決勝リーグ
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「順当だな」
ダイゴとナツキの試合の後、キバナはナツキの控室を訪れた。ナツキはいつも通り、バトルに出たポケモンを労っている。
「うん。危なかったけど、強い人とバトルできるのはやっぱり楽しいね」
ナツキがキバナに笑顔を向けると、キバナは嬉しさと同時に不安がこみ上げた。
「キバナくん?元気ないね。緊張してる?」
「・・・・ああ。そうかもしれねえ。ワタルにも負けちまったし、明日は・・・・・ダンデとのバトルだ」
キバナは遠くを見つめてそう言った。確か、キバナはダンデに一度も勝ったことがないと聞いていた。それでも諦めずに何度もチャレンジしていたが、キバナよりも先にマサルがダンデに勝ってしまったと。
ナツキはどう励ますべきか悩んだ。「きっと次は勝てるよ」と気休めを言うのは失礼だと思った。
「・・・勝敗はわからないけど、私はキバナくんを精一杯応援するよ」
ナツキがそう言うと、キバナは先程の不安そうな顔から、徐々に嬉しそうな顔に変わった。
「ほんとか?そりゃ十分嬉しいぜ。ベストが出せそうな気がしてきた」
「ならよかった」
キバナの笑顔にナツキも嬉しくなった。言葉選びは成功したらしい。
「ダンデに勝ったら・・・・・いや、やっぱりなんでもない」
「何?気になるなあ」
「・・・そのうち言うから、今は気にしないでおいてくれ」
煮え切らない様子のキバナを不審に思ったが、いずれ教えてくれるならいいか、とひとまず勘弁することにした。
「じゃあ、俺は行くな。ちゃんと休めよ」
「うん。明日、頑張ってね」
「おう」
キバナが控室を後にすると、その後すぐにレッドがタクシーの手配ができたとナツキを呼びにくる。
「いつもありがとう。ごめんね?私のお守りさせて」
「いえ、別に、これくらいなら・・・」
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『さあ!やってまいりました!決勝リーグ第3試合は因縁の対決!ダンデ対キバナだぁーーーーー!!!!』
そうアナウンスされた途端、会場のボルテージが一気にマックスまで上がった。観客のほとんどはガラル出身のためこの二人の対決を心待ちにしていた。至る所から、「がんばれ!」「負けるな!」「今日こそ勝て!」なんて怒号のような声が飛ぶ。
試合は非常に白熱したものとなった。
「いけっ!ジュラルドン!!!」
とうとうキバナが6匹目のポケモン、ジュラルドンを繰り出した。しかし、一方のダンデは現在4匹目のポケモンで、手持ちにはエースのリザードンを含む2体が残っている。
キバナにとってかなり苦しい展開だった。
ナツキもキバナが勝ちますようにと必死に祈ったが、それが戦況に影響を与えはしなかった。
「がんばれ!!キバナくーーーーん!!!」
バトルですらこんなに大声を出すことなんてあるだろうかと、応援した後にふと思った。隣に座っていたレッドとボールから出ていたナツキのルカリオは、ナツキが珍しく大きな声を出すものだから驚いた。
ナツキはそのとき、キバナと目があった気がした。
(え・・・・気のせいか・・・・・)
こんな大きな会場で、大声を出しているのは何も自分だけじゃない。しかもナツキの声より何倍も大きな声を出しているものは大勢いるだろう。聞こえたはずはない。それでも、もしかしたら、届いたのではないかと錯覚した。
「ジュラルドン!ラスターカノンだ!!」
キバナの目が先ほどよりも自身に溢れたように見えた。指示のキレが増し、ジュラルドンもそれに応える。
そしてなんと、ジュラルドンはダンデのポケモンを2対倒し、ついに残すはお互い1体だけとなった。
「行くぞ!リザードン!キョダイマックスだ!」
「こっちも行くぜ!ジュラルドン!キョダイマックス!!」
キバナの猛攻と、2対のエースポケモンによるキョダイマックスで、会場は大盛り上がりだ。
「ジュラルドン!キョダイゲンスイ!!」
「リザードン!キョダイゴクエン!!」
2つの技がぶつかり合い、勝敗が決した。
『ん〜〜〜!!!ジュラルドン戦闘不能!!よって勝者!ダンデ!!!!』