アズカバンの囚人
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夏休みが始まって数週間、ナツキの元に悲しい知らせがジョージから届いた。
「えっ!?ガリオンくじグランプリが当たったの!?」
部屋に一人でいるにも関わらず、ナツキは大きな声で驚いた。手紙に書かれていた悲しい知らせとは、ウィーズリー一家が金貨を手に入れたことで、ウィーズリー家でのお泊まりが中止になったことであった。
「うーん、楽しみだったけど・・・・まあいいか。そうだ、ハリーに手紙でも書こうかな。ね、レオーネ。」
シロフクロウのレオーネは嬉しそうにホウと鳴いた。仲良しのヘドウィグに会いに行きたいのだろう。
「えーと、『ハリーへ、お元気ですか。私は暑くて暑くてとろけてしまいそうです。今年はウィーズリー家にいけなさそうで残念だけど、あの人たち以上に金貨の当選にふさわしい人はいないのでしょうがないですね。ジョージからの手紙によると、新学期の直前にこっちに戻るそうです。そこでみんなで教科書とかを揃えたいですね。』・・・・・うん、こんなところかな。」
レオーネに手紙と、ハリーがお腹が空いたとき用のチョコをたくさん持たせて、見送る。
「そういえば、ハリーの誕生日プレゼントも考えないと。」
間近に迫るハリーの誕生日に何を送ろうかと、通信販売カタログをパラパラと眺める。
「あ、これいいかも。」
ナツキが目を止めた先には、『スニッチ・ウォッチ』と書かれた、秒針がスニッチのように羽ばたく魔法時計だった。
1週間ほどして、ハリーの誕生日の朝、レオーネに今度はハリーの誕生日プレゼントを持たせる。もちろん誕生日カード付きだ。きっと夜には着くだろう。
「じゃあレオーネ、よろしくね。」
任せろと言わんばかりに胸を張ってからレオーネはまた飛び立っていった。
その日の夜、バタバタとアバーフォースが帰ってきて、ナツキの部屋の扉を勢いよく開けた。
「アブ?どうしたの?」
「話は後だ。今すぐ荷物をまとめろ。ここにはしばらく帰らない。」
「え?」
「急げ!!!」
怒鳴るアバーフォースの様子から、どうやら只事ではない何かが起きているのだと察した。ナツキは検知不可能拡大呪文が架けられたトランクに手当たり次第に荷物を突っ込んだ。
「準備できたよ。」
「掴まれ。」
いつものように、アバーフォースの腕に手を掛けると、視界がぐにゃぐにゃと歪み、何処かへ付き添い姿表しする。
気づくと目の前には見覚えのある屋敷が建っていた。クリスマス休暇に、なぜか突然ナツキのものになった、祖母アルバが幼少期に住んでいたらしい旧ゴドリクソン家だ。
ナツキに屋敷へ入るようにアバーフォースは促すと、せっせと家を守る呪文を何重にもかけ始めた。
ようやく呪文をかけ終えたアバーフォースが屋敷に入ってきた。屋敷の中は何十年も手入れをしていないので、正直綺麗とは言い難かった。
「・・・・座れ。大事な話だ。」
「うん。」
椅子の上の埃を手で払い、ナツキはダイニングの椅子に腰を下ろした。アバーフォースは埃など全く気にしないように、ドスンとただ座った。
「落ち着いて聞け。・・・・シリウス・ブラックが脱獄した。」
「え?」
「明日には一面大見出しだろう。お前にとっては他人事じゃないんだ。あいつが、今度こそお前を殺そうとするかもしれん。いいか。夏休みの間、この屋敷から出るな。」
ナツキは落ち着こうと自分に言い聞かせた。フツフツと腹の中が煮えてくるのがわかった。
「・・・・どうやって脱獄したの?」
「知らん。それは魔法省の仕事だ。とにかく、ナツキ、お前は自分の身の安全だけを考えろ。ホグワーツの外にいる今が、一番危険だ。」
