葵が双児宮に戻ってきた。

それを聞き及んだ同い年の黄金聖闘士達が次々と彼女に会いに来た。


「まぁ…、皆！」


あの幼い少年達は逞しい青年へ成長していた。


ムウ「お久しぶりですね、葵。元気そうで何よりです。」

「あぁ、ムウ！　本当に懐かしい…。物腰の柔らかさとその微笑みも…。」

ムウ「貴女は変わりましたね。あのあどけない少女がこんなにも綺麗になって…。」

バラン「本当だな。だが、温かみのある人柄は変わらないな。」

「アル！　とっても大きくなったのね。あの頃も大きかったけど本当に逞しくなったのね。」

バラン「これからは近くで過ごせるのを嬉しく思うぞ。」

リア「葵、久しぶりだな。また、怪我をしたら手当てしてくれよ。」

「アイオリア、あぁ…貴方には何を言っていいのか…。」


１３年前の悲劇の引き金は長兄サガ、その悲劇の最大の被害者であるアイオリアとの再会は怖くもあった。

恨み言を言われるのではないか、罵られるのではないかと。

だが、獅子座は最も太陽の加護を受ける１２星座。

どんな闇も切り裂く光を心に宿す好漢になっていた。


リア「何も言わなくていい、君には何の罪もないのだから。また会えた事を嬉しく思っていても、恨みなど欠片もない。あの頃のように親しく過ごしたいな。」

「ありがとう…、アイオリア。」

シャカ「君の心の清廉さは変わらんな。幼きあの日の心を忘れず保つ事、それが如何に難しい事か…。」

「シャカ、貴方も変わらないわ。言葉の奥に優しさが見え隠れするの。また、一緒にお花を育てたいわ。」

シャカ「沙羅双樹の園に空いている場所があるから、好きにしたまえ。気が向いたら私も力を貸そう。」


シャカは微かに笑みを浮かべた。