炎のゴブレット
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
大広間は異常な空気になっていた。
「僕、名前を入れてない。僕が入れてないこと、知ってるだろう。」
ハーマイオニーとロンは放心していた。ナツキはハリーの手を握った。
「もちろん信じてるよ。でも何かまずいことが起こってる。」
ダンブルドア先生が再び「ハリー・ポッター!」と呼んだ。
「行って。ダンブルドア先生も絶対にハリーのことを疑っていない。」
ハリーはようやく重い足を動かし、広間の前方へと歩いていった。そして、隣の部屋に恐る恐る入っていった。
その時、ハリーの後ろにいたダンブルドア先生がこちらを見たような気がした。そして先生はゴブレットに目をやった。ゴブレットの火は消えていた。
ナツキは今、ダンブルドア先生が小さく安堵したのがわかった。
その意味が手に取るようにわかった。ダンブルドア先生は今、私の名前が書かれた羊皮紙が出る可能性を考えたんだ。
背筋が凍った。
先生がハリーと私がそうなる可能性を考慮したということはもう間違いない。ヴォルデモート絡みの何かが起きている。
グリフィンドール生たちは歓声を上げ、興奮に包まれたまま寮へと向かっていく。
ナツキは、そっとその流れから身を外した。目の前にある熱狂とは真逆の冷たい何かが胸に溢れていた。
足早に、西塔へと向かう。
西塔の突き当たりにある獅子のレリーフ。ナツキは慣れた手つきで、その牙の一つに人差し指を押し当てた。チクリとした痛み。じわりとにじむ血。
次の瞬間、扉が静かに、ぐるりと回転する。
「サイラス!」
ナツキは息を切らせて名を呼ぶ。呼吸の乱れよりも、焦りと混乱が先に立っていた。
「何かあったな。」
暖炉の前に伏せていたサイラスはのそりと立ち上がった。
「ハリーが名乗りを上げていないのに、ゴブレットに選ばれたの。それで・・・」
ナツキは、広間で起きたことを一つひとつ話した。話すうちに、自分の思考が整理されていくのを感じた。
「・・・・ハリーが代表になったら、彼は一人で戦わないといけないの?」
ナツキはサイラスに尋ねた。彼は、ゴドリック・グリフィンドールが作り上げた獅子だ。ホグワーツ創建当初から、ここにいる。対抗試合の知識もあるだろう。
「そうだ。試合中はきっと手出しできないだろう。もっとも私も直接見たことがあるわけではない。ずっとここにいるからな。」
サイラスは静かにナツキに近づくと、ふわりと大きな体を寄せてきた。ナツキも彼のふわふわの鬣にそっと身を預けた。
「ナツキ、ハリー・ポッターが狙われていることは確実だろう。だがな、代表に選ばれなかったからといって、君が狙われていないとは限らないのだ。」
「!」
「ここに潜んでいる何者かが、試合の混乱の中でハリーを殺し、その騒ぎの隙に、お前をヴォルデモートに差し出す。そんな筋書きもあり得る。」
「・・・・わかってる。」
サイラスはしばらくナツキを見つめ、そして静かに言った。
「・・・ああ、ナツキ。客かもしれない。もう寮に戻った方がいい時間だ。彼と、ゆっくり話をするがいい。」
「?」
ナツキはきょとんとした。何のことかわからないまま、とりあえず部屋を出て、廊下を歩き出す。彼って誰だろう?