その日から、ナツキは旧ゴドリクソン邸での生活が始まった。広い屋敷は、掃除をしなければいけないところだらけで、ナツキはずっと忙しかった。なんてったって、休暇中は魔法を使えない。
数日後、ホグワーツの日用品リストが届いた。その中に、ホグズミード許可証があった。
ナツキが赤ん坊の頃は、さすがに目を離せないと判断したアバフォースはホグズミードでナツキを育てた。だから、ホグズミードはナツキにとって、勝手知ったる場所である。あのあたりの魔法使いは、ナツキの面倒もよく見てくれた。そんな場所で、親友たちと過ごすのは格別に違いない。しかし、
「だめだ。」
「え?」
ホグワーツからの手紙をアバーフォースに見せた開口一番がこれだった。
「ブラックがホグワーツを狙っているという確かな情報がある。しかしホグワーツに忍び込むのは無理だろう。兄は怒り狂ってるだろうな。吸魂鬼が配備される。」
「吸魂鬼がホグワーツに!?」
「そうだ。だからこそやつはホグワーツの周りをうろつくだろう。ホグズミードは最も危険と言える。これに許可はできない。お前は、散々あそこには行ったことがあるだろう。少なくともブラックが捕まるまではだめだ。」
「・・・・友達と一緒には、行ったことないもん・・・・・」
「ナツキ、」
アバーフォースの言い分はわかっている。危険だということもわかっている。でもこの数日、屋敷に篭りがちで、溜まっていた怒りがここで爆発してしまった。
「なんで私が逃げないといけないの!?逃げるべきはあいつのはずでしょう!!・・・・ブラックが出てきたら、私が吸魂鬼に引き渡してやる・・・!!」
「ナツキ!!」
「私は友達と楽しくやりたいだけなのに、なんであんなやつに邪魔されないといけないの!!!」
「いい加減にしろ!だめなものはだめだ!!」
アバーフォースはドンと大きな音を立ててテーブルを叩いた。
「お前がこの2年、ホグワーツでどれだけ無謀なことをしたのか知ってるぞ!今まで黙ってきたが、言わせてもらう!勇敢であることと無謀であることは訳が違う!」
「ハリーが殺されかかった!!!私に親友を見殺しにしろってこと!?」
「命を粗末にするなと言っているんだ!」
アバーフォースも、ナツキも初めてこんな大声で、怒鳴り合った。
「私もハリーも好きで無茶をしているわけじゃない!!ヴォルデモートがいなければ!ブラックがいなければ!!・・・・私は今、ここで平和に家族と過ごせていたかもしれないのに・・・・・」
目頭がグッと熱くなって、ナツキはマクゴナガル先生のように口を真一文字に引き締めた。
「ナツキ、」
アバーフォースの呼びかけを無視して、ナツキはちょっとだけ整えた自分の寝室に行って、ベッドに飛び込んだ。アブの部屋を掃除し終わってなくて良かった。アブなんて埃まみれのベッドで寝ればいいんだ。
翌日になってもナツキの気分は最悪だった。
アバーフォースは仕事に出ていた。机の上には最悪の置き手紙があった。
『学用品は俺が買ってくる。屋敷からは決して出るな。』
ナツキはむしゃくしゃして、今すぐここから出ていってやろうとすら思った。しかし、玄関扉は、魔法で内側からも開けられなくなっていた。それで余計に腹がたった。
結局、仕方なく、暗い気持ちでナツキは屋敷の掃除をしていた。リビングとキッチン、自分の寝室の掃除はあらかた終わったから、他の部屋の開拓を始めた。
夜、アバーフォースとの無言の夕食が終わると、ナツキはハリーたちに手紙を書いた。
『ホグワーツ特急が出発する直前まで、ここから出してもらえそうにありません。シリウス・ブラックのせいで散々です。』
