『2022.02.22<スーパー猫の日(^•ω•^>』
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任務から戻って来た私が皆と食べようと買ってきたお土産を片手に廊下を歩いていると、腕に毛並みの綺麗な猫ちゃんを抱いた五条先生が向かいから歩いてきた。
「あれ? 五条先生、その子どうしたんですか?」
「あ、香葉ちょうどいいや! 僕この後出掛けなきゃなんないからこの子頼むわ」
「え?! あの……え?!」
「にゃあ!」
五条先生から預かった猫ちゃんの毛色は、よく見ると棘君の髪色を思わせる淡い色をしていて、瞳も彼の紫水晶のような綺麗な色と同じだった。口元も彼の呪印のような模様が入ったその猫ちゃんを見て、棘君が猫ちゃんになったらこんな感じなのかな? と思いながら、そっとその背中を撫でてみると、彼の髪よりも少し柔らかい手触りをしていた。猫ちゃん可愛いなぁとニコニコしながら、五条先生から預かった子を両腕で抱いたまま硝子さんの所へ向かうと、彼女は私の腕の中を見てニヤニヤと笑った。何かいい事でもあったのかな?
「山桜桃、その猫どうしたんだ?」
「あ、五条先生から預かりました! 可愛いですよね? それに何か……」
「狗巻みたい、か?」
「はい……毛色も瞳の色も口元の呪印みたいな模様も棘君に似てますよね? でも、棘君まだ任務だろうから見せれないし……あ! この猫ちゃんと写真撮ればいいのか!」
「にゃあ!」
腕に抱いたまま自撮りはなかなか難しかったので、硝子さんに撮って貰ったんだけど、その時猫ちゃんに頬をザラザラした舌で舐められた。それを見た硝子さんは耐え切れないと言わんばかりに爆笑してたけど、何で笑ってたのかは分からなかった。そんなに面白い事あったのかな? あ、憂太君達にも送ろ! と、硝子さんから返ってきたスマホを操作して送ると、真希ちゃんとパンダ君からお幸せにwwwと返ってきた。
「硝子さん、真希ちゃん達からお幸せにwwwって来たんだけどどういう事?」
「ん"ふ"ふっ……!」
「にゃあーにゃあにゃあにゃん」
「どうしたの? お腹空いた?」
猫ちゃんを撫でながら問い掛けてみると、ゴロゴロと喉を鳴らして甘えるように手の平に擦り寄ってきた。可愛いなぁと撫でていると、任務から戻って来たのだろう一年生達が保健室に入ってきた。私が棘君似の猫ちゃんを抱いてるのを見た悠仁君が、私に何かを言おうとしたのを遮るように、私の膝で寛いでいた猫ちゃんが所謂猫パンチを彼にお見舞していた。
「え?! いきなりどうしたの?!」
「「「今のは虎杖が悪い」」」
「そうなの?! 悠仁君何もしてなかったよ?!」
「どう考えても虎杖が悪いわよ。香葉先輩は気にしなくていいのよ」
「そ、そう?」
「にゃあ!」
野薔薇ちゃんの言葉に同意するように鳴いた猫ちゃんと遊びながら、硝子さんとお茶をしていると伊地知さんが入ってきて、一年生達と共に次の任務があるからと出て行った。多分私の分の任務も回されてるんだろうなと思うと、申し訳なくなってくる。硝子さんに預けて私も任務に参加させて貰うか?
「お前の今の任務はコイツの世話だとよ」
「心読んだんですか?!」
「お前の場合は顔に書いてあるからすぐ分かるよ」
「ゔぅっ……」
硝子さんにそう言われてしょんぼりしていると、慰めるように猫ちゃんに頬を舐められた。ありがとうね? と顔を擦り寄せると、猫ちゃんの舌が私の唇を舐めた瞬間、ボンッと大きな音と煙が上がり、驚いて目を閉じた。ゲホゲホと咳き込みながら周りの煙を払っていた私の背を擦りながら、聞こえた声は大好きな人の声だった。
「ゲホッゲホ……なに?」
「高菜?」
「え?! 棘く……きゃあぁぁあ?! 何で裸なの?!」
「おかか こんぶ 高菜」
「シーツで下半身隠してても裸じゃないの!!」
「別に狗巻の息子が見えてる訳じゃないんだから大丈夫だろ?」
「硝子さん! 言い方!!」
「はぁー……たかだか半裸でこうだと先は長そうだな、狗巻」
「……しゃけ」
棘君が言うには任務先の呪霊を払う時に猫になる呪いを受けたらしく、服はその時に脱げてしまい、門まで様子を見に来た伊地知さんに服共々拾って貰ったらしい。帰宅した彼がこれからどうしようかと思いながら、とりあえず伊地知さんに頼んで、硝子さんの所へ向かって診察を受けていると、面白がった五条先生に捕まり、私以外に連絡してこの事を黙っているように言ったらしい。だから、硝子さんが笑ってたり、真希ちゃん達からお幸せにって来たり、悠仁君が何か言おうとしたのかと納得した。
「でも、何で呪いが解けたの?」
「さっきの呪いは、可愛い女の子とにゃんにゃん出来なかった男共の負の感情から出来たものだからなぁ? これが彼女がいない術師だったりモテない術師なら発動しなかったんだが……狗巻には山桜桃っていう彼女がいる上に、コイツ自身可愛い顔してるしな?」
「あはは……」
「呪いが解けた理由としては『愛の口付け』だな。まぁ、子供用に娯楽色を付けた童話とかで良くあるだろ? 愛する人からキスされたら魔法とか呪いが解けるってやつ。アレと同じ原理だよ」
そう言いながら棘君に着る物を渡している硝子さんの言葉に、ふとした疑問が浮かんだ。なら、何で棘君はキスしなかったんだろうと。
「キスで呪いが解けるなら何でもっと早くしなかったの?」
「狗巻から山桜桃にキスするのじゃ意味がないからだよ。山桜桃から狗巻にキスするのがポイントなんだ。白雪姫だって眠れる森の美女だってカエル王子だって相手からのキスだろ?」
「なるほど……」
「それに、狗巻自身猫の姿が気に入ってたみたいだからな? まぁ、猫なら無条件で構い倒して貰えるし、抱っこで胸にも埋まれるし、なぁ? 狗巻」
着替えの為に締めたカーテンの向こうにいる彼に問い掛けるように話す硝子さんの表情は、私達を揶揄う五条先生と同じ顔をしていて、やっぱり同級生だなと実感したのは内緒である。
(おまけ)
「乙骨? 何見てるんだ? 面白い物か?」
「え? あぁ、同級生から送られて来た物だよ」
「ん? ネコ、か?」
「祓った呪霊の呪いで猫になったらしいけど、ふふっ……彼女の腕の中ですごい幸せそうな顔してるよね?」
「そ、そうか?」
「早く皆に会いたいなぁ……」
よし、みんなに会う為に頑張ろう! と意気込む憂太と、さっきの画像のネコの何処が幸せそうな表情だったのか全然理解が出来ないミゲルだった。
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