故郷
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『メールロト!』
「ん?」
カリンとの歓談中、スマホロトムがメールを受信した。
「どうぞ」
「ありがと」
カリンの許可を得て、画面を見てみると知らないアドレスからだった。
件名が仕事の話のようだったので、迷わずそれを開く。
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ナツキさん
改めて大会お疲れ様でした。
ナックルジムのリョウタです。
ナツキさんにぜポケモンを見ていただきたいのですが可能ですか?
良いお返事お待ちしています。
リョウタ
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「仕事?」
「うん。ナックルジムのトレーナーのリョウタさんっていう人から。ポケモンを見てくれないか、だって」
「へえ」
カリンの目が鋭く光った。
これはまた面倒なことを考えているのだろうとナツキは思う。
「で?引き受けるの?」
「うん。もう少しだけこっちの仕事に折り合いをつけたらすぐに行こうかな」
ガラルではもうすぐジムチャレンジが始まる。
ナックルジムにトレーナーが押し寄せる前には伺うべきだろうとナツキは考えた。
「寂しくなるわ」
「・・・本当に思ってる?」
「あら、失礼ね」
冗談を言ってカリンと笑いながら、その日は別れを告げた。
「さて、そろそろハナダに行かないと・・・」
ハナダシティのジムリーダー、カスミから久しぶりにポケモンを見てくれという依頼を受けていたのだ。
ワタルに"そらをとぶ"を覚えたカイリューを貸してもらう予定だったので彼の元へ行くと、ワタルも一緒にハナダまでついてきてくれると申し出た。
幼馴染相手に遠慮は不要、ということで、その申し出をありがたく受け取り、二人でカイリューに運ばれハナダへと向かう。
空は綺麗な夕焼けに染まっていてた。
ハナダジムの裏手に降りて、すでに本日は閉まったジムへと足を踏み入れる。
「カスミちゃん、」
「ナツキさん!!ワタルさんも!来てくれてありがとうございます!!あと優勝おめでとうございます!中継見てましたよ!!」
「あはは、ありがとう」
少し照れ臭く思いながらも、カスミの賞賛を素直に受け取る。
「じゃあ早速、ブースターから・・・」
カスミがモンスターボールからブースターを繰り出した。
「だいぶ鍛え上げてるね。軽く勝負してみようか」
「お願いします!」
カスミのメインポケモンとバトルしながら改善点を見つけていく。
それを全て終えた頃には、窓から見えた空は真っ暗になっていた。
「ごめんね、遅くなっちゃったね」
「いえ!こちらこそこんなに遅くまでありがとうございます!依頼料、いつものところに振り込んでおきます!」
「ええ。ありがとう。じゃあ、また何かあったら連絡してね」
カスミに別れを告げ、ジムを出ようとすると迎えのワタルが慌てたように入ってきた。
なんだか外が騒がしい。
「ナツキ、急いで帰るぞ!」
「!」
事態の異常を察知して、ワタルの背に隠れるようにしてジムの扉を開けて外に出た。
「きゃーーー!ナツキさんだ!!」
「本当にいた!こっち見て!!」
「やばい!すごい可愛い!!」
そこには大勢の人が押し寄せていた。
どこから情報が漏れたのかは知らないが、ハナダジムで仕事をしていることがSNSで広まり、ファンや報道陣が押し寄せたようだ。
「ナツキ選手!優勝した感想を!!」
「やはりワタル選手とは特別な関係なのですか!?」
「是非うちで取材を・・・!!」
ワタルはマントでナツキを隠しながら人混みをかき分けた。
「ナツキ、すぐいくぞ」
今までこれほどワタルのマントをありがたいと思ったことはなかった。
駆け足で開けた場所にいき、すぐさまカイリューに連れられて空の旅が始まる。
「ナツキ、大丈夫か?」
「・・・うん・・・少し驚いたけど、大丈夫」
そうは言ってもナツキの体は震えていた。
「・・・仕事はしばらく控えたほうがいいかもな。まだ依頼はあるのか?」
ナツキはコクリと頷いた。
「リョウタさんからお仕事の話があって、引き受けちゃったわ・・・。ジムチャレンジに間に合うように急いだほうがいいと思って・・・・」
そう言うとワタルは神妙な面持ちで思案する。
「・・・・・そうか・・・。ガラルならあるいは・・・。よし、キバナに相談してみよう」
何を、とナツキが疑問に思うと、それを察したのかワタルが口を開いた。
「ガラルではこんなふうに押しかけてくるような奴は少ないだろう?取材もきちんとした手続きがとられるし・・・・、しばらくガラルで過ごしてきたらどうだ?もちろんナツキの両親にも相談する必要はあるだろうが・・・・」
「なるほど・・・・・。お父さんたちに電話してみるね」
「ああ。困ったことがあれば俺でもカリンでもいいからすぐに相談してくれ。いつでも味方だからな」
「・・・うん・・・・」