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その日は相変わらずXANXUSの機嫌が悪くて、俺は同盟ファミリーのパーティーに奴の代わりに出席することになった。
「・・・・ナツキ・・・?」
雰囲気はだいぶ変わっていたが間違いない。
「スクアーロ?」
ナツキも俺に気づくと驚いていた。
「あー、元気か?」
「ええ。・・・そっちは?」
「ぼちぼちだぁ・・・」
こんな話をしたいわけではないのに、当たり障りのないぎこちない言葉しか出てこない。
ずっと会いたかった。
会って、謝りたかった。
お前よりも強さを求めてしまった自分を恥じていた。
あんなに好きだったのに、大切にすることができなかった。
そうしたらいつの間にか、俺の手からナツキはこぼれ落ちていた。
「せっかくだから、この後話さねぇか?」
少しの勇気を振り絞りそう言った。
ナツキはきっと、困ったように微笑みながら受け入れてくれるのだ。
「・・・・嫌よ。理由がないもの。」
しかし俺の予想通りにはいかなかった。
困るどころか、眉一つ動かさないでナツキは冷たくそう言ったのだ。
「冷ぇなぁ・・・。前はそんなんじゃなかったろ。」
動揺を隠しながら、茶化すようにそう言っても、彼女の表情が崩れることはなかった。
「いつの話よ。」
そう言ってナツキはその場を後にしてしまった。
彼女の言い分はもっともだ。
もうお互い子供ではなくなった。
あの時のような純粋な気持ちの抱き方ももう忘れてしまった。
こんな形で、自分が大人になったと実感するとは思わなかった。
「ったく、クソボスのせいで・・・・」
代わりにパーティーに出席したらこんな目に遭うなんて思わなかった。
その日スクーアーロが大事にしていた初恋の思い出は形を変えてボロボロと崩れ去ってしまったのだった。
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