秘密の部屋
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ナツキの不安が消え去ったのもつかのも、ハリーから、50年前に扉を開けたのがハグリッドだと言うことがわかった。ナツキもハリーも、ハグリッドに悪意がなかったことはもちろん信じていたが、彼は怪物を可愛いと思ってしまう悪癖があることでも有名である。
そしてT・M・リドルはそれを密告したことで表彰されたようだった。
ハグリッドに直接尋ねるという手もあったが、四人は次の被害者が出ない限り、ハグリッドを傷つけることはやめようと話し合った。
イースターの休暇になり、ナツキたちは来年度の選択授業を決める課題が出された。ナツキは古代ルーン文字とマグル学を選んだ。
「ナツキは魔法生物飼育学は選ばないの?」
「うーん、じゃあ選んでおこう。きつかったらやめても良いだろうし。」
ハリーの提案でナツキは計3つの授業を選択することにした。
休暇が終わってすぐに、ハリーが焦った様子で、日記がなくなったことをナツキに伝えた。どうやら部屋が荒らされていたらしい。
「うーん、でもその日記、ちょっと魔法が強すぎて怖い気もしたから、忘れて良いんじゃないかな・・・・?気になる気持ちもわかるけど、万が一危ない物だったら、って今では思うよ。」
「でも、盗んだのはグリフィンドールの人のはずだよ。だから僕、なんか嫌な気分なんだ・・・・」
「そうだね・・・・。他には何か盗まれたりしてない?」
ハリーは首を横に振った。
「じゃあ、ひとまずはクィディッチのことを考えたら?少しは嫌なこと忘れられるでしょ?」
翌朝、朝食で「申し分ないクィディッチ日和だ!」と、ウッドが興奮した声で言った。ハリーはまだ日記のことから頭を切り替えられないようであった。
ナツキたちはハリーとクィディッチの箒を取りに行こうとした。その時、ハリーが叫び声を上げた。
「あの声だ!また聞こえた・・・君たちは?」
ナツキたちは首を横に振った。ナツキがなんて聞こえたのかを尋ねようとした時、ハーマイオニーがハッとしたように額に手を当てて言った。
「ハリー・・・私、たったいま、思いついたことがあるの!図書室に行かなくちゃ!」
そして、ハーマイオニーは風のように階段を駆け上がっていった。
「何をいったい思いついたんだろう?」
「わかんない。試合がもう始まっちゃうのにのに・・・」
ロンとナツキはハーマイオニーの後ろ姿を見ながらそう呟いたのだった。
青い顔をするハリーを連れてグリフィンドール塔を登り、箒をとる。
「ハリー、色々気になるだろうけど、クィディッチが始まればきっと楽しくなるよ。頑張ってね。」
「・・・うん・・・・・」
「ハリーに何かあれば、今度は躊躇しないで助けるからね。」
前回はロックハートにしてやられたが(?)、今回また同じようなことがあれば彼が杖を握る前に吹き飛ばさないと、とナツキは決意していた。
ハリーを送り出したナツキはロンとスタンドへ向かった。
「ハーマイオニーまだかな。」
「そのうちくるさ。僕らも急ごう。」
スタンドのグリフィンドール生たちがいるあたりに二人で腰をかける。さあ、始まるぞ、とナツキが意気込んだのも束の間、マクゴナガル先生がピッチに巨大なメガフォンを持って現れた。
「この試合は中止です。」
ナツキだけではなく、その場にいた全員がその言葉を理解するのに時間がかかった。
「全生徒はそれぞれの寮の談話室に戻りなさい。そこで寮監から詳しい話があります。みなさん、できるだけ急いで!」
マクゴナガル先生は、メガフォンを下ろし、ハリーに何かを合図し一緒に歩き出した。
「ロン、ハリーのところに行こう。」
不満たらたらの生徒の群れを抜け出して、ナツキとロンはハリーの元へ向かった
「そう、ゴドリクソン、ウィーズリー、あなたも一緒に来たほうがよいでしょう。」
マクゴナガル先生はなんとも言えない顔でそう言った。その時ナツキは、この場にいないハーマイオニーのことを思い出した。
私たちに来いと言うってことは、ハーマイオニーに何かあったのかもしれない。
最悪の予想だった。そしてその最悪は目の前に形となって現れた。
「ハーマイオニー!!」
医務室でロンがうめき声を上げた。ナツキは声が出なかった。よく見ると、隣にレイブンクローの学生もいた。二人とも、石のようでピクリとも動かなかった。
「これが何だか説明できないでしょうね?二人のそばの床に落ちていたのですが・・・」