ナツキが階段を下りようとした、まさにその時だった。
「やはり、ここにおったか。」
低く、しかしどこか優しい声が、背後から響いた。
「ナツキ、こっそり来ておくれ。誰にも見られたくないのじゃ。」
振り返ると、ローブの裾をゆらしながら現れたのは、
「はい。ダンブルドア先生。」
ナツキは、ダンブルドア先生の後に続いて、静かな校長室へと入った。
「さて、ナツキ、困ったことが起きた。聡い君ならば、すでに気づいておるだろう。」
先生はゆっくりと椅子に腰を下ろし、目の前のナツキを見つめた。
「・・・誰かが、ハリーの名前を炎のゴブレットに入れた。対抗試合にかこつけて、殺すために。」
ナツキが言うと、ダンブルドア先生は静かに頷いた。普段のような、きらめく瞳は影をひそめ、深い憂いを湛えていた。
「ハリーを試合に出さないことはできないんですか?」
「君も察しておる通り、それは叶わぬ。ゴブレットに名を入れた瞬間から、魔法契約に縛られてしまう。もう後戻りはできぬのじゃ。」
ナツキは唇を噛みしめた。
「先生、アバーフォースは言ってました。ピーター・ペティグリューが戻っただけでは、すぐにヴォルデモートが完全に復活することはないだろうって。でも、もしかしたら、もう一人・・・・協力者がいるのかもしれません。」
ナツキは、ハリーが見た夢のことを話した。ヴォルデモートのそばにもう一人いたこと。ハリーの傷が疼くようになったこと。
ダンブルドア先生は深く考えるように目を閉じ、そして静かに口を開いた。
「十中八九、そのもう一人が、この城のどこかに潜んでおる。だが、ヴォルデモートに忠実な死喰い人の多くはアズカバンにおるはずなのじゃ。・・・・今のところ、誰なのか、わしにも見当がつかぬ。」
ナツキは、緊張しながら尋ねた。
「先生、私は、何をすればいいですか?」
その問いに、ダンブルドア先生の半月型のメガネが、ぱちりと光を反射した。
「できるだけ、ハリーのそばにいるのじゃ。」
「はい。わかりました。」
ダンブルドアの声が、少し静かになった。
「ナツキには、ハリーにも話していない秘密があるね?」
ナツキの頭に浮かんだのは、グリフィンドールの秘密の部屋のことだった。ハリーにすら秘密にしているのはそれだけだ。いや、双子たちのことも内緒にしているな。
「たぶん、二つくらいあります。一つは私自身の秘密で、もう一つは大切な人の秘密です。」
ダンブルドア先生の目が、優しく細められた。
「それで良い。ナツキ、その秘密を、とりわけ君自身の秘密を、しっかりと守らねばならん。」
「はい。」
「今年は、周囲にいつも以上に気を配るのじゃ。もし、誰かの気配が少しでもしたなら、秘密の場所には近づかぬこと。どんなに急いでいても、またの機会を待つのじゃぞ。」
「はい。」
ダンブルドア先生の口調はいつも通り穏やかだったが、その一言一言からは切迫感がにじんでいた。
「でも私、ハリーも先生も人に言いふらすとは思っていません。」
「それはその通りじゃ。わしもハリーも大切な秘密を易々と口にすることはない。だがの、ナツキ、悲しいことに秘密を無理に暴く方法は少なくないのじゃ。ナツキのその秘密は、決して闇の魔法使いに知られてはいけない。」
「・・・・・あそこには、ヴォルデモートに知られてはいけない何かがあるんですか?」
ナツキの返事に、ダンブルドアは微笑み、人差し指を唇の前に立てた。
「ナツキ、それはワシにも秘密じゃ。」
そして、いつものように片目をつぶってウインクをしてみせた。その仕草に、ナツキは思わず笑ってしまい、胸の緊張がほどけた。
ダンブルドアはふと、思い出したように口を開いた。
「他に、わしに伝えておくべきことはないかの?」
「他に・・・・・あ、そうだ。父が、こっちの方に来てるかもしれません。あの、先生、父をホグワーツのどこかで匿うことって、できませんか?」
ナツキの期待を込めた眼差しに、ダンブルドアは少し困ったような表情を見せた。
