眠れる貴方へ/諏訪
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少し古びたアパートの2階の一番奥。
その部屋を付き合ってから1ヶ月経った頃預けてくれた合鍵で扉を開けた。途端にムワッとした部屋の熱気に包まれる。
部屋の香りの中にふわりと恋人のタバコの匂いが混じる。
部屋に入って勝手知ったる足取りで電気をつけてクーラーのボタンを押した。
その足でキッチンへ向かい冷蔵庫のドアを開ける。相変わらずビールばかりで他の物がほとんど入ってない。仕方ないなぁと思いながらも買ってきた物を詰めていく。
肝心の部屋の主は今はいない。
部屋の主でもあり恋人でもある諏訪洸太郎は飲み会に行ってしまった。
飲み会の相手はいつものメンバーの風間くん達だから心配はしていない。
どちらかというと飲み過ぎた風間くんを介抱する方だから大丈夫だろう。
お風呂に入って髪を乾かしながらテレビを見る。
自分の部屋のように寛いでいるが本当にこの部屋は落ち着くのだ。それは家人と同じかもしれない。
もちろん恋人である洸太郎にドキドキしたりキュンとしたりもするがなにより一緒にいると落ち着く。会話がなくても側にいるだけでも満足出来る、そんな人だ。
もうすぐ日付も変わるだろうという頃、ガチャガチャと鍵を回す音がする。
洸太郎が帰ってきたなと玄関に向かうが、ガチャガチャしてなかなか入ってこない。
少し古い故に鍵を開ける時に少しコツがいるのだがすんなり開けられない所をみると今日は結構酔ってるのかもしれない。
ドアに近付くと向こうから「あれ?くそっなんでだ」なんてボソボソ言ってるのが聞こえた。仕方なく内側から鍵を開けてあげるとふらりと洸太郎が部屋に入ってきた。
「おー名前、来てたかー」
「おかえり洸太郎、今日は珍しく酔っ払ってるじゃん…ってお酒臭っ!」
飲み会帰りの洸太郎に何度も会った事があるけどこんな風にお酒の匂いを纏わせる程酔っているのは珍しい。
靴を脱ぐかと思いきやすぐ玄関に座り込んでしまった。よくここまで無事に帰ってこれたものだ。
「かざまたちがよーしこたまさけをついできやがってよー」
呂律も怪しい。動きそうもないから靴を脱がせてあげる。
「ちょっと立てる?とりあえずベッドまで移動して」
しゃがんで洸太郎の腕を肩に回しどうにか立たせる。
決して骨太な方ではないが洸太郎だって男だ。しかも酔って力が入らない状態だとなかなか重い。
ズルズルと半ば引き摺るようにベッドへと移動させる。
「お水飲む?待ってて」
と声を掛けたがそのままベッドへぼすんと身を沈めてしまった。
冷蔵庫から水を出し洸太郎のコップに注ぐ。振り返って寝室を覗くとベッドに寝転んだままだ。
「おーい洸太郎、大丈夫ー?」
声を掛けながら近付くと「おぅ…へーきへーき」と小さいながらも返事があった。
「お水持ってきたよ」
声を掛けて背中に手を入れ身体を起こしてあげる。
目はほとんど開いてなかったけれど私からコップを受け取るとゴクゴクと一気に飲み干したと思うとまたベッドに逆戻り。今度こそ寝てしまったようで寝息が聞こえてきた。
私はため息をついてハーフパンツだけは脱がせ布団に転がすとタオルケットを掛けてあげた。
気持ち良さそうな顔で寝ている恋人の顔を見つめる。ちょっとかさついた肌、伸びかけてる髭、お酒臭い息。それでも私の愛しい恋人だ。
ふと時計を見るとちょうど0時になったところだった。
「お誕生日おめでとう、洸太郎」
愛しい人へそう声を掛ける。朝になったら頭が痛いと言いつつべろべろに酔っ払って帰ってきた事にバツが悪そうな顔して起きてくるんだろうな。
今日は特別な所へは行けないかもしれない。それでもこの人とならそれもいい。