友人たちが同情の手紙をくれることを祈り、ナツキはレオーネに手紙を持たせ、イライラしながら眠りにつくのだった。
「えっ!?ガリオンくじグランプリが当たったの!?」
部屋に一人でいるにも関わらず、ナツキは大きな声で驚いた。手紙に書かれていた悲しい知らせとは、ウィーズリー一家が金貨を手に入れたことで、ウィーズリー家でのお泊まりが中止になったことであった。
「うーん、楽しみだったけど・・・・まあいいか。そうだ、ハリーに手紙でも書こうかな。ね、レオーネ。」
シロフクロウのレオーネは嬉しそうにホウと鳴いた。仲良しのヘドウィグに会いに行きたいのだろう。
「えーと、『ハリーへ、お元気ですか。私は暑くて暑くてとろけてしまいそうです。今年はウィーズリー家にいけなさそうで残念だけど、あの人たち以上に金貨の当選にふさわしい人はいないのでしょうがないですね。ジョージからの手紙によると、新学期の直前にこっちに戻るそうです。そこでみんなで教科書とかを揃えたいですね。』・・・・・うん、こんなところかな。」
レオーネに手紙と、ハリーがお腹が空いたとき用のチョコをたくさん持たせて、見送る。
「そういえば、ハリーの誕生日プレゼントも考えないと。」
間近に迫るハリーの誕生日に何を送ろうかと、通信販売カタログをパラパラと眺める。
「あ、これいいかも。」
ナツキが目を止めた先には、『スニッチ・ウォッチ』と書かれた、秒針がスニッチのように羽ばたく魔法時計だった。
1週間ほどして、ハリーの誕生日の朝、レオーネに今度はハリーの誕生日プレゼントを持たせる。もちろん誕生日カード付きだ。きっと夜には着くだろう。
「じゃあレオーネ、よろしくね。」
任せろと言わんばかりに胸を張ってからレオーネはまた飛び立っていった。
その日の夜、バタバタとアバーフォースが帰ってきて、ナツキの部屋の扉を勢いよく開けた。
「アブ?どうしたの?」
「話は後だ。今すぐ荷物をまとめろ。ここにはしばらく帰らない。」
「え?」
「急げ!!!」
怒鳴るアバーフォースの様子から、どうやら只事ではない何かが起きているのだと察した。ナツキは検知不可能拡大呪文が架けられたトランクに手当たり次第に荷物を突っ込んだ。
「準備できたよ。」
「掴まれ。」
いつものように、アバーフォースの腕に手を掛けると、視界がぐにゃぐにゃと歪み、何処かへ付き添い姿表しする。
気づくと目の前には見覚えのある屋敷が建っていた。クリスマス休暇に、なぜか突然ナツキのものになった、祖母アルバが幼少期に住んでいたらしい旧ゴドリクソン家だ。
ナツキに屋敷へ入るようにアバーフォースは促すと、せっせと家を守る呪文を何重にもかけ始めた。
ようやく呪文をかけ終えたアバーフォースが屋敷に入ってきた。屋敷の中は何十年も手入れをしていないので、正直綺麗とは言い難かった。
「・・・・座れ。大事な話だ。」
「うん。」
椅子の上の埃を手で払い、ナツキはダイニングの椅子に腰を下ろした。アバーフォースは埃など全く気にしないように、ドスンとただ座った。
「落ち着いて聞け。・・・・シリウス・ブラックが脱獄した。」
「え?」
「明日には一面大見出しだろう。お前にとっては他人事じゃないんだ。あいつが、今度こそお前を殺そうとするかもしれん。いいか。夏休みの間、この屋敷から出るな。」
ナツキは落ち着こうと自分に言い聞かせた。フツフツと腹の中が煮えてくるのがわかった。
「・・・・どうやって脱獄したの?」
「知らん。それは魔法省の仕事だ。とにかく、ナツキ、お前は自分の身の安全だけを考えろ。ホグワーツの外にいる今が、一番危険だ。」
