閉幕
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決勝リーグは5人の選手が総当たり戦で競うため、1人4試合となる。ナツキ対ダンデの第8回戦が終わった時点で、ダンデとナツキが1敗、それ以外の参加者が2敗。この後のバトルでダンデが勝利したとしても、ナツキと同じ勝利数となるが、ナツキ対ダンデの対決はナツキが勝利しているため、自ずとナツキが優勝ということだ。
そして続く9回戦、キバナ対ダイゴはキバナが勝利、最後の第10回戦、ダンデ対ワタルはダンデが勝利を収めた。
そして本日、シュートスタジアムでは表彰式、並びに閉会式が行われる。
「デボンコーポレーション・シルフカンパニー協賛、第1回ワールドリーグカップ、映えある初代王者に輝いたのは、ナツキ選手です!!どうぞ!表彰台の方へ!」
司会の指示に従い、ツワブキ社長が待つ表彰台へと上がる。
「おめでとう、ナツキさん」
「・・・・はい・・・ありがとうございます」
賞状と大きなトロフィーを受け取る。
するとその途端、ワァーーっとスタジアム中がナツキを称賛する歓声に包まれた。
「おめでとー!」
「またバトルみせてくれー!」
「すごく良かったよーー!」
ぐるっとスタジアムを見渡す。みんなが自分のバトルとポケモンを認めてくれたのだと嬉しくなった。
「せっかくだから、ポケモンも出してあげるといいよ」
ツワブキ社長にそう言われ、「みんな、出ておいで」と声をかけると、6体のポケモンが次々に現れた。
「あぁ、ルカリオ、ありがとう」
実は少し重いな、と感じていたトロフィーをルカリオが代わりに持ってくれる。
そんな様子も観客からはたまらないようで、「仲良し!」とか「素敵ー!」などの声が主に女性から上がる。ルカリオ(♂)がモテている、とナツキは複雑な気持ちになった。
その後、2位となったダンデ、3位となったキバナがナツキの両脇の段に登る。
「ナツキ、胴上げでもしてやろうか?」
ニヤリとキバナがいたずらっ子のようにナツキに尋ねた。
「え!?やだよ!」
「お!いいな!手伝おう!」
否定するや否や反対側のダンデもキバナに続く。そしてあろうことかボールから出していたナツキのポケモンたちも明らかに胴上げをスタンバイしている体勢になっていた。
「ちょ!嘘でしょ!」
ナツキの抵抗など全く意味もなく、やたらとでかい男たちと、裏切り者のポケモンたちに担がれ、その体が何度も宙に浮く。
「ぎゃーーーーー!高い高い高すぎる!!!!!」
優勝したのにどうしてこんな目に遭わなければいけないのか、とナツキは叫んだ。
こうして長いようで短いワールドリーグカップが終結したのであった。
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閉会式が終わり、とりあえずナックルシティに戻ろうとしていたところ、ワタルに呼び止められた。
「ナツキ!会見があるみたいなんだが出れそうか?」
「会見?そっか、普通あるよね」
急いでワタルに案内され、その場へと向かう。
「あ、ルカリオ!ついててもらっていい?」
「ガウ」
ボールからルカリオを出し、念のためすぐ側にいてもらう。
そして会見が始まり、ナツキへの賛辞と多くの質問が会場に溢れ出した。
「最も印象に残った試合はどれでしたか?」
「えーと、、すみません。どれも印象に残っているから決めるのは難しいです。予選も含めて、全試合楽しかったです」
「初めてのポケモンは何ですか?」
「コイキングで、試合に出ていたギャラドスです」
「ポケモンの育成のコツなどありますか?」
「一番はポケモンをよく知ることだと思っています」
「今大会、久しぶりの公式バトルとのことでしたが、出場を決めたきっかけは?」
「ワタルに誘われたからです。出場を承諾して良かったと思っています」
「ワタル選手との試合の直後、涙を流していましたがあれはどうしてですか?」
「・・・久しぶりの大舞台で、幼馴染と戦えたことに感動したんです。すみません、驚かせましたよね」
「ワタル選手とのご関係についてお聞きしてもいいですか?」
「本当にただの幼馴染ですよ。兄のようだな、と思っています。ワタルに聞いても多分同じようなことを言うと思いますよ」
「ではダイゴ選手とのご関係は?」
「え?ダイゴさん?ダイゴさんとはホウエンリーグで戦って以来ほとんど関わりはなくて、今回久しぶりにお会いしたので、関係と言われても・・・・友人と言っていいんですかね」
「ではでは!キバナ選手とは!?」
「えーっと、ダイマックスバトルの経験がなかったので練習場所の提供をキバナくんとナックルスタジアムのトレーナーさんたちにご協力していただいたんです。大変感謝しています」
「今現在恋人はいらっしゃいますか?」
「ガウッ!!」
段々と大会やポケモンバトルから話題が逸れてきたことに嫌気がさしたのか、ルカリオが大きな声で吠えた。そのおかげでようやく会場が静かになった。
チャンスとばかりに大会スタッフが、「これでお開きと言うことで」と、ナツキを会場の外へ連れ出した。
そこにはワタルもいて、ルカリオを褒めていた。
「ルカリオを連れて行ったのは正解だったな」
「うん。悪意を持った質問とかがあったらすぐに察してくれるから。段々雰囲気怪しくなってきたから良かった。ありがとう、ルカリオ」
ナツキに頭を撫でられ、ルカリオは嬉しそうに自分を誇った。