先生は小さな丸い鏡を手にしていた。三人とも、ハーマイオニーをじっと見つめながら首を横に振った。
「グリフィンドール塔まであなたたちを送っていきましょう。私も、いずれにせよ生徒たちに説明しないとなりません。」
ナツキたちは一言も言葉を発することができないまま談話室に着いていた。
「全校生徒は夕方六時までに、各寮の談話室に戻るように。それ以後はけっして寮を出てはなりません。授業に行く時は、必ず先生が一人引率します。トイレに行く時は、必ず先生に付き添ってもらうこと。クィディッチの練習も試合も、すべて延期です。夕方はいっさい、クラブ活動をしてはなりません。」
超満員の談話室で、グリフィンドール生は黙ってマクゴナガル先生の話を聞いた。
「これまでの襲撃事件の犯人が捕まらないかぎり、学校が閉鎖される可能性もあります。犯人について何か心当たりがある生徒は申し出るよう強く望みます。」
マクゴナガル先生は、少しぎごちなく肖像画の裏の穴から出ていった。とたんにグリフィンドール生はしゃべりはじめたが、そのざわめきはナツキたちの耳には入らなかった。
「ハグリッドに会って話さなきゃ。」
ハリーの提案にナツキは頷いた。
その夜、三人は透明マントに隠れながらハグリッドの小屋へと向かった。
戸を叩くと、すぐにハグリッドがバタンと戸を開けた。ボアハウンド犬のファングが後ろのほうで吠えたてている。
「おぉ、三人ともこんなとこで何しとる?」
そう言ったハグリッドであったが、結局彼はいつも通り小屋の中に招き入れてくれた。
ハグリッドは上の空だった。
「ハグリッド、大丈夫?ハーマイオニーのこと、聞いた?」
「あぁ、聞いた。たしかに。」
ナツキはハグリッドの声の調子が少し変わったことに気づいた。それに、チラッチラッと不安そうに窓のほうを見ている。ハグリッドが分厚いフルーツケーキを皿に入れている時、戸を叩く大きな音がした。
ナツキたちは咄嗟に透明マントを被り、部屋の隅で息を殺した。
「こんばんは、ハグリッド。」
ダンブルドアだった。深刻そのものの顔で小屋に入ってきた。後ろからもう一人、男が入ってきた。ナツキはすぐにそれが魔法大事偉人のコーネリウス・ファッジだと気づいた。
「状況はよくない。ハグリッド、」
ファッジがぶっきらぼうに言った。
「すこぶるよくない。来ざるをえなかった。マグル出身が四人もやられた。もう始末に負えん。本省が何かしなくては。」
「俺は、けっして・・・・ダンブルドア先生さま、知ってなさるでしょう。俺は、けっして・・・」
「コーネリウス、これだけはわかってほしい。わしはハグリッドに全幅の信頼を置いておる。」
ダンブルドアは眉をひそめてファッジを見た。
「しかし、アルバス・・・・ハグリッドには不利な前科がある。魔法省としても、何かしなければならん。」
「コーネリウス、もう一度言う。ハグリッドを連れていったところで、何の役にも立たんじゃろう。」
これまでナツキが見たことがないくらいダンブルドアが起こっているのが伝わった。きっとハリーも同じように思っているだろう。
「プレッシャーをかけられておる。何か手を打ったという印象を与えないと。ハグリッドではないとわかれば、彼はここに戻り、何の咎めもない。ハグリッドは連行せねば、どうしても。私にも立場というものが・・・・」
「俺を連行?どこへ?」
「ほんの短い間だけだ。罰ではない。ハグリッド。むしろ念のためだ。ほかの誰かが捕まれば、君は十分な謝罪の上、釈放される・・・・」
「まさかアズカバンじゃ?」
ハグリッドの声が嗄れた。ナツキはヒュっと息を飲み込んだ。
ファッジが答える前に、また激しく戸を叩く音がした。なんとそこにいたのはルシウス・マルフォイだった。
「もう来ていたのか。ファッジ。」
「なんの用があるんだ?俺の家から出ていけ!」
ハグリッドが激しい口調で言った。
「威勢がいいね。ただ学校に立ち寄っただけなのだが、校長がここだと聞いたものでね。」
「それでは、いったいわしに何の用があるというのかね?ルシウス?」
ダンブルドアの言葉は丁寧だったが、まだ怒っているだろうであることが伝わった。
「ひどいことだがね。ダンブルドア、しかし理事たちは、あなたが退く時が来たと感じたようだ。ここに『停職命令』がある・・・十二人の理事が全員署名している。この調子では、ホグワーツにはマグル出身者は一人もいなくなりますぞ。」
ルシウス・マルフォイの言葉にナツキは頭が真っ白になった。今ダンブルドア先生がいなくなったらなんて、どんなに馬鹿なやつでもわかる。皆殺しだ!!!
