乾杯の後は葵を囲んでの歓談の時間。


ムウ「こうやって皆で食事をしていると、幼い頃を思い出しますね。」

リア「そうだな、小さい頃はよくこうやって皆で集まって、食事したな。」

ミロ「昼食ならそのまま昼寝、夕食ならお泊り会みたいになったな。」

カミュ「ミロの寝像はひどかった。何度私が顔を蹴られたか。」

シャカ「アルデバランの寝返りで私は潰された。」

バラン「す、すまん；」

サガ「葵はいつも皆の真ん中で寝ていたな。」


葵はフンワリと微笑む。


「その方が、皆に守られている感じがするもの。皆の小宇宙が包んでくれる感じで。」

ロス「その時にカメラがあったら、アルバム一杯になるくらい写真を撮ったのになぁ。」

「今から増やしていけばいいと思うの。ね？」


じゃあ、今からでもというので高性能のカメラを持っているデスマスクがカメラを持ってきて、宴の席は写真撮影をしながらの楽しい一席となった。

ミロとデスマスクが葵の隣をめぐって喧嘩したり、その間にサガとカノンが葵を挟んで撮影してもらったり、沙織との麗しいツーショットだったり。

そんな中、アイオロスは葵を目で追い続けていた。

小さい頃から実の妹のように可愛がっていた女の子が、美しい大輪の花のように成長して戻ってきた。

そこまでの成長していく段階は残念ながら見る事ができなかったが、これからは傍で彼女の美しい成長を見ていけたら…と。

今まで、聖闘士としての生き方しか全うしていなかったアイオロスの心に、半ば失いかけていた大切な感情が芽生えつつあった。


～続く～