突撃、隣のベッドルーム!

『巨蟹宮』


サガはカノンにも促され、軽法衣を纏って巨蟹宮へ足を踏み入れた。

聖戦後は死仮面もアテナの導きで残らず成仏し、今ではあの恐ろしい雰囲気はない。

デスマスクの寝室付近に向かう中、サガに不安が生まれる。


サガ(デスマスクといえば、12宮の中でもトップクラスの女好き。まさかと思うが、ここまで女性を連れ込んではおるまいな…。)


彼なら充分ありえる話であり、些か不安になる。

寝姿を撮影する筈なのに、そんなシーンなんか掲載できない。

頼むからそんな事がありませんよーにと祈り、サガはデスマスクの寝室へと足を踏み入れた。

寝室は黒と白に統一されたシックな造りで、デスマスクの趣味の良さが出ている。

乱雑な散らかり具合を想像していたが、思ったよりも綺麗だ。


サガ(これなら、安心だろうな。さて、早くデスマスクの寝顔を撮影して、獅子宮へ行ってもらわねば…。)


ベッドに近づくサガは早々にデジカメの準備を整え、シャッターに指を乗せる。

レンズ越しに見えたデスマスクは、上半身裸、御約束通りの蟹柄トランクスをはいて抱き枕を抱きしめている。

23歳の男が抱き枕を愛用しているなんて、生温い視線を浴びるか、微笑ましいという視線を浴びるかの二者択一だろうが、サガは明らかに後者の心情だった。


サガ(人一倍意地っ張りで寂しがりのデスマスクの事だ。笑わずに見守るというのも一興だな。)


よくよく耳を澄ませばデスマスクの寝言が聞こえてくる。


デス「逃げんなって、エミリー…。大丈夫だって、ベロニカ…。おめぇらまとめて俺のテクで天国への扉開けてヤッからよぉ…。今夜は眠らせねぇぞぉ~…?」

サガ「…この不埒者がぁああ! 天国ではなく異次元の扉を開けてくれるわ!!!」


次の瞬間、デスマスクは抱き枕を抱えたまま異次元へ放り込まれましたとさ。
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