「ホグワーツ内でとなると、いささか難しいの。だが、できる限りの協力はしよう。」
「わあ!なら、安心です!」
ナツキの顔に、ぱっと笑顔が戻った。大きな心配事の一つが解決したようなものだ。
「ではナツキ、長々付き合わせて悪かったの。寮まで送ろう。」
ナツキがグリフィンドール塔に戻った頃には、寮生たちのお祭り騒ぎもそろそろ終わりかけていた。談話室には、まだ何人かが余韻を楽しむように残っていたが、すでにソファでうたた寝を始めている者もいた。
ナツキは辺りを見回した。けれど、ハリーもハーマイオニーもロンも見当たらない。
「ハリーたちは?」
暖炉の前であくびをしていたジョージに尋ねると、彼は肩をすくめた。
「ああ、寝るってさ。ちょっと、気が立ってたみたいだな。」
「・・・何しちゃったの?」
ナツキの問いに、ジョージは少し言いにくそうな表情を浮かべた。
「うーん、俺ら、ハリーに『どうやって年齢線を越えたんだ?』って、ちょっとしつこく聞いちまってな。ほら、お前はずっと俺らの作戦に協力してたろ?だから余計に気になっちまって。ハーマイオニーはそういうの絶対許さないタイプだし。で、結局ハリーだけで何かやったのかと思って。」
ナツキは思わず額に手を当てた。
「それは、怒るよ。ハリーは『自分は入れてない』って言わなかった?」
「そりゃあそう言うだろ。一応。」
なるほど、みんなこの態度だったんだな、とナツキは頭を抱えた。ハリーが怒ってしまうのも無理はない。
「何が不味かったんだろう?」
「ハリーに『年齢線』の話はしちゃだめ。ハリーが私たちに何も言わずに入れるわけないでしょ。考えてもみてよ。名乗りを上げたつもりがないのに、命懸けかもしれない試合に選ばれるなんて・・・怖いはずだよ。・・・ロンやハーマイオニーだって怒ってなかった?」
「ハーマイオニーは見てない。ロンはさっさと男子部屋に行ってたよ。」
「え?」
ハーマイオニーが最近いないのはなんとなく察しがつく。反吐、いや、「SPEW」の何かだろう。だが、ロンがハリーのそばにいなかったというのは意外だった。
「どうして?こんなときこそ、ロンはハリーのそばにいるべきでしょ?」
ジョージはしばし言葉に詰まった。
「さあな。いや、うーん。どうだろ・・・・」
「何?はっきり言って。」
「ロニー坊や、もしかしたらハリーと喧嘩したかも。」
「え!?」
「僕、名前を入れてない。僕が入れてないこと、知ってるだろう。」
ハーマイオニーとロンは放心していた。ナツキはハリーの手を握った。
「もちろん信じてるよ。でも何かまずいことが起こってる。」
ダンブルドア先生が再び「ハリー・ポッター!」と呼んだ。
「行って。ダンブルドア先生も絶対にハリーのことを疑っていない。」
ハリーはようやく重い足を動かし、広間の前方へと歩いていった。そして、隣の部屋に恐る恐る入っていった。
その時、ハリーの後ろにいたダンブルドア先生がこちらを見たような気がした。そして先生はゴブレットに目をやった。ゴブレットの火は消えていた。
ナツキは今、ダンブルドア先生が小さく安堵したのがわかった。
その意味が手に取るようにわかった。ダンブルドア先生は今、私の名前が書かれた羊皮紙が出る可能性を考えたんだ。
背筋が凍った。
先生がハリーと私がそうなる可能性を考慮したということはもう間違いない。ヴォルデモート絡みの何かが起きている。
グリフィンドール生たちは歓声を上げ、興奮に包まれたまま寮へと向かっていく。
ナツキは、そっとその流れから身を外した。目の前にある熱狂とは真逆の冷たい何かが胸に溢れていた。
足早に、西塔へと向かう。
西塔の突き当たりにある獅子のレリーフ。ナツキは慣れた手つきで、その牙の一つに人差し指を押し当てた。チクリとした痛み。じわりとにじむ血。
次の瞬間、扉が静かに、ぐるりと回転する。
「サイラス!」
ナツキは息を切らせて名を呼ぶ。呼吸の乱れよりも、焦りと混乱が先に立っていた。
