ドライフラワー
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花畑で会った次の日の朝、私は頭を抱えた。
カーテンからは日が溢れ、鳥の囀りが聞こえる。
いつもよりも少しだけ起きるのが遅かった。
それもこれもコイツのせいだ。
「・・・・どうしよう・・・」
下着だけで寝ていた私。
隣にはおそらく何も身につけていない銀の長髪の男。
酒は一滴も飲んでいない。
全部全部覚えてる。
昨日あの後、雰囲気に流されて自分の家まで送られてしまったこと。
そしてあれよあれよという間にコイツは送り狼となったのだ。
"・・・ナツキ・・・・・!"
「っ!」
つい情事の際のスクアーロを思い出してしまい、顔に熱が集まる。
彼とこういうことをするのは初めてではない。
でもあの頃とは全く違っていた。
きっとスクアーロはこの6年間誰かしら相手はいただろうし、ひょっとしたら、今もいるかもしれない。
私も人並みに男の人とお付き合いもしたし、そうでない人と体の関係を持ってしまったこともある。
そんなことが頭をよぎると、すっと冷静になっていくのが分かった。
彼はこんな
昔の純粋無垢だった私を、今の私に重ねているに違いない。
そう思うと虚しさが込み上げた。
なぜ昨夜、流されて体を許してしまったんだろう。
・・・・・私、またこの人に・・・・
思い浮かんでしまった考えを振り払って、私はスクアーロが起きる前に身支度を整え、簡単な置き手紙と鍵を置いて、家を出た。
「仕事がある」と手紙には書いたけど、そんな予定なんてなくて。
街をぶらぶらしてみたり、公園でぼーっとしてみたりして、一日中早くスクアーロがいなくなることを願いながら過ごした。
そうして夕方になって、いつの間にかあたりは暗くなり始めていた。
流石にもう家にはいないだろうと思って、自宅へと向かう。
鍵はポストに入れるように手紙に残した。
そして、その通りにポストの中には鍵がちゃんと入っていた。
「・・・・・」
ガチャリと鍵を開けると、部屋は真っ暗で。
もちろん、もうスクアーロの姿はなかった。
「バカだな、私・・・」
ひどく落胆している自分がいた。
どこかで、スクアーロが夜になっても私を待っていてくれるんじゃないかと期待した。
「・・・スクアーロ・・・・!!」
昔のように笑うあなたも、
大人になってしまったあなたも、
再び私を惹きつけてやまない。
「・・・好き・・・・」
昔のあなたも、今のあなたも好き。
でも、今の私は好きじゃない。
多分、あなたもそう思ってる。
どうして私はそのまま大きくなれなかったんだろう。
どうして汚いものを見て、それを受け入れてきてしまったんだろう。
スクアーロが愛してくれた自分はもういない。
「嫌い・・・こんなの・・・大っ嫌い・・・・・!!」
真っ暗な部屋に、自分の小さな涙声が響いた。
パタン...
扉が開く、音がした。
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