そう思ったのはナツキだけではなかった。
「理事たちがわしの退陣を求めるなら、ルシウス、わしはもちろん退こう。しかし・・・・覚えておくがよい。わしが本当にこの学校を離れるのは、わしに忠実な者が、ここに一人もいなくなった時だけじゃ。覚えておくがよい。ホグワーツでは助けを求める者には、必ずそれが与えられる。」
一瞬、ナツキはダンブルドアと目があったと確実にそう思った。
「あっぱれなご心境で。」
マルフォイは小屋の戸のほうに大股で歩いていき、戸を開け、ダンブルドアに一礼して先に送り出した。ファッジは山高帽をいじりながらハグリッドが先に出るのを待っていたが、ハグリッドは足を踏ん張り、深呼吸すると、言葉を選びながら言った。
「誰か何かを見っけたかったら、クモの跡を追っかけていけばええ。そうすりゃちゃんと糸口がわかる。俺が言いてえのはそれだけだ。」
ファッジは呆気に取られてハグリッドを見つめた。
「よし。いま行く。それから、誰か、俺のいねえ間、ファングに餌をやってくれ。」
戸がバタンと閉まった。三人は透明マントを脱いだ。
「ダンブルドア先生を追い出すなんて、みんなに死ねと言ってるような物だよ!!!」
「ナツキの言う通りだ。ダンブルドアはいない。今夜にも学校を閉鎖したほうがいい。ダンブルドアがいなけりゃ、一日一人は襲われるぜ。」
ファングが、閉まった戸を掻きむしりながら、悲しげに鳴きはじめた。
そしてT・M・リドルはそれを密告したことで表彰されたようだった。
ハグリッドに直接尋ねるという手もあったが、四人は次の被害者が出ない限り、ハグリッドを傷つけることはやめようと話し合った。
イースターの休暇になり、ナツキたちは来年度の選択授業を決める課題が出された。ナツキは古代ルーン文字とマグル学を選んだ。
「ナツキは魔法生物飼育学は選ばないの?」
「うーん、じゃあ選んでおこう。きつかったらやめても良いだろうし。」
ハリーの提案でナツキは計3つの授業を選択することにした。
休暇が終わってすぐに、ハリーが焦った様子で、日記がなくなったことをナツキに伝えた。どうやら部屋が荒らされていたらしい。
「うーん、でもその日記、ちょっと魔法が強すぎて怖い気もしたから、忘れて良いんじゃないかな・・・・?気になる気持ちもわかるけど、万が一危ない物だったら、って今では思うよ。」
「でも、盗んだのはグリフィンドールの人のはずだよ。だから僕、なんか嫌な気分なんだ・・・・」
「そうだね・・・・。他には何か盗まれたりしてない?」
ハリーは首を横に振った。
「じゃあ、ひとまずはクィディッチのことを考えたら?少しは嫌なこと忘れられるでしょ?」
翌朝、朝食で「申し分ないクィディッチ日和だ!」と、ウッドが興奮した声で言った。ハリーはまだ日記のことから頭を切り替えられないようであった。
ナツキたちはハリーとクィディッチの箒を取りに行こうとした。その時、ハリーが叫び声を上げた。
「あの声だ!また聞こえた・・・君たちは?」
ナツキたちは首を横に振った。ナツキがなんて聞こえたのかを尋ねようとした時、ハーマイオニーがハッとしたように額に手を当てて言った。
「ハリー・・・私、たったいま、思いついたことがあるの!図書室に行かなくちゃ!」
そして、ハーマイオニーは風のように階段を駆け上がっていった。
「何をいったい思いついたんだろう?」
「わかんない。試合がもう始まっちゃうのにのに・・・」
ロンとナツキはハーマイオニーの後ろ姿を見ながらそう呟いたのだった。
青い顔をするハリーを連れてグリフィンドール塔を登り、箒をとる。
「ハリー、色々気になるだろうけど、クィディッチが始まればきっと楽しくなるよ。頑張ってね。」
「・・・うん・・・・・」
「ハリーに何かあれば、今度は躊躇しないで助けるからね。」
