故郷
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ハナダジムからセキエイ高原リーグへ戻るとすぐに、ナツキはフスベの両親に電話をかけた。
『もしもし、ナツキ?どうかした?』
「あ、お母さん。・・・私、しばらくガラルに行こうと考えてるんだけど・・・どう思う?」
電話口の母が静かに笑うのが聞こえた。
『・・・ええ。そうね。好きなだけゆっくりしてくるといいわ。お父さんには、私から言っておくわ。こっちのことは心配しないで。・・・たまにこうして連絡をしてくれればいいから』
「うん・・・。わかった。・・・ごめんね。迷惑かけて」
それはナツキの故郷であるフスベシティにも人が押し寄せているらしいと言うことだ。
静かな町だというのに、故郷にこんな形で迷惑をかけるだなんて思ってもみなかった。
『バカねぇ。娘が世界一のトレーナーになって迷惑がる親がどこにいるのよ。全く、あなたはいっつも我慢ばかりして。・・・もう少し、好きに生きたらどう?私もお父さんも、ナツキが決めたことならなんだって応援するからね』
母の言葉にナツキは目頭が熱くなった。
「・・・お母さん・・・」
『そうね、ついでにデボンのあの素敵な男の子を連れてきてくれたりしたら最高ね』
「お母さん!?」
感動を返せと叫びたくなったが、クスクス聞こえる笑い声で、自分を笑わせるための冗談だと気づく。
「もう」
『・・・・風邪ひかないように気をつけるのよ。お腹出して寝たりしないこと』
「ちょっと、いくつだと思ってんのよ」
『幾つになっても、子供は子供よ。・・・じゃあね、ナツキ。ちゃんと連絡するのよ』
「うん。・・・またね。おやすみ」
苦笑いをしながら電話を切った。
今日はもう遅いから、明日になったらワタルに報告して、できるだけ早めにガラルに行こうと決める。
"来るときは絶対に俺様に連絡よこせよ!"
ふと、八重歯を見せて嬉しそうに笑うキバナの顔が頭に浮かんだ。
「・・・来るの早すぎって言われちゃうかも」
それでもワタルに報告したらキバナに連絡をしようとナツキは決めた。
**********************
翌日、ナックルジム。
「ワタル?どうかしたか?」
思わぬ人物からの着信に驚きながらキバナは通話ボタンを押した。
「・・・え?ナツキがガラルに?・・・・・ああ。・・・・・・・わかった。・・・・じゃあナックルシティに・・・・・うん・・・・・・そう言っといてくれ。・・・・ああ、またな」
電話を切ると、キバナは嬉しさのあまり隣にいたジュラルドンに抱きついた。
「ジュラ?」
その様子を見たジムトレーナー達がどうしたのかと尋ねる。
「ナツキが来るって!しばらくガラルで暮らすらしい!面倒みてくれって、ワタルが!」
「わ、キバナ様、よかったですね!」
すでに色々とバレてしまっているトレーナー達が祝福する。
口には出さないが、皆がこれで関係もうまくいけば良いなと祈っていた。
『メッセージロト!』
そこにキバナのスマホロトムがメッセージ受信を告げた。
「!」
誰からだろうかとそれを開いたキバナの表情がさらに明るくなった。
それはナツキからだった。
___________________________________________
来週からしばらくガラルに滞在することになりました。
色々案内してくれると嬉しいな。
でもジムチャレンジも始まるし、
忙しかったら断ってもいいからね。
__________________________________________
「断んねーよ!」
「!?」
メッセージを読み終えたキバナが突然叫んだため、ジュラルドンが驚いて体をびくつかせた。
そしてキバナは急いで返信をする。
___________________________________________
これっぽっちも忙しくない。
約束したからな。
ドラゴンポケモンの穴場にも連れてってやる!
_____________________
「・・・早く来ねぇかな・・・・」
「ジュラ!」
ナツキに会うのが楽しみなキバナと、ナツキのポケモン達とバトルをするのが楽しみなジュラルドンは互いに顔を見合わせ、微笑んだのだった。