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突撃、隣のベッドルーム!

『宝瓶宮』


黄金一のクールな男であり、弟子想いであるカミュ。

難点をいうなれば、彼の怒りが沸点を超えると猛寒波が磨羯宮まで及ぶ事であろうか…。

寒波が起これば宮内の石畳の通路は凍結し、あちこちで従者達の悲鳴が聞こえるものだ。

大抵の原因は親友たるミロなのだが、いくら氷漬けになっても全く懲りないのだから彼には学習能力がないのだろうかと少々心配でもある。

そして、カミュはここまで怒っても、どうしてミロの親友で居られるのだろうとこれまた不思議である。

眉目秀麗で情にも厚く、聖域に住まう多くの女性達が彼に心奪われるのは無理もない。

シュラは罪な男だと心で苦笑しつつ、宝瓶宮に足を踏み入れた。

就寝中とはいえ、宮内はその特性ゆえに少々ヒンヤリとしている。

ここの従者達も他の宮の従者たちに比べれば、長袖を着ている事が多いのも道理だ。

だが、寝室方面へ向かうとシュラは少々面食らってしまった。

廊下の両側には額が幾つも並んでおり、何かしらの絵を飾っているのがわかる。

彼の祖国フランスは芸術の国でもあるから、彼がそういう趣味を持っていても不思議ではない。

どんな名画が飾ってあるのだろうかとシュラは近づいてみると…。


シュラ「何だ、コレは…;;;」


シュラの出身地スペインも多くの芸術家を輩出した国である。

しかし、この絵を見る限りは名画とはとても言えそうになかった。

画材は明らかにクレヨン、描かれているモデルはかろうじてカミュとわかる程度の画力。

極めつけは、絵の下に落款(らっかん=作者のサインや印の事。)のごとく描かれている『ひょうが』、『あいざっく』という名前。

何故に日本語の平仮名なのかは不明だが。

(管理人がそれしか知らない為とは口が裂けても言わせない!)

廊下に延々と飾ってあるそれらに呆れながら、シュラはカミュの寝室へ向かい彼の寝顔を撮影しようと気力を振り絞ったのである。
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