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お礼画面



「アズール何で邪魔すんの?!」
「僕だってお前達のケンカになんて巻き込まれたくないですよ! 寮長として仕方なくです!」


全くいい迷惑だと二人を目の前に座らせて怒るアズールを、不服そうにムスッとした表情で見上げていたフロイドのヘテロクロミアが、ジェイドとのケンカの原因となった少女が同級生の監督生らと共に運動場へと向かっているのを捉えると、中々な高さがあるにも関わらずひらりとその身を投げ出した。


「メダカちゃん!」
「え? フロイド先輩?!」
「あー……あの人人魚だけど身体能力おばけだから大丈夫っしょ」
「あの高さから下りて平気ってヤバいな……」


監督生たちが口々にそう反応する中、彼女は特に何の反応も見せず、スッとフロイドから視線を逸らすとそのまま歩き出した。そんな彼女の反応にショックを受けつつ、彼女の後をひよこのように付いて行きながら、フロイドはその小さな背中に声を掛けた。


「メダカちゃん、あの、今日の放課後空いてる?」
「今日はヴィル先輩と映画を観るので空いてません」
「えー……じゃあ明日は?」
「明日はフロイド先輩ラウンジの仕事ですよね?」
「何で知ってるの? もしかしてオレの事s「アズール先輩からフロイド先輩がサボらないようにシフト渡されてるんです」」


だから先輩のお仕事の日は把握してますと言われたフロイドは、好きな彼女が自分の事を知ってくれて嬉しいけれど、それが他のオスの指示での事だと知って複雑な心境だった。そんな彼の心情を察した監督生とエースは、顔を見合わせて頷くと、今週の土曜日なら良いんじゃないかと提案した。本当はみんなで麓の街に出掛けようと考えていたのだが、何かと忙しい彼女にはまだ伝えていなかった。そうとは知らないデュースが口走ろうとしたのをエースが寸でのところで止めたので事なきを得たが、危なかったと監督生とエースは冷や汗を掻いた。


「土曜日……どう? メダカちゃん」
「土曜日は特に何もありませんが……」
「マジ?! オレとデートして!」
「デート……ですか?」
「うん! 時間とかはまた連絡するね♡」


ご機嫌で校舎の方へと走っていった彼を何とも言えない表情で見送り、授業へとやって来たバルガスを一瞥すると、監督生とペアを組んでストレッチを始めたのだった。


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