その日から、ナツキは旧ゴドリクソン邸での生活が始まった。広い屋敷は、掃除をしなければいけないところだらけで、ナツキはずっと忙しかった。なんてったって、休暇中は魔法を使えない。
数日後、ホグワーツの日用品リストが届いた。その中に、ホグズミード許可証があった。
ナツキが赤ん坊の頃は、さすがに目を離せないと判断したアバフォースはホグズミードでナツキを育てた。だから、ホグズミードはナツキにとって、勝手知ったる場所である。あのあたりの魔法使いは、ナツキの面倒もよく見てくれた。そんな場所で、親友たちと過ごすのは格別に違いない。しかし、
「だめだ。」
「え?」
ホグワーツからの手紙をアバーフォースに見せた開口一番がこれだった。
「ブラックがホグワーツを狙っているという確かな情報がある。しかしホグワーツに忍び込むのは無理だろう。兄は怒り狂ってるだろうな。吸魂鬼が配備される。」
「吸魂鬼がホグワーツに!?」
「そうだ。だからこそやつはホグワーツの周りをうろつくだろう。ホグズミードは最も危険と言える。これに許可はできない。お前は、散々あそこには行ったことがあるだろう。少なくともブラックが捕まるまではだめだ。」
「・・・・友達と一緒には、行ったことないもん・・・・・」
「ナツキ、」
アバーフォースの言い分はわかっている。危険だということもわかっている。でもこの数日、屋敷に篭りがちで、溜まっていた怒りがここで爆発してしまった。
「なんで私が逃げないといけないの!?逃げるべきはあいつのはずでしょう!!・・・・ブラックが出てきたら、私が吸魂鬼に引き渡してやる・・・!!」
「ナツキ!!」
「私は友達と楽しくやりたいだけなのに、なんであんなやつに邪魔されないといけないの!!!」
「いい加減にしろ!だめなものはだめだ!!」
アバーフォースはドンと大きな音を立ててテーブルを叩いた。
「お前がこの2年、ホグワーツでどれだけ無謀なことをしたのか知ってるぞ!今まで黙ってきたが、言わせてもらう!勇敢であることと無謀であることは訳が違う!」
「ハリーが殺されかかった!!!私に親友を見殺しにしろってこと!?」
「命を粗末にするなと言っているんだ!」
アバーフォースも、ナツキも初めてこんな大声で、怒鳴り合った。
「私もハリーも好きで無茶をしているわけじゃない!!ヴォルデモートがいなければ!ブラックがいなければ!!・・・・私は今、ここで平和に家族と過ごせていたかもしれないのに・・・・・」
目頭がグッと熱くなって、ナツキはマクゴナガル先生のように口を真一文字に引き締めた。
「ナツキ、」
アバーフォースの呼びかけを無視して、ナツキはちょっとだけ整えた自分の寝室に行って、ベッドに飛び込んだ。アブの部屋を掃除し終わってなくて良かった。アブなんて埃まみれのベッドで寝ればいいんだ。
翌日になってもナツキの気分は最悪だった。
アバーフォースは仕事に出ていた。机の上には最悪の置き手紙があった。
『学用品は俺が買ってくる。屋敷からは決して出るな。』
ナツキはむしゃくしゃして、今すぐここから出ていってやろうとすら思った。しかし、玄関扉は、魔法で内側からも開けられなくなっていた。それで余計に腹がたった。
結局、仕方なく、暗い気持ちでナツキは屋敷の掃除をしていた。リビングとキッチン、自分の寝室の掃除はあらかた終わったから、他の部屋の開拓を始めた。
夜、アバーフォースとの無言の夕食が終わると、ナツキはハリーたちに手紙を書いた。
『ホグワーツ特急が出発する直前まで、ここから出してもらえそうにありません。シリウス・ブラックのせいで散々です。』
友人たちが同情の手紙をくれることを祈り、ナツキはレオーネに手紙を持たせ、イライラしながら眠りにつくのだった。