あくる日は、前日に会えなかった黄金聖闘士達が来てくれた。

ただ、天秤座の童虎は宴の日に帰ってくるというのでこの場にいない。


デス「よぉ、葵。イイ女になって戻ってきたな。」

「まぁ、デス。ませているのは変わらないのね。」

デス「はっ、これからじっくりと俺のイイ男ぶりを見せてやらぁ。」

シュラ「下品な事を口にするんじゃない、デスマスク。葵、よく戻ってきてくれた。とても懐かしく思う。」

「シュラ。あぁ、懐かしいわ。私をよくおんぶして双児宮まで送ってくれたのよね。」

シュラ「そうだな。俺達にとって葵は可愛い妹だったから…。だが、それはこれからも変わらないさ。サガやカノンと同じように兄として頼ってくれれば嬉しい。」

アフロ「ふふっ、そうしてくれると私としても嬉しい。ここまで美しく育っていく過程を見られなかったのは残念だがね。」

「アフロディーテ、これからは一緒に過ごせるから…。」

アフロ「そうだね。これから大輪の花になっていく君を見守らせてもらうよ。」


そして、この場で最後の１人…。


ロス「葵、本当に綺麗になったなぁ…。」

「アイオロス…。」


彼に名前を呼ばれ、葵の両目からは涙が溢れる。

幼かった自分達をいつも見守ってくれた優しい人、幼くても憧れを抱いた人…。

そして、最も会いたくて、最も会ってはいけないと戒めていた人。


「アイオロス、私は…。」

ロス「…俺は、誰も恨んだり憎んだりしてはいないよ。だから、昔のように皆の安らぎであってほしい。」


アイオロスはその大きな手で、葵の柔らかな髪を撫でるのだった。