賢者の石
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新学期の始まる直前、ナツキはホグワーツに戻ってきた。
「ハリー!ロン!ハーマイオニー!!」
ここまで来る途中、ナツキは調べ物をしていて爆睡していたので、ハーマイオニーとはまだ会っていなかった。
「私、わかったの!」
ナツキは「久しぶり、休暇はどうだった?」といつもであれば聞いていただろうが、興奮してそれどころではなかった。
「アブに聞いたの。ニコラス・フラメルはダンブルドア先生の友達で、錬金術師で、すっごく長生きの人だって・・・!」
ハリー、ロン、ハーマイオニーが顔を見合わせた。そしてハリーが「あ!」と言った。
「そうだ。ダンブルドアだ!蛙チョコカードで見たんだよ。」
そう言ってハリーは部屋からダンブルドアのカードを持ってくる。そこには確かにニコラス・フラメルの名前があった。
「ちょっと待ってて!」
つぎはハーマイオニーがそう言って、やたらと大きな本を持ってきた。そこには賢者の石についてより詳しく書いてあった。ようやく点と点が繋がった。ホグワーツにはフラメルの賢者の石が隠されていて、それをスネイプ先生が狙っているに違いない。
その結論に辿り着いてもナツキたちにできることはそれほどなかった。ナツキは、翌日の夜、ハリーとロンから、休暇中に透明マントをもらったこと、不思議な鏡を見たことを聞いた。
「一番強いのぞみを見せてくれる鏡かあ。私の場合は何が映るんだろう。」
「ナツキも、僕とちょっと似てるから、家族とかじゃないかな。」
ハリーの言葉にそんな気もしたがそうじゃない気もした。お母さんたちに会えるなら、もちろん会いたい。でも、ナツキにとっての家族は、アバーフォースだった。血は繋がっていないが、不器用な愛をくれる、親代わりの偏屈なおじいさん。家族に会うことが一番の望みなのかと言われても、ピントは来なかった。
「家族かもしれないし、ちがうかもしれない。自分が本当に欲しいものは何かって、結構難しい質問なんだね。」
それから数日して、ようやくナツキはスネイプ先生が次のクィディッチの試合の審判をするという情報を知り得た。またハリーが狙われてしまうかもしれない。
「そうだ。何かあってもいいように勉強しよう。」
ナツキは図書室に篭りっきりになった。少なくとも闇の魔術に対する防衛術の簡単なものは全て知識として入れておこうと、1・2年生向けの本を読み漁る。
「呪いの本も見ておかないと・・・・」
『傲慢なあいつをギャフンと言わせるいや〜な呪い』を一生懸命読み込んだ。
「あとは・・そうだ、箒から落ちたとき、地面を柔らかくするような魔法が使えれば・・・・」
地面に関わるといえば園芸だ、とナツキは思い立ち『これであなたもお花マスター』の土の耕し方の章を必死に探す。
ナツキは自分にできることを一生懸命やった。マダム・フーチとの個人レッスンも続けている。
数日後、ハリーは決意を固めた表情で「試合に出るよ」と言ったが、最初の試合の時にあんなにも緊張していたハリーが、平常心で試合に臨めるとナツキはこれっぽっちも思わなかった。
「ハリー、私何があってもいいように色々勉強したの。地面をふかふかにする魔法も覚えて、ちょっと実践もしてみたけど、ちゃんとできたよ。だから、いざとなっても大丈夫。絶対に守るからね!」
談話室の端っこでナツキはこそっとそう言った。
「ありがとう、ナツキ。」
ハリーはちょっぴりマシな気持ちになった。
そして試合当日、ナツキ、ハーマイオニー、ロンは真剣な表情で客席に腰を下ろした。手には杖を握っている。ロンとハーマイオニーは足縛りの術を復習していた。ナツキは最近毎晩行なっているイメトレを思い出し、どんなことにも対応できるようにと気を張った。
しかしすぐにその気は抜けることとなる。
「ハーマイオニー!ロン!あれみて!ダンブルドア先生がいる!」
ナツキはようやく安堵することができた。これで、純粋に試合を楽しめる。だってダンブルドア先生の前でスネイプ先生が悪さできるはずない!
