恋する英雄
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「痛っ…。」
葵は瓦礫と瓦礫の間で目を覚ました。
市場からの帰り道、豪雨に変わった雨を凌ぐために古い石造りの建物に入った。
しばらくすると、轟音を立てて建物が崩れたのだ。
幸い、瓦礫と瓦礫の隙間に閉じ込められる形で事なきを得たのだが動ける状態ではない。
助けを呼ぼうにも大声が出せる状態でもない。
「寒い…。」
雨水が漏れて床は水浸しで、葵の服にもしみ込んでくる。
夏だというのにまるで冬のような寒さを葵は感じていた。
「サガ兄さん、カノン兄さん…。」
心細くてたまらない葵は、自分を抱きしめながら兄達の名を呼ぶ。
自分に小宇宙が扱えれば助けを求める事もできるだろうが、葵は小宇宙の修行を積んだ事もないので無理だ。
「私、このまま…助からないのかな…。」
誰にも気付かれず、ここで終ってしまうのか。
やっと、昔のように皆で穏やかに暮らせてきたのに。
浮かんでくるのは沙織、シオン、黄金聖闘士達の顔や声。
意識が途切れそうになってきて、葵が最後に口にしたのは…。
「助け…て、アイ、オロス…。」
小さな声は雨音に消されていくだけ…。
そのまま、葵は気を失った。
葵は瓦礫と瓦礫の間で目を覚ました。
市場からの帰り道、豪雨に変わった雨を凌ぐために古い石造りの建物に入った。
しばらくすると、轟音を立てて建物が崩れたのだ。
幸い、瓦礫と瓦礫の隙間に閉じ込められる形で事なきを得たのだが動ける状態ではない。
助けを呼ぼうにも大声が出せる状態でもない。
「寒い…。」
雨水が漏れて床は水浸しで、葵の服にもしみ込んでくる。
夏だというのにまるで冬のような寒さを葵は感じていた。
「サガ兄さん、カノン兄さん…。」
心細くてたまらない葵は、自分を抱きしめながら兄達の名を呼ぶ。
自分に小宇宙が扱えれば助けを求める事もできるだろうが、葵は小宇宙の修行を積んだ事もないので無理だ。
「私、このまま…助からないのかな…。」
誰にも気付かれず、ここで終ってしまうのか。
やっと、昔のように皆で穏やかに暮らせてきたのに。
浮かんでくるのは沙織、シオン、黄金聖闘士達の顔や声。
意識が途切れそうになってきて、葵が最後に口にしたのは…。
「助け…て、アイ、オロス…。」
小さな声は雨音に消されていくだけ…。
そのまま、葵は気を失った。