前回はロックハートにしてやられたが(?)、今回また同じようなことがあれば彼が杖を握る前に吹き飛ばさないと、とナツキは決意していた。
ハリーを送り出したナツキはロンとスタンドへ向かった。
「ハーマイオニーまだかな。」
「そのうちくるさ。僕らも急ごう。」
スタンドのグリフィンドール生たちがいるあたりに二人で腰をかける。さあ、始まるぞ、とナツキが意気込んだのも束の間、マクゴナガル先生がピッチに巨大なメガフォンを持って現れた。
「この試合は中止です。」
ナツキだけではなく、その場にいた全員がその言葉を理解するのに時間がかかった。
「全生徒はそれぞれの寮の談話室に戻りなさい。そこで寮監から詳しい話があります。みなさん、できるだけ急いで!」
マクゴナガル先生は、メガフォンを下ろし、ハリーに何かを合図し一緒に歩き出した。
「ロン、ハリーのところに行こう。」
不満たらたらの生徒の群れを抜け出して、ナツキとロンはハリーの元へ向かった
「そう、ゴドリクソン、ウィーズリー、あなたも一緒に来たほうがよいでしょう。」
マクゴナガル先生はなんとも言えない顔でそう言った。その時ナツキは、この場にいないハーマイオニーのことを思い出した。
私たちに来いと言うってことは、ハーマイオニーに何かあったのかもしれない。
最悪の予想だった。そしてその最悪は目の前に形となって現れた。
「ハーマイオニー!!」
医務室でロンがうめき声を上げた。ナツキは声が出なかった。よく見ると、隣にレイブンクローの学生もいた。二人とも、石のようでピクリとも動かなかった。
「これが何だか説明できないでしょうね?二人のそばの床に落ちていたのですが・・・」
先生は小さな丸い鏡を手にしていた。三人とも、ハーマイオニーをじっと見つめながら首を横に振った。
「グリフィンドール塔まであなたたちを送っていきましょう。私も、いずれにせよ生徒たちに説明しないとなりません。」
ナツキたちは一言も言葉を発することができないまま談話室に着いていた。
「全校生徒は夕方六時までに、各寮の談話室に戻るように。それ以後はけっして寮を出てはなりません。授業に行く時は、必ず先生が一人引率します。トイレに行く時は、必ず先生に付き添ってもらうこと。クィディッチの練習も試合も、すべて延期です。夕方はいっさい、クラブ活動をしてはなりません。」
超満員の談話室で、グリフィンドール生は黙ってマクゴナガル先生の話を聞いた。
「これまでの襲撃事件の犯人が捕まらないかぎり、学校が閉鎖される可能性もあります。犯人について何か心当たりがある生徒は申し出るよう強く望みます。」
マクゴナガル先生は、少しぎごちなく肖像画の裏の穴から出ていった。とたんにグリフィンドール生はしゃべりはじめたが、そのざわめきはナツキたちの耳には入らなかった。
「ハグリッドに会って話さなきゃ。」
ハリーの提案にナツキは頷いた。
その夜、三人は透明マントに隠れながらハグリッドの小屋へと向かった。
戸を叩くと、すぐにハグリッドがバタンと戸を開けた。ボアハウンド犬のファングが後ろのほうで吠えたてている。
「おぉ、三人ともこんなとこで何しとる?」
そう言ったハグリッドであったが、結局彼はいつも通り小屋の中に招き入れてくれた。
ハグリッドは上の空だった。
「ハグリッド、大丈夫?ハーマイオニーのこと、聞いた?」
「あぁ、聞いた。たしかに。」
ナツキはハグリッドの声の調子が少し変わったことに気づいた。それに、チラッチラッと不安そうに窓のほうを見ている。ハグリッドが分厚いフルーツケーキを皿に入れている時、戸を叩く大きな音がした。
ナツキたちは咄嗟に透明マントを被り、部屋の隅で息を殺した。
「こんばんは、ハグリッド。」
ダンブルドアだった。深刻そのものの顔で小屋に入ってきた。後ろからもう一人、男が入ってきた。ナツキはすぐにそれが魔法大事偉人のコーネリウス・ファッジだと気づいた。