「さぁ、プレイ・ボールだ。アイタッ!」
誰かがロンの頭の後ろをこづいた。マルフォイだった。
「ああ、ごめん。ウィーズリー、気がつかなかったよ。この試合、ポッターはどのくらい箒に乗っていられるかな?誰か、賭けるかい?ウィーズリー、どうだい?」
ロンは答えなかった。ナツキはマルフォイよりも、ジョージがスネイプ先生の方にボールを飛ばしたと言われペナルティを受けたことの方がずっとショックだった。それが面白くなかったのかマルフォイはもっと大きな声で話し出した。
「グリフィンドールの選手がどういうふうに選ばれたか知ってるかい?気の毒な人が選ばれてるんだよ。ポッターは両親がいないし、ウィーズリー一家はお金がないし・・・・ネビル・ロングボトム、君もチームに入るべきだね。脳みそがないから。」
ナツキは流石に不快でこれは注意しようと思ったが、その前にネビルが言い返したのだ。
ナツキはもう放っておくことに決めた。マルフォイなんかよりハリーの方が大事で、ダンブルドア先生がいても心配がゼロになったわけでもないからだ。
その時、ハリーがスニッチを見つけたようだ。
「ハリーー!!」
「行けーーー!!!」
ナツキとハーマイオニーが大きな声で応援する。ちなみにその背後では、ロンたちが取っ組み合いをしていたが、女子二人がそれを気にする余裕はなかった。
「「やったーー!!」」
試合は最速記録を打ち立てて終了し、ナツキとハーマイオニーは抱き合って飛び跳ねた。
「「「「ポッター!ポッター!ポッター!」」」」
試合が終わり、グリフィンドールの談話室はお祭り騒ぎだった。
「ナツキ!」
「ちょっと手伝ってくれ!」
試合が終わったばかりでユニフォーム姿のフレッドとジョージにそう言われ、ナツキは言われるがままについて行く。談話室を抜けて彼らが向かった先は、大広間の下のキッチンであった。
「ケーキをもらおう!」
「でかいやつをだ!」
つまり大きいケーキを運ぶのを手伝えということだろう。屋敷しもべ妖精にお祝い用のケーキを頼むと、あっという間に出来上がった。ケーキの他にも、色々とワゴンに乗せて持ってきてくれた。
三人で分担してそれを談話室まで持って行く。これって選手じゃない人がやってあげることなのでは、とナツキは思ったが、楽しそうにケーキを運ぶ二人を見て、それも野暮だと気づいた。
談話室でお祝いをするグリフィンドール生たち。しかし、そこに主役であるはずのハリーの姿はまだない。
ハリーが現れたのは、それからだいぶ経った時だった。
「あ、ハリー!お疲れ様。遅かったね。」
「ハリーったら、いったいどこにいたのよ?」
「僕らが勝った!君が勝った!僕らの勝ちだ!それに、僕はマルフォイの目に青あざを作ってやったし、ネビルなんか、クラッブとゴイルにたった一人で立ち向かったんだぜ。まだ気を失ってるけど、大丈夫だってマダム・ポンフリーが言ってた。スリザリンに目にもの見せてやったぜ。みんな談話室で君を待ってるんだ。パーティをやってるんだよ。ナツキとフレッドとジョージがケーキやら何やら、キッチンから失敬してきたんだ。」
ナツキ、ハーマイオニー、ロンが好き勝手言うが、ハリーは顔面蒼白なことに気づく。
「それどころじゃない。どこか誰もいない部屋を探そう。大変な話があるんだ。」
談話室を出て、誰もいない部屋で、ハリーが真剣な顔で先ほど何があったのかを話し出した。
「僕らは正しかった。『賢者の石』だったんだ。それを手に入れるのを手伝えって、スネイプがクィレルを脅していたんだ。スネイプはフラッフィーを出し抜く方法を知ってるかって聞いていた・・・・。それと、クィレルの『怪しげなまやかし』のことも何か話してた・・・・。フラッフィー以外にも何か別なものが石を守っているんだと思う。きっと、人を惑わすような魔法がいっぱいかけてあるんだよ。クィレルが闇の魔術に対抗する呪文をかけて、スネイプがそれを破らなくちゃいけないのかもしれない・・・・」
「それじゃ『賢者の石』が安全なのは、クィレルがスネイプに抵抗している間だけということになるわ。」
ハーマイオニーが警告した。
