故郷
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「ナツキ、優勝おめでとう。直接見にはいけなかったけど・・・最高のバトルだったわ」
「ありがとう」
照れ笑いを浮かべながら、ナツキは目の前の女性、カリンを見た。
セキエイの四天王の一角である彼女とは長い付き合いで、ナツキは彼女を親友だと思っている。
「実家には帰ったの?」
「・・・ううん。両親から連絡が来て、フスベにたくさん人が押し寄せてるみたいなの。帰るのはもう少し落ち着いてからかなぁ・・・。父も母も来たい時にくればいいって言ってくれてるし・・・」
「そう・・・・。まあしばらくここでゆっくりしていけばいいわ。反対する人はここにはいないし。私はむしろ大歓迎よ」
カリンは優しく微笑んだ。
ナツキはガラルから帰ってすぐセキエイ高原リーグにしばらく滞在することにした。もちろんチャンピオンたちや、リーグスタッフの同意も得ている。
「それで?いい男はいた?あのデボンの御曹司なんて良さそうじゃない?」
カリンは急にニンマリと、ナツキを見つめた。ナツキは苦笑する。
「そうね。確かに素敵な人だけど、私にはもったいないわ」
「もう!そういう優等生のお返事を聞きたいんじゃないのよ!」
期待はずれだとばかりにカリンは嘆いた。それでも、面白い話はないのかとさらに詰め寄る。
「親しくなった人とかは?」
「え?それは・・・やっぱり、キバナくん、かな。ダイマックスの練習用にジムを貸してくれたり、色々お世話になったし・・・」
「あの背の高いドラゴン使いの人?そういえば会見でそんなこと言ってたわね。ふーん、あの人かぁ・・・」
「・・・言っておくけど、カリンが期待してるようなことは何もないからね」
ニヤつく彼女の追撃は許さないとばかりにナツキはそう言い放った。
「あら、そうなの?でもナツキはそうでも、あちらはどう思っているかなんてわからないじゃない?」
「もー、ああ言えばこう言う!ずっとさっきからニヤニヤして!!」
怒っているぞ、とでもいうようにナツキはジト目でカリンを見る。
「ふふ、わかってよ。私、今ご機嫌なのよ。だって、世界中に私の親友が素敵なトレーナーだって知らしめることができたのよ。浮かれちゃうのは仕方ないじゃない?」
先ほどとは一転して、カリンは優しく微笑んだ。
きっと彼女も、ワタルと同様、ずっと前から公式戦でバトルを楽しんで欲しいと思っていたのだろう。それを察して、ナツキは目頭が熱くなるのを感じた。
「・・・本当に、かなわないなぁ・・・・・」
「今わかった?」
悪戯っぽく笑うカリンに釣られてナツキも思わず笑顔になった。
一方その頃ガラルでは・・・・・・
「キバナ様〜、生きてますか〜?」
ナックルスタジアムの一角に、沈みまくっているキバナの姿があった。
「寂しいのはわかりますけど、もうすぐジムチャレンジが始まるんですから、切り替えてくださいね!」
「・・・おう、わかってるよ・・・・・」
本当にわかっているのか、とリョウタやほかのジムトレーナーは不安になる。ナックルジムは最後のジムであるから、チャレンジャーが来るのはまだ随分と先になると思われるが、トレーニングを本腰でやらねばならない。なのに、それを主導する肝心のジムリーダーがこの調子である。
別にナツキに振られたりしたわけでも、会えないと決まったわけでもないのだからそろそろやる気を出してもらいたいな、と思案するリョウタは、ふとあることを思い出した。
「あ、名刺!」
慌てて自分のリュックの中を漁るリョウタに、他のジムトレーナーはどうしたのだろうとその様子を見る。
「あった!ナツキさんの名刺!」
ナツキの名を聞いて、キバナはバッと顔をあげて、リョウタを見た。
「僕、ナツキさんにポケモンを見ていただこうかと思います!!」
現段階で世界一のトレーナーにポケモンを見てもらう機会を得ていたことを思い出す。これで、ポケモンも強くなるかもしれないし、キバナだってナツキが来てくれれば元気になるだろう。
「いいですよね!?キバナ様!!」
「!!! お、おう!!」