きっと来年も再来年もこの人の誕生日を穏やかに祝える日が続くはず。
私は寝室の電気を消しておやすみ、と呟いた。
その部屋を付き合ってから1ヶ月経った頃預けてくれた合鍵で扉を開けた。途端にムワッとした部屋の熱気に包まれる。
部屋の香りの中にふわりと恋人のタバコの匂いが混じる。
部屋に入って勝手知ったる足取りで電気をつけてクーラーのボタンを押した。
その足でキッチンへ向かい冷蔵庫のドアを開ける。相変わらずビールばかりで他の物がほとんど入ってない。仕方ないなぁと思いながらも買ってきた物を詰めていく。
肝心の部屋の主は今はいない。
部屋の主でもあり恋人でもある諏訪洸太郎は飲み会に行ってしまった。
飲み会の相手はいつものメンバーの風間くん達だから心配はしていない。
どちらかというと飲み過ぎた風間くんを介抱する方だから大丈夫だろう。
お風呂に入って髪を乾かしながらテレビを見る。
自分の部屋のように寛いでいるが本当にこの部屋は落ち着くのだ。それは家人と同じかもしれない。
もちろん恋人である洸太郎にドキドキしたりキュンとしたりもするがなにより一緒にいると落ち着く。会話がなくても側にいるだけでも満足出来る、そんな人だ。
もうすぐ日付も変わるだろうという頃、ガチャガチャと鍵を回す音がする。
洸太郎が帰ってきたなと玄関に向かうが、ガチャガチャしてなかなか入ってこない。
少し古い故に鍵を開ける時に少しコツがいるのだがすんなり開けられない所をみると今日は結構酔ってるのかもしれない。
ドアに近付くと向こうから「あれ?くそっなんでだ」なんてボソボソ言ってるのが聞こえた。仕方なく内側から鍵を開けてあげるとふらりと洸太郎が部屋に入ってきた。
「おー名前、来てたかー」
「おかえり洸太郎、今日は珍しく酔っ払ってるじゃん…ってお酒臭っ!」
飲み会帰りの洸太郎に何度も会った事があるけどこんな風にお酒の匂いを纏わせる程酔っているのは珍しい。
靴を脱ぐかと思いきやすぐ玄関に座り込んでしまった。よくここまで無事に帰ってこれたものだ。
「かざまたちがよーしこたまさけをついできやがってよー」
呂律も怪しい。動きそうもないから靴を脱がせてあげる。
「ちょっと立てる?とりあえずベッドまで移動して」
しゃがんで洸太郎の腕を肩に回しどうにか立たせる。
決して骨太な方ではないが洸太郎だって男だ。しかも酔って力が入らない状態だとなかなか重い。
ズルズルと半ば引き摺るようにベッドへと移動させる。
「お水飲む?待ってて」
と声を掛けたがそのままベッドへぼすんと身を沈めてしまった。
冷蔵庫から水を出し洸太郎のコップに注ぐ。振り返って寝室を覗くとベッドに寝転んだままだ。
「おーい洸太郎、大丈夫ー?」
声を掛けながら近付くと「おぅ…へーきへーき」と小さいながらも返事があった。
「お水持ってきたよ」
声を掛けて背中に手を入れ身体を起こしてあげる。
目はほとんど開いてなかったけれど私からコップを受け取るとゴクゴクと一気に飲み干したと思うとまたベッドに逆戻り。今度こそ寝てしまったようで寝息が聞こえてきた。
私はため息をついてハーフパンツだけは脱がせ布団に転がすとタオルケットを掛けてあげた。
気持ち良さそうな顔で寝ている恋人の顔を見つめる。ちょっとかさついた肌、伸びかけてる髭、お酒臭い息。それでも私の愛しい恋人だ。
ふと時計を見るとちょうど0時になったところだった。
「お誕生日おめでとう、洸太郎」
愛しい人へそう声を掛ける。朝になったら頭が痛いと言いつつべろべろに酔っ払って帰ってきた事にバツが悪そうな顔して起きてくるんだろうな。
今日は特別な所へは行けないかもしれない。それでもこの人とならそれもいい。
きっと来年も再来年もこの人の誕生日を穏やかに祝える日が続くはず。
私は寝室の電気を消しておやすみ、と呟いた。