「クィレル先生がスネイプ先生に抵抗なんてできるのかな・・・・」
ナツキはあのオドオドしたニンニク臭い先生を思い出す。
「三日ともたないな。石はすぐなくなっちまうよ。」
四人の考えは同じだったが、口に出したのはロンだった。
「ハリー!ロン!ハーマイオニー!!」
ここまで来る途中、ナツキは調べ物をしていて爆睡していたので、ハーマイオニーとはまだ会っていなかった。
「私、わかったの!」
ナツキは「久しぶり、休暇はどうだった?」といつもであれば聞いていただろうが、興奮してそれどころではなかった。
「アブに聞いたの。ニコラス・フラメルはダンブルドア先生の友達で、錬金術師で、すっごく長生きの人だって・・・!」
ハリー、ロン、ハーマイオニーが顔を見合わせた。そしてハリーが「あ!」と言った。
「そうだ。ダンブルドアだ!蛙チョコカードで見たんだよ。」
そう言ってハリーは部屋からダンブルドアのカードを持ってくる。そこには確かにニコラス・フラメルの名前があった。
「ちょっと待ってて!」
つぎはハーマイオニーがそう言って、やたらと大きな本を持ってきた。そこには賢者の石についてより詳しく書いてあった。ようやく点と点が繋がった。ホグワーツにはフラメルの賢者の石が隠されていて、それをスネイプ先生が狙っているに違いない。
その結論に辿り着いてもナツキたちにできることはそれほどなかった。ナツキは、翌日の夜、ハリーとロンから、休暇中に透明マントをもらったこと、不思議な鏡を見たことを聞いた。
「一番強いのぞみを見せてくれる鏡かあ。私の場合は何が映るんだろう。」
「ナツキも、僕とちょっと似てるから、家族とかじゃないかな。」
ハリーの言葉にそんな気もしたがそうじゃない気もした。お母さんたちに会えるなら、もちろん会いたい。でも、ナツキにとっての家族は、アバーフォースだった。血は繋がっていないが、不器用な愛をくれる、親代わりの偏屈なおじいさん。家族に会うことが一番の望みなのかと言われても、ピントは来なかった。
「家族かもしれないし、ちがうかもしれない。自分が本当に欲しいものは何かって、結構難しい質問なんだね。」
それから数日して、ようやくナツキはスネイプ先生が次のクィディッチの試合の審判をするという情報を知り得た。またハリーが狙われてしまうかもしれない。
「そうだ。何かあってもいいように勉強しよう。」
ナツキは図書室に篭りっきりになった。少なくとも闇の魔術に対する防衛術の簡単なものは全て知識として入れておこうと、1・2年生向けの本を読み漁る。
「呪いの本も見ておかないと・・・・」
『傲慢なあいつをギャフンと言わせるいや〜な呪い』を一生懸命読み込んだ。
「あとは・・そうだ、箒から落ちたとき、地面を柔らかくするような魔法が使えれば・・・・」
地面に関わるといえば園芸だ、とナツキは思い立ち『これであなたもお花マスター』の土の耕し方の章を必死に探す。
ナツキは自分にできることを一生懸命やった。マダム・フーチとの個人レッスンも続けている。
数日後、ハリーは決意を固めた表情で「試合に出るよ」と言ったが、最初の試合の時にあんなにも緊張していたハリーが、平常心で試合に臨めるとナツキはこれっぽっちも思わなかった。
「ハリー、私何があってもいいように色々勉強したの。地面をふかふかにする魔法も覚えて、ちょっと実践もしてみたけど、ちゃんとできたよ。だから、いざとなっても大丈夫。絶対に守るからね!」
談話室の端っこでナツキはこそっとそう言った。
「ありがとう、ナツキ。」
ハリーはちょっぴりマシな気持ちになった。
そして試合当日、ナツキ、ハーマイオニー、ロンは真剣な表情で客席に腰を下ろした。手には杖を握っている。ロンとハーマイオニーは足縛りの術を復習していた。ナツキは最近毎晩行なっているイメトレを思い出し、どんなことにも対応できるようにと気を張った。
しかしすぐにその気は抜けることとなる。
「ハーマイオニー!ロン!あれみて!ダンブルドア先生がいる!」
ナツキはようやく安堵することができた。これで、純粋に試合を楽しめる。だってダンブルドア先生の前でスネイプ先生が悪さできるはずない!