「何かあったな。」
暖炉の前に伏せていたサイラスはのそりと立ち上がった。
「ハリーが名乗りを上げていないのに、ゴブレットに選ばれたの。それで・・・」
ナツキは、広間で起きたことを一つひとつ話した。話すうちに、自分の思考が整理されていくのを感じた。
「・・・・ハリーが代表になったら、彼は一人で戦わないといけないの?」
ナツキはサイラスに尋ねた。彼は、ゴドリック・グリフィンドールが作り上げた獅子だ。ホグワーツ創建当初から、ここにいる。対抗試合の知識もあるだろう。
「そうだ。試合中はきっと手出しできないだろう。もっとも私も直接見たことがあるわけではない。ずっとここにいるからな。」
サイラスは静かにナツキに近づくと、ふわりと大きな体を寄せてきた。ナツキも彼のふわふわの鬣にそっと身を預けた。
「ナツキ、ハリー・ポッターが狙われていることは確実だろう。だがな、代表に選ばれなかったからといって、君が狙われていないとは限らないのだ。」
「!」
「ここに潜んでいる何者かが、試合の混乱の中でハリーを殺し、その騒ぎの隙に、お前をヴォルデモートに差し出す。そんな筋書きもあり得る。」
「・・・・わかってる。」
サイラスはしばらくナツキを見つめ、そして静かに言った。
「・・・ああ、ナツキ。客かもしれない。もう寮に戻った方がいい時間だ。彼と、ゆっくり話をするがいい。」
「?」
ナツキはきょとんとした。何のことかわからないまま、とりあえず部屋を出て、廊下を歩き出す。彼って誰だろう?
ナツキが階段を下りようとした、まさにその時だった。
「やはり、ここにおったか。」
低く、しかしどこか優しい声が、背後から響いた。
「ナツキ、こっそり来ておくれ。誰にも見られたくないのじゃ。」
振り返ると、ローブの裾をゆらしながら現れたのは、
「はい。ダンブルドア先生。」
ナツキは、ダンブルドア先生の後に続いて、静かな校長室へと入った。
「さて、ナツキ、困ったことが起きた。聡い君ならば、すでに気づいておるだろう。」
先生はゆっくりと椅子に腰を下ろし、目の前のナツキを見つめた。
「・・・誰かが、ハリーの名前を炎のゴブレットに入れた。対抗試合にかこつけて、殺すために。」
ナツキが言うと、ダンブルドア先生は静かに頷いた。普段のような、きらめく瞳は影をひそめ、深い憂いを湛えていた。
「ハリーを試合に出さないことはできないんですか?」
「君も察しておる通り、それは叶わぬ。ゴブレットに名を入れた瞬間から、魔法契約に縛られてしまう。もう後戻りはできぬのじゃ。」
ナツキは唇を噛みしめた。
「先生、アバーフォースは言ってました。ピーター・ペティグリューが戻っただけでは、すぐにヴォルデモートが完全に復活することはないだろうって。でも、もしかしたら、もう一人・・・・協力者がいるのかもしれません。」
ナツキは、ハリーが見た夢のことを話した。ヴォルデモートのそばにもう一人いたこと。ハリーの傷が疼くようになったこと。
ダンブルドア先生は深く考えるように目を閉じ、そして静かに口を開いた。
「十中八九、そのもう一人が、この城のどこかに潜んでおる。だが、ヴォルデモートに忠実な死喰い人の多くはアズカバンにおるはずなのじゃ。・・・・今のところ、誰なのか、わしにも見当がつかぬ。」
ナツキは、緊張しながら尋ねた。
「先生、私は、何をすればいいですか?」
その問いに、ダンブルドア先生の半月型のメガネが、ぱちりと光を反射した。
「できるだけ、ハリーのそばにいるのじゃ。」
「はい。わかりました。」
ダンブルドアの声が、少し静かになった。
「ナツキには、ハリーにも話していない秘密があるね?」
ナツキの頭に浮かんだのは、グリフィンドールの秘密の部屋のことだった。ハリーにすら秘密にしているのはそれだけだ。いや、双子たちのことも内緒にしているな。
「たぶん、二つくらいあります。一つは私自身の秘密で、もう一つは大切な人の秘密です。」
