リア「そうか、兄さんは葵を受け入れてくれるのだな。良かった…。」


サガ達の提案もあり、他の黄金達にも話をしておく事にして、皆が執務室に集まっている時にアイオロスは話をした。

ここにいる誰もが葵をそれぞれに愛しているのだ、当然である。

小さい頃からの葵の気持ちも知っているからこそ、皆が受け入れてくれた。


デス「俺達がボロッかすになった甲斐もあるってもんだ。で、この先どうするよ？」

ロス「うん、機会を待って彼女にちゃんと気持ちを伝える。」

バラン「機会か？　それはどんな時だ。」

ロス「うーん、そこが問題なんだ。呼び出すと警戒されそうだし、２人きりになれる時なんてなかなか無いし。」

シャカ「無理に機会など設けなくても良いのではないかね？」


男女関係については一番関心を持っていないようなシャカが静かに発言した。


ロス「お前の意見を聞かせてくれ、シャカ。」

シャカ「意見というほど大層なものではないがね。作られた舞台で結ばれるよりは、自然に機会が来るのを待って結ばれた方が喜びも増すのではないかね？」


もっともな意見だった。

計算された告白よりも、自然の流れに任せた告白の方が心に響くだろう。


ムウ「シャカ、貴方もたまには良いアドバイスをしてくれるのですね。」

シャカ「失敬だな、ムウ。私は常に最善のアドバイスをしている。」

ロス「…シャカのアドバイスは心に響いたよ。そうだな、時の流れというものに任せてみよう。ありがとう、皆。」


アイオロスは晴れ晴れとした表情で、皆に感謝を伝えた。


シュラ「礼には及ばない。ただ、葵を幸せにしてあげてほしいだけだ。」

童虎「心せよ、アイオロス。葵を悲しませたら、ここにいる全員を敵に回すでの。」


皆はアイオロスなら必ず葵を幸せにしてくれると信じている。

だからこそ、胸の内にある彼女への淡い気持ちを彼に託したのだった。