『風より野薔薇に気を付けろ』
「あ! 憂太君、おはよう! わっ! 今日は風が強いね?」
「そ、うだね?」
今日は朝から強めの風が吹いていて、彼女の制服である短いプリーツスカートは、その度に悪戯な風によってふわりと浮き上がって気が気じゃない。白く柔らかそうな太ももが、スカートが浮き上がる度に見え隠れし、ゴクッと生唾を飲み込んだ。
「スカート、真希ちゃんみたいなタイトなやつにして貰おうかなぁ?」
「えっ?!」
彼女の呟いた言葉に思わず反応してしまった僕は、あ、いや……と彼女にどう誤魔化すかを悩んでいると、僕をチラッと上目遣いで見ながら、憂太君はどう思う? と問い掛けられた。僕がこのままがいいと言えば、彼女はこのままのスカートにしてくれるのだろうか?
「えっと、僕はこのままの方が……」
「先輩、今日のパンツは何色ー?」
「え?! 野薔薇ちゃ、きゃあ?!」
「え…………?」
釘崎さんが僕の前に立っていた彼女のスカートをふわりと捲り上げると、白く柔らかそうな太ももだけじゃなく、フリルがたっぷりと使われ、彼女の細い腰の所で、純白のリボンが揺れるショーツが眼前に飛び込んできた。紐パン?! 黒じゃなくて白って所が逆にエロい。彼女が真っ赤になりながら、スカートを押さえてそれを隠すまで僕は呆然とそれを見つめていた。
「白か! てか、その下着可愛い! 何処の?」
「も、もう野薔薇ちゃん!! ゆ、憂太君、後でね!」
「あ、うん……」
釘崎さんを連れて走って行った彼女を見送りながら、あの紐を解いてみたいなと思っていると、一部始終を見ていたんだろう真希さんに、朝から眼福だったな? 憂太とニヤニヤしながら言われた。確かに眼福ではあったけど、心臓に悪かった。そんな僕に追い討ちをかけるように真希さんは、因みにアイツの下着は大体紐パンだぞ? と爆弾を投下し、それを正面から受けた僕は、耐え切れなくてぶっと鼻血を出したのだった。
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