「さぁ、プレイ・ボールだ。アイタッ!」
誰かがロンの頭の後ろをこづいた。マルフォイだった。
「ああ、ごめん。ウィーズリー、気がつかなかったよ。この試合、ポッターはどのくらい箒に乗っていられるかな?誰か、賭けるかい?ウィーズリー、どうだい?」
ロンは答えなかった。ナツキはマルフォイよりも、ジョージがスネイプ先生の方にボールを飛ばしたと言われペナルティを受けたことの方がずっとショックだった。それが面白くなかったのかマルフォイはもっと大きな声で話し出した。
「グリフィンドールの選手がどういうふうに選ばれたか知ってるかい?気の毒な人が選ばれてるんだよ。ポッターは両親がいないし、ウィーズリー一家はお金がないし・・・・ネビル・ロングボトム、君もチームに入るべきだね。脳みそがないから。」
ナツキは流石に不快でこれは注意しようと思ったが、その前にネビルが言い返したのだ。
ナツキはもう放っておくことに決めた。マルフォイなんかよりハリーの方が大事で、ダンブルドア先生がいても心配がゼロになったわけでもないからだ。
その時、ハリーがスニッチを見つけたようだ。
「ハリーー!!」
「行けーーー!!!」
ナツキとハーマイオニーが大きな声で応援する。ちなみにその背後では、ロンたちが取っ組み合いをしていたが、女子二人がそれを気にする余裕はなかった。
「「やったーー!!」」
試合は最速記録を打ち立てて終了し、ナツキとハーマイオニーは抱き合って飛び跳ねた。
「「「「ポッター!ポッター!ポッター!」」」」
試合が終わり、グリフィンドールの談話室はお祭り騒ぎだった。
「ナツキ!」
「ちょっと手伝ってくれ!」
試合が終わったばかりでユニフォーム姿のフレッドとジョージにそう言われ、ナツキは言われるがままについて行く。談話室を抜けて彼らが向かった先は、大広間の下のキッチンであった。
「ケーキをもらおう!」
「でかいやつをだ!」
つまり大きいケーキを運ぶのを手伝えということだろう。屋敷しもべ妖精にお祝い用のケーキを頼むと、あっという間に出来上がった。ケーキの他にも、色々とワゴンに乗せて持ってきてくれた。
三人で分担してそれを談話室まで持って行く。これって選手じゃない人がやってあげることなのでは、とナツキは思ったが、楽しそうにケーキを運ぶ二人を見て、それも野暮だと気づいた。
談話室でお祝いをするグリフィンドール生たち。しかし、そこに主役であるはずのハリーの姿はまだない。
ハリーが現れたのは、それからだいぶ経った時だった。
「あ、ハリー!お疲れ様。遅かったね。」
「ハリーったら、いったいどこにいたのよ?」
「僕らが勝った!君が勝った!僕らの勝ちだ!それに、僕はマルフォイの目に青あざを作ってやったし、ネビルなんか、クラッブとゴイルにたった一人で立ち向かったんだぜ。まだ気を失ってるけど、大丈夫だってマダム・ポンフリーが言ってた。スリザリンに目にもの見せてやったぜ。みんな談話室で君を待ってるんだ。パーティをやってるんだよ。ナツキとフレッドとジョージがケーキやら何やら、キッチンから失敬してきたんだ。」
ナツキ、ハーマイオニー、ロンが好き勝手言うが、ハリーは顔面蒼白なことに気づく。
「それどころじゃない。どこか誰もいない部屋を探そう。大変な話があるんだ。」
談話室を出て、誰もいない部屋で、ハリーが真剣な顔で先ほど何があったのかを話し出した。
「僕らは正しかった。『賢者の石』だったんだ。それを手に入れるのを手伝えって、スネイプがクィレルを脅していたんだ。スネイプはフラッフィーを出し抜く方法を知ってるかって聞いていた・・・・。それと、クィレルの『怪しげなまやかし』のことも何か話してた・・・・。フラッフィー以外にも何か別なものが石を守っているんだと思う。きっと、人を惑わすような魔法がいっぱいかけてあるんだよ。クィレルが闇の魔術に対抗する呪文をかけて、スネイプがそれを破らなくちゃいけないのかもしれない・・・・」
「それじゃ『賢者の石』が安全なのは、クィレルがスネイプに抵抗している間だけということになるわ。」
ハーマイオニーが警告した。
「クィレル先生がスネイプ先生に抵抗なんてできるのかな・・・・」
ナツキはあのオドオドしたニンニク臭い先生を思い出す。
「三日ともたないな。石はすぐなくなっちまうよ。」
四人の考えは同じだったが、口に出したのはロンだった。