『かけがえのない時間』
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「はぁー……疲れた……」
「お、来たな?」
「あ、真希ちゃんお疲れ様~!」
午後の合同練習を終えて、汗と砂まみれになった私は、部屋で着替えとタオルを用意すると、疲れきった身体を引き摺ってお風呂場へと向かった。脱衣籠に脱いだ物を入れて、髪留めを手に持つと、引き戸をカラカラと開けて浴室へと足を踏み入れた。ペタペタと足音を立てて中に入ると、浴槽にゆったりと浸かる真希ちゃんがいて、労いの言葉を返した。
「あれ? 香葉先輩?」
「あ、野薔薇ちゃんもお疲れ様!」
「……デカ。何食べたらこんなに育つんですか? てか、何カップ?」
「ひゃあ?! あっ、ちょっと!」
「うわっ! ふわふわで気持ちいい」
ムニムニと後ろから野薔薇ちゃんに胸を揉まれ、変な声が出そうになるのを耐えながら、背中に野薔薇ちゃんの胸が押し付けられてて、温かくて柔らかいなと思い、くるっと向きを変えて野薔薇ちゃんの胸へと手を伸ばしむにゅっと両手で揉みあげた。
「わわっ?! 香葉先輩?!」
「私ばっかり触られるのって不公平だもん! 野薔薇ちゃんもおっぱいふわふわだね?」
「真希さん、助けて下さいよー!」
「ハッ! 自業自得だろ?」
その後も身体の洗いっこの際に真希ちゃんのおっぱいに触らせて貰ったりと、女の子同士でイチャついてお風呂を満喫して上がると、自販機前で鉢合わせた悠仁君に視線を逸らされた。何かあったのかな?
「はっはーん? さては虎杖。その反応お前私達の会話聞いてただろ?」
「き、聞こえたんだよ!! 大体 あんなトコで話すからじゃん!!」
「で? 感想は?」
「……ご馳走様でした」
悠仁君がそう答えたのを聞いて、野薔薇ちゃんが彼を絞めていた。バカ正直なのは良し悪しだなと思っていると、誰かが昇降口に立っているのが見えてそちらを向くと、任務帰りの棘君がいた。
「棘君! おかえりなさい! ケガは?」
「ケホケホ……こ″ん″ふ″……お″か″か″……」
「無理して話さないで! ケガがなくて良かった。とりあえずお風呂入って! 上がったら食堂に来てね?」
私の言葉に頷き、ゆったりとした足取りで部屋へと向かった棘君を見送ると、私も彼の為に用意しなきゃいけないものを作る為に食堂へと向かった。
「……真希さん、香葉先輩ってもしかして……?」
「あぁ。お前の思ってる通り棘に片想い中だよ」
「そうなの?!」
「はぁー……これだから同い年の男は嫌なのよね……やっぱ付き合うなら歳上よ!」
「歳上って五条先生とか?」
「「いや、アイツは無理」」
そんな会話がされているなんて知らない私は、彼の喉を労る飲み物を作りながら、彼が食べやすいだろう夕飯の用意も始めた。
「いい匂いがすると思ったら香葉か。何作ってるの?」
「棘君のご飯に生姜入りのあんかけうどんと喉にいいはちみつ緑茶ですよ?」
「いいねぇ! とりあえずはちみつ緑茶、僕にもちょうだい?」
「ふふ。いっぱい作ったからいいですよ?」
食堂の椅子に座って子供のようにワクワクしながら待っている五条先生の前に、ティーカップに入れたはちみつ緑茶を置くと、彼は綺麗な唇をカップの縁へと付けてゴクリと一口。味見はしたから大丈夫だとは思うけど、どうだろうかと見つめていると、美味しいけど僕はもっとはちみついっぱいでもいいなぁと言われた。まぁ、五条先生は甘党だもんね? と苦笑していると、棘君が食堂へと入ってきた。
「お、棘じゃん! 任務おつかれ」
「……ツナマヨ」
「え? 二人で何してたのかって? 何だと思う?」
ニヤニヤと笑いながら棘君の頬を突く五条先生の指を払い除けると、彼は私の用意したうどんとお茶が置かれた席へと座り、いただきますと手を合わせて食事を始めた。味はどう? 美味しい? と問うと、しゃけと肯定が返って来たので、良かったと胸を撫で下ろした。
「お、棘、いいもん食ってんな?」
「棘、嫁のメシは美味いかよ?」
「ま、真希ちゃん!! そ、そ、そんなんじゃないから!! そんな絡み方しなくても食べたいなら作るから!」
「んじゃ、僕のも作って?」
「あ、じゃあ俺も食べたい!!」
匂いに誘われるようにぞろぞろと食堂へと入ってきたみんなの分を作りながら、材料多めに用意しておいて良かったなと思っていると、悠仁君が手伝うよと隣に立ってくれた。お料理出来るのかな? と見ていると、それはそれは素晴らしい包丁捌きだった。
「悠仁君上手だね?」
「そうかな?」
照れ臭そうに話す彼に上手だよと笑って答えると、野薔薇ちゃんと五条先生がまぁだぁ? と声を上げた。よっぽどお腹が空いているらしい。もう出来るからと鉢に湯がいたうどんを盛りつけて、悠仁君にあんかけを掛けて貰うと、みんなが座って待っているテーブルへと置いた。
「いい匂いー! いただきまーす!」
「ん、美味い」
「良かった! 棘君は? おかわりする?」
「しゃけ。こんぶ」
「うん、少しだけ入れて来るね?」
彼が食べて空になった鉢を受け取り、少しだけそこに入れると、はいっと彼に手渡した。その際に少し手が触れてドキッとしたけど、彼は特に気にしてないみたいだから気付かれないように普通にやり過ごした。
「さて、お腹もいっぱいになったし、一年は明日任務があるから早く寝るようにね?」
「「「はーい」」」
「んじゃ、香葉ごちそうさま。あとおやすみ」
「はい! おやすみなさい」
食器を洗い終わった私にそう声を掛け、五条先生を筆頭にぞろぞろと食堂から出て行く姿を見送りながら、一息吐こうとはちみつ緑茶を入れて席に着いた。一口飲んでふぅと息を吐き出すと、珍しい人が食堂に現れた。
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