再会
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
そして1週間後、ナツキはついにガラルの地に降り立った。
空港のあるシュートシティからアーマーガアタクシーでナックルシティへと向かう。
「あ!キバナくん!」
「ナツキ!!!」
人一倍身長が高いキバナは遠くからでもすぐに分かった。
隣にはヌメルゴンもいた。
「久しぶり・・・ってわけでもねぇか」
そう言って笑顔で再会を喜んでくれるキバナに釣られてナツキも嬉しくなった。
「今日はよろしくお願いします」
「あはは、何かしこまってんだよ。いこーぜ」
今日、ナツキはまずしばらく住むところを探す予定だ。
リョウタの依頼のこともあるから、ナックルシティで適当な部屋を見つけようと思い、キバナに連絡したところ、部屋探しを手伝ってくれるという彼の厚意に甘える運びとなった。
とりあえず二人で不動産屋に向かう。
対応をしてくれたのは男性で、ナツキとキバナを見て一度目を見開いたが、そこはプロ。有名なトレーナーだからといって騒ぐことはなかった。
「お二人で同棲ですか?」
「え?」
「は!?」
これくらいの年代の男女が不動産屋を訪れる理由なんて、大概がそれだったため、男性はそういった。
「ち、ちがっ・・・・!お、俺は・・・!」
「キバナくんは付き添いで来てくれただけなんです。私、ガラルはまだよく分からないので」
慌てるキバナには気づかず、本当のことをナツキはそのまんま答えた。
「あー・・・なるほど・・・。わかりました。ではお部屋のご希望を・・・」
ナツキの部屋探しの意向と、キバナの思いを察してしまい、やや気まずい思いをする男性であったが、それでもしっかりとナツキに希望を聞き出した。
「えーと、あと、大きいポケモンが手持ちに多いので、みんなを出しても大丈夫なところがいいです。あとは・・・・」
あらかた希望を伝えたナツキは他に何があるだろうかとキバナをチラリと見た。
「セキュリティがしっかりしてるとこを頼む」
「確かに必要ですね。そうなると、こちらがオススメです」
キバナの言葉で色々と調べてくれた男性はある間取りの部屋をナツキに見せた。
「へー、立派そう。予算内だし・・・内見ってできますか?」
「もちろんできますよ。今から向かいましょうか?」
「はい。お願いします」
不動産屋の男性は、徒歩で行ける場所だと言って案内をしてくれる。
「?」
その間、ナツキは黙り込んでいるキバナを不思議に思った。
「キバナくん?どうかした?」
「いや・・・、んなわけねぇか・・・・・なんでもねえ。気にすんな!」
「?」
歯切れが悪いがどうしたのかとナツキはキバナを心配に思った。
もしかしたら立地が良くないのかと目的地に向かいながらキョロキョロと見回すが、そのようには思えなかった。
「こちらです」
「わ、おっきなマンションですね」
さて中へ入ろうと、男性について行くナツキ。
しかし後方で動かないキバナに気づく。
「キバナくん?」
「・・・・・・」
なぜついてこないのだろうかと不思議に思うと、キバナはようやく口を開いた。
「・・・ナツキ・・・、俺、ここ住んでる・・・」
「え?」
考えてみれば何も不思議ではない。
ナツキもキバナも名が通ったトレーナー。住処に求めるものも自ずと近いものになってくる。
「そ、それは大変失礼いたしました・・・!お辞めになりますか?」
男性が申し訳なさそうにそう言う。
「うーん、そうですね。キバナくんのプライベートにお邪魔するのも申し訳ないですし」
「!?」
ナツキが不動産屋に言った言葉を聞いて、キバナは少し冷静になった。
(これって・・・すげーチャンスなんじゃねえの・・・!?)
突然のことに頭がついていかなかったが、大きいマンションとはいえ同じ建物に住むと言うことは、距離を縮めるにまたとないチャンスだと気づく。
「い、いや!俺は気にしねえから!結構いいとこだぜ、ここ!もう決めちゃえよ!な!?」
「そんなに?んー、とりあえず見てからね」
「お、おう・・・!」
内見してみてポケモンにも聞いてみないと、なんてのんびり考えるナツキに、キバナはどうかここに決めてくれと必死に神に祈っていた。