仮初のパーティーin日本
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「お嬢様!いらっしゃったのですね・・・!そちらの方は・・・?」
どこにても会場の奴らは同じようにそうナツキに言葉をかけるのだった。
「久しぶりね。こちらは恋人のXANXUSよ。ボンゴレの、ヴァリアーのボスなの。名前くらいは知ってるでしょう?」
ナツキは毎回、XANXUSの腕に自信の腕を絡めてそう告げるのだった。
「ナツキちゃん、」
そこにこれまでの男達とは全く異なる雰囲気の、お腹を少し大きくさせた女性が話しかけてきた。
「お姉さん、」
ナツキに兄弟は兄しかいないと聞いていたXANXUSは、その女性が当主の妻なのだとわかった。
「素敵な恋人を連れてきてるっていうから、気になって・・・・。」
チラリとXANXUSの方を見て、ナツキの義姉は気まずそうな顔をした。XANXUSの顔がかなり強面だからだろう。
「顔は怖いけど、優しい人よ。ね?」
少し焦ったようにXANXUSを見上げるナツキ。XANXUSはナツキの腰をさっと引き寄せて、「そうだといいな」と不敵にナツキに微笑みかけた。
「わ・・・!?」
思いもよらぬ密着に驚いてナツキは顔を赤らめた。
少しして、XANXUSが約束通り、恋人を演じてくれているのだと思い出す。
「あらあら、本当に仲良しなのね。よかったわ。」
「そうなのよ。フフ、たまにスキンシップには驚いてしまうのだけどね。」
義姉が安心したように微笑んだのちに、ナツキもにっこりと微笑み返した。
「おい、色葉・・・ここにいたのか・・・・・!」
そこに別の焦った様子の男性が現れた。
「あまり動き回るな。今お前は一人じゃないんだから・・・!」
そう言ってその男性はナツキの義姉の肩を抱いて、会場から一度外に出ようとしたところで、振り返ってナツキを見た。
「ナツキ、後で話がある。」
「ええ、兄さん。」
やはり彼が兄かと、XANXUSは思った。
そしてナツキの兄、つまり現当主が会場から妻を連れ出したところで、ナツキの周りの者たちの雰囲気が変わり始めた。
「お嬢様!・・・ああ、こちらがヴァリアーの・・・・。こちらの方を婿に取るのですか?」
「・・・・何を言っているの?」
ナツキの機嫌が急降下していることにXANXUSは気づいた。穏やかな面しか見せてこなかった彼女が、こんなふうに、鋭い目をするのは初めてだった。
「兄さんが家を継いでいるし、お姉さんも身篭っているのよ。婿なんて取る必要はないでしょう。」
「しかし、ご当主様は・・・・」
「俺がどうした。」
一人戻ってきたナツキの兄がよく通る声でそう言った。
「・・・ナツキ、そして、君も・・・話をしよう。」
「ええ・・・・。あなたは少し頭を冷やしなさい・・・・!!」
先程口答えをした男性に厳しくそう言い、ナツキは兄の後ろをXANXUSを連れてついていく。
応接間にとおされ、そこには3人だけとなる。
ナツキはすぐに口を開いた。
「・・・厳罰を課すべきよ・・・。お姉さんが妊娠中だというのに、どこまで無神経なの・・・・!?」
「・・・・・まあ座れ。」
XANXUSはどうしたものかと悩んだが、ナツキが大人しくそこのソファに腰掛けたので、それに続いてその隣に腰を下ろした。
「XANXUS、この人が私の兄、海斗よ。兄さん、こちらがXANXUS。恋人よ。」
「・・・・・本当に?」
「ええ。ね?XANXUS?」
明らかに疑う兄に、一切臆することなくナツキはそういった。
「そうか。まあ、よろしく。・・・こいつは時々突拍子もないことをするから気をつけなよ。例えば・・・大物を恋人として連れてきて、当主として自分を推すものを牽制したり、とかな。」
「「!」」
もう完全にバレているのだとナツキもXANXUSも悟った。
「・・・ハァ・・・、敵わないわね。」
「なぜわかったんだ?」
完全に白旗を上げたナツキを見て、XANXUSは海斗に尋ねた。
「まず一つ目に、話がうますぎる。ナツキはスクアーロくんと懇意にしていたから、依頼したのではないかとすぐに疑った。そして次に、ナツキがもし動くなら今だろうと予測していた。・・・・家族なんだ。わかるさ、そのくらい・・・・。ったく、馬鹿なこと考えやがって・・・・・」
呆れたように笑いながらナツキを見つめる海斗からは、妹へ対する愛情が溢れていた。