を見つけて、若い女性が鬼の形相で彼に突進してきた。
クマベエは若い女性を見て、一目散に逃げ出し、若い女性は彼を追いかけて行ってしまった。
「……手にはめてる指輪、盗ったものだったんだね」
「そうみたいですね。」
ココネがオドロキに顔を向けた。
「センパイ!せっかくですからこの鬼寺に行ってみませんか?」
ココネがきっと顔を引き締める。
「泥棒がくるかもしれないのに、黙って見過ごすなんてできません!」
「うーん……」
どうするべきかオドロキは腕を組んで考えこむ。
「うわっ!」
突如、どんっとココネの背中に男がぶつかってきた。
「あっ!」