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幻寂SS

海底から眺める太陽は眩しいが、その暖かさはここまでは届かない。
水面の向こう側に想いを馳せた人魚の罪は重い。
遠くから眺めることすらも、罪は重く容赦なく心を踏み付ける。
「僕さぁ、メッ!って言ったよね。ダメだって、分かってたよねぇ。ねぇ、幻太郎……それ以上あいつを見てみろ、お前が死ぬぞ」
珊瑚礁の様に鮮やかな彼のひんやりとした部分に触れる。彼に逆らうのは得策ではないと、自分の中に微かに残された理知的な部分が警鐘を鳴らす。
(それでも、小生は)
水面に届く頃には、弾ける泡沫になってしまうとしても。
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