ワールドリーグカップ開始!
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ついにワールドリーグカップが幕を挙げた。
毎日2試合ずつ行われ、
本日は、ナツキの割り振られたCブロック第1回戦が始まる。
トーナメント戦では、それぞれ3対のポケモンを有した勝ち抜き戦となっている。総当たり戦の上位5人のバトルでは、6体のフルバトルとなる。
「いけっ!デンリュウ!!」
「頑張れっ!インテレオン!」
ナツキとマサルそれぞれのポケモンが姿をあらわし、バトルが開始される。
キバナは会場の特別席でその様子を見ていた。
(・・・普段と全然違う・・・・・・・)
キバナは、自分がずっと追いかけていたはずのダンデに勝ちチャンピオンとなったマサルよりも、ナツキの様子をつい目で追っている自分に気がついた。
普段のすっとぼけた様子は全く垣間見せず、緻密で、冷静にポケモンに指示を出すナツキに見惚れてしまっていた。
バトルの最中に垣間見せる不敵な笑みに背筋がゾクりとすらした。
以前レッドが、ナツキは素早さと技の細かい特性を活かすのが得意と言っていたが、まさにその通りだった。たとえタイプの相性が不利であろうともモノともせず、思いも寄らない技の使い方をしていた。
「勝者!ナツキ!!!!」
会場が一瞬しんと静まり返ったのちに、ワアーーーッと凄まじい歓声に包まれた。観客の多くはガラルの住民であるから、彼らはマサルが勝つと信じていた。しかし結果は、ナツキの勝ち抜け。それもマサルは3体のポケモンを出し切ったがナツキはデンリュウとギャラドスの2体のみで勝ち越した。
「これは!ナツキ選手!表舞台からしばらく遠ざかっていたとは思えなーい!!ダークホースの登場だーーー!!」
司会の言葉にさらに会場が盛り上がった。
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「ナツキ選手すごかった!私ファンになっちゃった!」
「セキエイで昔チャンピオンだったんだろ?当時の映像残ってるかな・・・」
「ていうかすごい美人だったな!」
「俺、マサルが勝つと思っていたのに・・・」
試合後、スタジアムを後にする観客たちが口々にナツキの噂をしていた。キバナはその様子を眺めた後、ナツキがいるであろう控え室に向かった。
「キバナだ。入るぞー」
ノックをして控え室に入るとナツキはデンリュウとギャラドスを労っているようだった。
「よ!すげーバトルだった!ナツキ!一回戦突破おめでとう!」
キバナは心から祝福してそういった。しかし困ったように「ありがとうございます」とナツキは返しただけだった。
「?」
ガラルのチャンピオンに勝ったというのに、なぜあまり嬉しそうじゃないのかとキバナは不思議に思った。
「どうした?バトルの内容に不満でもあるのか?」
「え?あ、そんなことはないですよ。バトルはすごく楽しかったです。マサルくんも強いトレーナーだったし・・・。ワクワクしました。次はどう攻めようか、そんな攻め方をするのかって・・・・・」
試合のことを思い出しているナツキからは、本当にバトルを楽しんだということが伝わった。それではさっきの暗い表情はなんだったのだろうかとキバナはますます疑問を抱いた。
「疲れたのか?元気なさそうだけど・・・あ!エントランスで早速話題になってたぜ!これは次回からファンが殺到するな」
キバナの言葉で、ナツキの顔が一気に真っ青になった。
「どうした?具合でも悪いのか?」
「い、いえ・・・」
どうも様子がおかしいナツキにキバナは駆け寄る。デンリュウとギャラドスは疲れているはずなのに、キバナ同様心配そうに主人を見つめていた。
よく見ると、少し震えているのがわかった。
「・・・ちょっと触るぞ・・・・・・・熱はないな・・・。ジョーイさんを呼ぶか?」
バトル後にポケモンをすぐに治療できるように、スタジアムには今ポケモンセンターからジョーイさんが派遣されている。まだバトルが終わって間もないから居るだろう。
しかしナツキは首を横に振りながら、「大丈夫ですから・・・」というだけだった。
キバナがどうしようか、やはり無理にでもジョーイさんに診てもらった方が良いのではないかと思案していると、ノックの音とともに、ワタルが入ってきた。
「ナツキ!」
キバナには目もくれず、ワタルはすぐさまナツキに駆け寄り、肩を抱いた。キバナは何故かその様子にショックを受けた自分に気がついた。