利害の一致
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ある日の日が高くなった頃、ヴァリアー邸の主人であるXANXUSは普段以上に眉間に深い皺を刻んでいた。原因はその手に握られた義父からの一通の手紙だった。
「・・・カスが・・・」
「9代目はなんだってんだぁ?」
第一の部下であるスクアーロが機嫌の悪い主人を慮ってか、いつもよりやや小さめの声で尋ねた。説明するのが面倒だとでもいうように、XANXUSはその手紙をスクアーロに向かって放った。
スクアーロはその手紙を読むと、XANXUSが機嫌を悪くした理由を理解した。そもそも9代目はXANXUSが怒るということを予測できなかったのだろうか。
「おい、カス鮫、なんとかしろ。」
「なっ!?こんなクソくだらねえこと自分で・・・!!」
なんとかしろ、そう言おうとした矢先に花瓶がスクアーロの頭にヒットし、音を立て砕けた。
「2度は言わせるな。ドカスが。」
(相変わらずなんて暴君だ・・・!!!)
スクアーロは額から血を流しながら恨めしげに主人を見上げた。このヤマを解決するまでは機嫌は治らないであろう、そしてその被害を食らうのは他でもない自分になるのだろう。
そう予想してしまったら、もうその命を全うするしか他にないと察するが、さてどうしようか。
(9代目も余計なことやりやがるぜ・・・・。なんだってこんな・・・?)
そしてこの後スクアーロは為す術も無く1週間過ごすのであった。その間、投げつけられた物の数はいざ知れず。いよいよ自分の死因は名誉の戦死などでは無く、ボスの当たり散らしになるのではと恐ろしくなっていたとき、着信があった。
「・・・あ?」
着信は久しく連絡を取っていない友人からのものだった。
通話ボタンを押し耳を当てると懐かしい声がした。
『ハロー、スクアーロ。ナツキよ。久しぶりね。』
「ああ、どうしたんだ?」
声の主、ナツキは学生時代の友人で、面倒臭くない性格の上、強かったからなのか妙に馬が合い、こうしてたまに連絡を取ることもあった。
『ちょっと家がごたついててさ、相談したいことがあるんだけど会えたりする?場所はイタリアでいいよ。』
「ああ。いいぜ。明日にでも会えるけどどうだぁ?」
***********************
そして翌日、町外れのカフェで待ち合わせた二人は、約2年ぶりの再会を果たした。
「久しぶりね?また髪伸びた?」
「まあまだ切るわけには行かねえというか・・・。とりあえず、久しぶりだなぁ。」
ニコニコと人当たりの良いその東洋人の女はナツキといって、伝統ある忍の一族の家系の出身であった。家のごたつき、というのもそれゆえだろうと当たりをつけ、急な連絡の理由をスクアーロは尋ねた。
「・・・私に兄がいるのは知っているでしょう?」
「ああ。確か現当主だったよなぁ?」
こくり、と頷くとナツキは続けた。
「兄が当主になることは、先代である私の父と、兄と私と納得しあって決めたことなの。代替わりの頃の私は小さかったし、大人になったいまでもその決定に文句もないし兄を支えて行くつもりなのに、周りはそうもいかないみたい。」
苦笑するナツキにスクアーロは全てを察した。
「争点はお前の力かぁ?」
「そ。ご名答。私には家の伝わる奥義が使えて、兄には使えない。別にそれが当主の条件というわけではないし、人を動かす力は私より兄の方がずっと長けているのにね。・・・全く、私を当主にするべきだって言う人が最近出てきていて困っているのよ。それで、私考えたんだけど、、」
そう明るく続けたナツキは笑顔で爆弾発言をするのだった。
「スクアーロに恋人のふりをしてもらおうと思って!!」
「はあ!!?」
大きな声を突然にあげたスクアーロとその連れのナツキが店内の客に一斉に見られたことは言うまでもなかった。
「・・・カスが・・・」
「9代目はなんだってんだぁ?」
第一の部下であるスクアーロが機嫌の悪い主人を慮ってか、いつもよりやや小さめの声で尋ねた。説明するのが面倒だとでもいうように、XANXUSはその手紙をスクアーロに向かって放った。
スクアーロはその手紙を読むと、XANXUSが機嫌を悪くした理由を理解した。そもそも9代目はXANXUSが怒るということを予測できなかったのだろうか。
「おい、カス鮫、なんとかしろ。」
「なっ!?こんなクソくだらねえこと自分で・・・!!」
なんとかしろ、そう言おうとした矢先に花瓶がスクアーロの頭にヒットし、音を立て砕けた。
「2度は言わせるな。ドカスが。」
(相変わらずなんて暴君だ・・・!!!)
スクアーロは額から血を流しながら恨めしげに主人を見上げた。このヤマを解決するまでは機嫌は治らないであろう、そしてその被害を食らうのは他でもない自分になるのだろう。
そう予想してしまったら、もうその命を全うするしか他にないと察するが、さてどうしようか。
(9代目も余計なことやりやがるぜ・・・・。なんだってこんな・・・?)
そしてこの後スクアーロは為す術も無く1週間過ごすのであった。その間、投げつけられた物の数はいざ知れず。いよいよ自分の死因は名誉の戦死などでは無く、ボスの当たり散らしになるのではと恐ろしくなっていたとき、着信があった。
「・・・あ?」
着信は久しく連絡を取っていない友人からのものだった。
通話ボタンを押し耳を当てると懐かしい声がした。
『ハロー、スクアーロ。ナツキよ。久しぶりね。』
「ああ、どうしたんだ?」
声の主、ナツキは学生時代の友人で、面倒臭くない性格の上、強かったからなのか妙に馬が合い、こうしてたまに連絡を取ることもあった。
『ちょっと家がごたついててさ、相談したいことがあるんだけど会えたりする?場所はイタリアでいいよ。』
「ああ。いいぜ。明日にでも会えるけどどうだぁ?」
***********************
そして翌日、町外れのカフェで待ち合わせた二人は、約2年ぶりの再会を果たした。
「久しぶりね?また髪伸びた?」
「まあまだ切るわけには行かねえというか・・・。とりあえず、久しぶりだなぁ。」
ニコニコと人当たりの良いその東洋人の女はナツキといって、伝統ある忍の一族の家系の出身であった。家のごたつき、というのもそれゆえだろうと当たりをつけ、急な連絡の理由をスクアーロは尋ねた。
「・・・私に兄がいるのは知っているでしょう?」
「ああ。確か現当主だったよなぁ?」
こくり、と頷くとナツキは続けた。
「兄が当主になることは、先代である私の父と、兄と私と納得しあって決めたことなの。代替わりの頃の私は小さかったし、大人になったいまでもその決定に文句もないし兄を支えて行くつもりなのに、周りはそうもいかないみたい。」
苦笑するナツキにスクアーロは全てを察した。
「争点はお前の力かぁ?」
「そ。ご名答。私には家の伝わる奥義が使えて、兄には使えない。別にそれが当主の条件というわけではないし、人を動かす力は私より兄の方がずっと長けているのにね。・・・全く、私を当主にするべきだって言う人が最近出てきていて困っているのよ。それで、私考えたんだけど、、」
そう明るく続けたナツキは笑顔で爆弾発言をするのだった。
「スクアーロに恋人のふりをしてもらおうと思って!!」
「はあ!!?」
大きな声を突然にあげたスクアーロとその連れのナツキが店内の客に一斉に見られたことは言うまでもなかった。
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