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その後ナツキのポケモンたちは新居候補を気に入ったようで、ナツキはすぐに契約を取り決めたのだった。
翌日にも住める部屋があるとのことだったので、ナツキはすぐさま引っ越しの準備を手配した。こちらにくる時に荷物はまとめていたので、それをワタルに送ってもらうよう頼み、ポケモンセンターでジョウトに置いてきたポケモンを母親から送ってもらった。
「久しぶりー!!」
早速受け取ったモンスターボールの一つからカイリューが出てきた。ナツキにとってギャラドスの次に付き合いが長いポケモンだ。ほんとであればワールドリーグカップに連れて行きたかったのだが、ちょうど同時期に兄弟のハクリューが体調を崩してしまい、心配で離れたがらなかったので、フスベにおいてきていたのだった。
「もうイブキのハクリューは元気なんだよね?」
ナツキが尋ねると嬉しそうにカイリューは頷いた。
「今日はお引っ越しなの。手伝ってくれる?」
「バウ!」
カイリューを連れてポケモンセンターから引っ越し先のマンションにくると、ジョウトからの荷物を乗せたトラックと、キバナが待っていた。手伝ってくれると言ってくれたので、男手があると嬉しいナツキは二つ返事でお願いした。
「キバナくん!」
「おう。そのカイリューは?」
「私のポケモン!ジョウトに置いてきたポケモンを送ってもらったの。」
「へえ。強そうだな。今度バトルしようぜ。」
「バウ」
明らかに鍛え上げられたカイリューを見て、キバナもトレーナーの血が騒いだ。しかし、今日はバトルが目的ではない。ナツキの引越しだ。部屋までは引越し業者のポケモンたちが荷物を運んでくれるが、その先の荷解きと家具の設置をしなくてはいけない。
部屋に荷物が運ばれると、業者のカイリキーたちが去り、ナツキとキバナとそのポケモンたちが残った。
「よし、カイリューに、ルカリオ、デンリュー、バシャーモ、今日はお願いね」
「ジュラルドン、今日はバトルじゃないから仲良くしろよ」
各々引越し向きのポケモンを出して、手伝いを頼む。
「ナツキ、これこっちでいいか?」
「あ、うん。」
「パル〜」
「わ、デンリュウいい感じだね」
ポケモンを含めると大人数で行なったため、1時間ほどで完了してしまった。
「すごい、こんなに早く終わると思わなかった!」
「俺様のおかげだな」
「うん、そうだね!」
「・・・・」
キバナは冗談のつもりで軽口を叩いたので、あっさり肯定されて少し驚いてしまった。実際、ナツキにとっては、ポケモンに指示が出せてポケモン並みにパワーもあるキバナがいたことは大変ありがたかった。
「せっかくだからお蕎麦でも頼もう」
そう言ってナツキが引越しそばを頼んでいる最中に、キバナは引っ越しを終えたばかりの部屋を見回した。間取りは自分の部屋と同じであるはずなのに、雰囲気は全く異なっていた。
意外な訳ではないが、ポケモンのぬいぐるみがたくさん置いてあったり、可愛らしい小物もあったりと、女性らしい側面をみることができて、キバナはなんだか得をした気分になっていた。
(・・・クソ・・可愛いな・・・)
それに加えて、ポケモンの技の本やさまざまなバトルの記録のスクラップ、ポケモンの栄養学の本などナツキのトレーナーとしての努力も伺えてしまい、そのギャップにグッときてしまっていた。
「俺を殺す気か・・・」
「え?なんか言った?」
「い、いや、なんでもねぇ・・・」
直にインターホンが鳴り、蕎麦の出前が届く。ポケモンたちにも専用の蕎麦を用意して、テーブルについた。
「いただきます。・・・あー、美味しい」
労働の後だからなおさら美味しいと一同味を噛み締めた。
「そうだ、俺、ダンデにナツキが来るってこと話した時に聞いといてくれって言われたことがあってさ、」
「うん?」
「マイナーリーグって知ってるか?」
「存在くらいは・・・」
ジムが上位のメジャーと下位のマイナーに分かれているガラルにおける大変シビアな制度だ。ナツキはそういう制度があるということは知っているが、ジムリーダーもポケモンのタイプも全く知らない。
「最近メジャーとマイナーの入れ替えがなくなってきて面白くないから、マイナーリーグの底上げをしたいんだとよ。それでナツキにコンサル頼もうかなって言ってたぜ」
「それって・・すごく大きなお仕事だよね・・・?」
「んー、まあそうなるんじゃね?・・・これ、連絡先。気ぃ向いたら連絡してやって」
「うん・・・とりあえずありがとう」
キバナが事前にダンデから預かっていた彼の名刺をナツキに手渡すと、ナツキはそれをじっと見ていた。ダンデに全く下心がないことを知っていても、キバナは少し面白くないと思ってしまっていた。