チェックメイト/王子
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委員会を終え教室へと戻る。
夕日が差し込む放課後の教室。教室の窓枠に凭れかかって校庭をぼんやり見ている王子君がいた。
王子君の横顔を夕日が染める。やっぱり綺麗な顔だなと見つめていると
「一緒に帰ろうよ」
私に気付いた王子君が微笑みながら告げた。
なぜ?とまず頭に浮かんだ。王子君とはただのクラスメイトだ。
強いて言うなら隣の席だから彼がボーダーの任務で休んだ時などにノートを写させてあげるくらい。
疑問を持ちながらも断る理由もないから共に教室を出る。
「王子君はどうしてこんな時間まで学校に居たの?」
「この間任務で受けれなかった小テストを受けてたんだ。君に借りたノートのお陰でばっちりだったよ」
下駄箱で靴を履き替えながら王子君は答えた。
王子君は名前だけではなく顔も雰囲気も王子様のようだ。ただ上履きからローファーに履き替えているだけなのに気品に溢れている。実は貴族なのか?それに加えボーダー隊員というステータス。モテないはずがない。休み時間には他クラスの生徒や後輩の女子達がたまに覗きに来たりしている。
そんな人と並んで歩くのは正直気が引ける。ただの平々凡々な取り立てて特徴のない私が横にいる所を誰かに見られたら…。気が気ではない。
そんな私を他所に王子君は並んでにこやかに話を続ける。
クラスの話やボーダーの話。聞いていてもとても楽しい。でも…
「あの…王子君。なんで私と帰ろうと思ったの…?」
私の問いに王子君は足を止めた。こちらを真っ直ぐ見ているが逆光で表情はよく見えない。
「一緒に帰るのに理由が必要かな?…そうだね、理由なら…」
その時だった。急に王子君が私の腕をグイッと引いた。ハッとした時には王子君が目の前にいてその真横を自転車が通過しようとしていた。
「危なかったね。…そう理由なら1つだけだよ。ぼくが君を好きだからだよ」
そう言うと私の腕を掴んでいた手を緩め、スルリと私の指に絡めた。
「えっ!?えっと待って!王子君が?私を!?」
顔が燃えるように熱い。繋がっている手からは王子君の体温が伝わり頭がどうにかなりそうだ。急な事に考えが追いつかない。
なんでだ?私みたいなのを王子君が?私の事を好き?嬉しいけど私なんかでいいのだろうか。そもそも私は王子君の事をどう思っているのか。
「ちょっと待って!急にそんな事言われても!」
絡んだ指が気恥ずかしくて思わず振り払ってしまった。
「なぜって?好きになるのにも理由が必要かい?」
王子君はもう一度私の手に指を絡めてきた。
「ただのクラスメイトは飽きたんだ。もう我慢出来ない」
指を絡めたまま王子君は私の手を口元に持っていきそっと口付けた。
真っ直ぐな目線とぶつかる。これはあれだ。
私は王子君にチェックメイトされてしまったのだ。
夕日が差し込む放課後の教室。教室の窓枠に凭れかかって校庭をぼんやり見ている王子君がいた。
王子君の横顔を夕日が染める。やっぱり綺麗な顔だなと見つめていると
「一緒に帰ろうよ」
私に気付いた王子君が微笑みながら告げた。
なぜ?とまず頭に浮かんだ。王子君とはただのクラスメイトだ。
強いて言うなら隣の席だから彼がボーダーの任務で休んだ時などにノートを写させてあげるくらい。
疑問を持ちながらも断る理由もないから共に教室を出る。
「王子君はどうしてこんな時間まで学校に居たの?」
「この間任務で受けれなかった小テストを受けてたんだ。君に借りたノートのお陰でばっちりだったよ」
下駄箱で靴を履き替えながら王子君は答えた。
王子君は名前だけではなく顔も雰囲気も王子様のようだ。ただ上履きからローファーに履き替えているだけなのに気品に溢れている。実は貴族なのか?それに加えボーダー隊員というステータス。モテないはずがない。休み時間には他クラスの生徒や後輩の女子達がたまに覗きに来たりしている。
そんな人と並んで歩くのは正直気が引ける。ただの平々凡々な取り立てて特徴のない私が横にいる所を誰かに見られたら…。気が気ではない。
そんな私を他所に王子君は並んでにこやかに話を続ける。
クラスの話やボーダーの話。聞いていてもとても楽しい。でも…
「あの…王子君。なんで私と帰ろうと思ったの…?」
私の問いに王子君は足を止めた。こちらを真っ直ぐ見ているが逆光で表情はよく見えない。
「一緒に帰るのに理由が必要かな?…そうだね、理由なら…」
その時だった。急に王子君が私の腕をグイッと引いた。ハッとした時には王子君が目の前にいてその真横を自転車が通過しようとしていた。
「危なかったね。…そう理由なら1つだけだよ。ぼくが君を好きだからだよ」
そう言うと私の腕を掴んでいた手を緩め、スルリと私の指に絡めた。
「えっ!?えっと待って!王子君が?私を!?」
顔が燃えるように熱い。繋がっている手からは王子君の体温が伝わり頭がどうにかなりそうだ。急な事に考えが追いつかない。
なんでだ?私みたいなのを王子君が?私の事を好き?嬉しいけど私なんかでいいのだろうか。そもそも私は王子君の事をどう思っているのか。
「ちょっと待って!急にそんな事言われても!」
絡んだ指が気恥ずかしくて思わず振り払ってしまった。
「なぜって?好きになるのにも理由が必要かい?」
王子君はもう一度私の手に指を絡めてきた。
「ただのクラスメイトは飽きたんだ。もう我慢出来ない」
指を絡めたまま王子君は私の手を口元に持っていきそっと口付けた。
真っ直ぐな目線とぶつかる。これはあれだ。
私は王子君にチェックメイトされてしまったのだ。