ワールドリーグカップ開始!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ナツキ選手!!2回戦勝利!これでこのブロックの代表はナツキ選手に決まりました!!!」
ワーッと歓声が上がる。ナツキは対戦相手と握手を交わし、フィールド裏へと向かう。
「・・・・・ふぅ、ルカリオ、お疲れ様。ありがとう」
バトルをして疲れているはずなのに、退場時にナツキをエスコートしてくれたルカリオにお礼を言う。
ジョーイさんにポケモンの回復をしてもらった後控室に戻ると、早速キバナがいた。
「よっ、お疲れさん。これで、お互い決勝進出だな」
ニッと、笑顔でキバナはそういった。前日のBブロック2回戦をキバナは危なげなく勝利し、決勝の総当たり線へと駒を進めた。
「はい。楽しみです」
「俺様もだ。ところで、だ」
「?」
キバナは視線を逸らし気まずそうにしている。
「この後、飯でもどうだ?決起会、みたいな感じで」
「いいですよ。何食べます?」
キバナは内心でガッツポーズをした。しかしそれを表に出さないように注意しながら、手際良くレストランを予約する。
「俺様もナツキも有名人だからいいとこ予約してやるよ」
「ふふ、ありがとうございます」
ナツキはあの電話をしてからキバナに会うのが少し気まずいと思っていた。しかし実際に会ってみると、彼はいつも通り接してくれるし、たまにこうして気遣ってくれる。
初対面の時は意地悪な人だと思ったが、今はなんだかんだ優しい人なんだと思うようになっていた。
************************************
「んー、美味しいですね!」
あの後アーマーガアタクシーでレストランへ直行し、今に至る。キバナはナツキと二人で静かに美味しいものにありつける喜びと共に、ある欲求が芽生えていた。
「なあ、その敬語やめねぇ?」
「え?」
「ほら、年もそんな変わんねーし、、ワタルやレッドには普通に話してんだろ?」
ナツキは出会って以来、ずっとキバナに敬語を使っていた。様子を見る限り、子供やワタル相手には軽口を叩くのだが、それ以外には基本的に敬語だ。キバナはそれに距離を感じて不服だった。
「えーと、じゃあ、そうする・・・」
「おう」
ナツキのキバナの提案に特に疑問を抱くことなく受け入れた。確かにもう友人と言っていいだろうし、何より本人がそう望むなら断る必要はなかった。
それにとても嬉しそうにするキバナの様子を見て、距離を感じさせてしまったのかな、と少しだけ申し訳なく思った。
「そう言えば、昨日のキバナさんの試合もすごかったね」
「・・・"さん"もつけなくていいぞ」
「え?あ、じゃあ、キバナくん?」
「!」
呼び捨てを期待していたのだが、君付けも悪くない、とキバナは思ってしまった。内心で「可愛い」を連発した。
「フスベのドラゴン使いとは全然違う戦い方ですごく見ていて楽しかったわ」
「まあな!ナツキはなんでドラゴン使いじゃねーんだ?フスベの出身なのに」
「あはは。偏見だよ。それ!ドラゴン使いじゃない人もたくさんいるよ。でも、ドラゴンタイプは結構好んで育ててるかな。強くなるのに時間はかかるけどそれがまた愛おしいっていうか・・・・・」
「わかる!俺も大器晩成なところが好きでさ!」
その後はお互いトレーナーと言うだけあってドラゴンタイプの話を中心に盛り上がった。ナツキもすごく楽しくて時が経つのをあっという間に感じた。
「ありがとう。ご馳走までしてもらっちゃって・・・・」
「あーいいよいいよ。気にすんなって。俺様結構稼いでるし」
レストランからアーマーガアタクシーでナツキをホテルへ送り届ける。
「今日は楽しかったよ。また行こうね」
「ああ。俺もすげー楽しかった。次は、大会が終わってから行くか」
「うん。そうだね。大会も楽しみにしてる。いいバトルをしようね」
「おう」
キバナと別れ、ホテルの自室へ入り、ポケモンたちをボールから出す。パートナーたちは少し心配そうにナツキを見ていた。
「心配しないで。今日はバトルが終わってからもすごく楽しかったの。きっとキバナくんは気遣ってご飯に誘ってくれたんだろうけど、それでも嫌なことは何も思い出さなかったよ。みんなも守ってくれているしね」
その言葉を聞くとポケモンたちは嬉しそうに主人に飛びついた。
「うわっ、」
ワタルやレッド、キバナ、それに何より、ポケモンたちが支えてくれていることにナツキは深く感謝した。そして心身ともに強いトレーナーになりたいと思った。