「状況はよくない。ハグリッド、」
ファッジがぶっきらぼうに言った。
「すこぶるよくない。来ざるをえなかった。マグル出身が四人もやられた。もう始末に負えん。本省が何かしなくては。」
「俺は、けっして・・・・ダンブルドア先生さま、知ってなさるでしょう。俺は、けっして・・・」
「コーネリウス、これだけはわかってほしい。わしはハグリッドに全幅の信頼を置いておる。」
ダンブルドアは眉をひそめてファッジを見た。
「しかし、アルバス・・・・ハグリッドには不利な前科がある。魔法省としても、何かしなければならん。」
「コーネリウス、もう一度言う。ハグリッドを連れていったところで、何の役にも立たんじゃろう。」
これまでナツキが見たことがないくらいダンブルドアが起こっているのが伝わった。きっとハリーも同じように思っているだろう。
「プレッシャーをかけられておる。何か手を打ったという印象を与えないと。ハグリッドではないとわかれば、彼はここに戻り、何の咎めもない。ハグリッドは連行せねば、どうしても。私にも立場というものが・・・・」
「俺を連行?どこへ?」
「ほんの短い間だけだ。罰ではない。ハグリッド。むしろ念のためだ。ほかの誰かが捕まれば、君は十分な謝罪の上、釈放される・・・・」
「まさかアズカバンじゃ?」
ハグリッドの声が嗄れた。ナツキはヒュっと息を飲み込んだ。
ファッジが答える前に、また激しく戸を叩く音がした。なんとそこにいたのはルシウス・マルフォイだった。
「もう来ていたのか。ファッジ。」
「なんの用があるんだ?俺の家から出ていけ!」
ハグリッドが激しい口調で言った。
「威勢がいいね。ただ学校に立ち寄っただけなのだが、校長がここだと聞いたものでね。」
「それでは、いったいわしに何の用があるというのかね?ルシウス?」
ダンブルドアの言葉は丁寧だったが、まだ怒っているだろうであることが伝わった。
「ひどいことだがね。ダンブルドア、しかし理事たちは、あなたが退く時が来たと感じたようだ。ここに『停職命令』がある・・・十二人の理事が全員署名している。この調子では、ホグワーツにはマグル出身者は一人もいなくなりますぞ。」
ルシウス・マルフォイの言葉にナツキは頭が真っ白になった。今ダンブルドア先生がいなくなったらなんて、どんなに馬鹿なやつでもわかる。皆殺しだ!!!
そう思ったのはナツキだけではなかった。
「理事たちがわしの退陣を求めるなら、ルシウス、わしはもちろん退こう。しかし・・・・覚えておくがよい。わしが本当にこの学校を離れるのは、わしに忠実な者が、ここに一人もいなくなった時だけじゃ。覚えておくがよい。ホグワーツでは助けを求める者には、必ずそれが与えられる。」
一瞬、ナツキはダンブルドアと目があったと確実にそう思った。
「あっぱれなご心境で。」
マルフォイは小屋の戸のほうに大股で歩いていき、戸を開け、ダンブルドアに一礼して先に送り出した。ファッジは山高帽をいじりながらハグリッドが先に出るのを待っていたが、ハグリッドは足を踏ん張り、深呼吸すると、言葉を選びながら言った。
「誰か何かを見っけたかったら、クモの跡を追っかけていけばええ。そうすりゃちゃんと糸口がわかる。俺が言いてえのはそれだけだ。」
ファッジは呆気に取られてハグリッドを見つめた。
「よし。いま行く。それから、誰か、俺のいねえ間、ファングに餌をやってくれ。」
戸がバタンと閉まった。三人は透明マントを脱いだ。
「ダンブルドア先生を追い出すなんて、みんなに死ねと言ってるような物だよ!!!」
「ナツキの言う通りだ。ダンブルドアはいない。今夜にも学校を閉鎖したほうがいい。ダンブルドアがいなけりゃ、一日一人は襲われるぜ。」
ファングが、閉まった戸を掻きむしりながら、悲しげに鳴きはじめた。