ダンブルドア先生の目が、優しく細められた。
「それで良い。ナツキ、その秘密を、とりわけ君自身の秘密を、しっかりと守らねばならん。」
「はい。」
「今年は、周囲にいつも以上に気を配るのじゃ。もし、誰かの気配が少しでもしたなら、秘密の場所には近づかぬこと。どんなに急いでいても、またの機会を待つのじゃぞ。」
「はい。」
ダンブルドア先生の口調はいつも通り穏やかだったが、その一言一言からは切迫感がにじんでいた。
「でも私、ハリーも先生も人に言いふらすとは思っていません。」
「それはその通りじゃ。わしもハリーも大切な秘密を易々と口にすることはない。だがの、ナツキ、悲しいことに秘密を無理に暴く方法は少なくないのじゃ。ナツキのその秘密は、決して闇の魔法使いに知られてはいけない。」
「・・・・・あそこには、ヴォルデモートに知られてはいけない何かがあるんですか?」
ナツキの返事に、ダンブルドアは微笑み、人差し指を唇の前に立てた。
「ナツキ、それはワシにも秘密じゃ。」
そして、いつものように片目をつぶってウインクをしてみせた。その仕草に、ナツキは思わず笑ってしまい、胸の緊張がほどけた。
ダンブルドアはふと、思い出したように口を開いた。
「他に、わしに伝えておくべきことはないかの?」
「他に・・・・・あ、そうだ。父が、こっちの方に来てるかもしれません。あの、先生、父をホグワーツのどこかで匿うことって、できませんか?」
ナツキの期待を込めた眼差しに、ダンブルドアは少し困ったような表情を見せた。
「ホグワーツ内でとなると、いささか難しいの。だが、できる限りの協力はしよう。」
「わあ!なら、安心です!」
ナツキの顔に、ぱっと笑顔が戻った。大きな心配事の一つが解決したようなものだ。
「ではナツキ、長々付き合わせて悪かったの。寮まで送ろう。」
ナツキがグリフィンドール塔に戻った頃には、寮生たちのお祭り騒ぎもそろそろ終わりかけていた。談話室には、まだ何人かが余韻を楽しむように残っていたが、すでにソファでうたた寝を始めている者もいた。
ナツキは辺りを見回した。けれど、ハリーもハーマイオニーもロンも見当たらない。
「ハリーたちは?」
暖炉の前であくびをしていたジョージに尋ねると、彼は肩をすくめた。
「ああ、寝るってさ。ちょっと、気が立ってたみたいだな。」
「・・・何しちゃったの?」
ナツキの問いに、ジョージは少し言いにくそうな表情を浮かべた。
「うーん、俺ら、ハリーに『どうやって年齢線を越えたんだ?』って、ちょっとしつこく聞いちまってな。ほら、お前はずっと俺らの作戦に協力してたろ?だから余計に気になっちまって。ハーマイオニーはそういうの絶対許さないタイプだし。で、結局ハリーだけで何かやったのかと思って。」
ナツキは思わず額に手を当てた。
「それは、怒るよ。ハリーは『自分は入れてない』って言わなかった?」
「そりゃあそう言うだろ。一応。」
なるほど、みんなこの態度だったんだな、とナツキは頭を抱えた。ハリーが怒ってしまうのも無理はない。
「何が不味かったんだろう?」
「ハリーに『年齢線』の話はしちゃだめ。ハリーが私たちに何も言わずに入れるわけないでしょ。考えてもみてよ。名乗りを上げたつもりがないのに、命懸けかもしれない試合に選ばれるなんて・・・怖いはずだよ。・・・ロンやハーマイオニーだって怒ってなかった?」
「ハーマイオニーは見てない。ロンはさっさと男子部屋に行ってたよ。」
「え?」
ハーマイオニーが最近いないのはなんとなく察しがつく。反吐、いや、「SPEW」の何かだろう。だが、ロンがハリーのそばにいなかったというのは意外だった。
「どうして?こんなときこそ、ロンはハリーのそばにいるべきでしょ?」
ジョージはしばし言葉に詰まった。
「さあな。いや、うーん。どうだろ・・・・」
「何?はっきり言って。」
「ロニー坊や、もしかしたらハリーと喧嘩したかも。」
「え!?」