ロス「やぁ、今日は誘ってくれてありがとうな。」


早朝、訓練着に着替えてコロッセオにやってきたアイオロスの表情は生き生きとしている。


シュラ「いや、たまには貴方に稽古をつけてもらわないと強くなれない気がしてな。」

デス「俺ぁ、面倒だって断ったんだけどよぉ。」

アフロ「たまにはアイオロスに揉んでもらいたまえ、君は。そのだらけきった精神をね。」


そう、今回の件で動員されたのは黄金年中組である。

彼らも事情を聞いており、妹のように可愛がってきた葵の幸せのためならばと一肌脱いでくれたのだ。

幸い、アイオロスは何の疑問も持っていないようである。

正直言うと、彼との修練は冗談抜きで死にかける。

それでも葵のためだと腹をくくり、３人はアイオロスに立ち向かう事になった。


ロス「さぁ、どこからでもかかってこい！」


かまえるアイオロスを見て、３人もかまえを取った。

アイオロスも相手がシュラ達なので手を抜く事などできはしない。

元より、同じ黄金であるから全力で行かないと自分がやられてしまうから。

コロッセオの中は４人の小宇宙で満たされ、あちこちで震動が起きている。


ロス「アフロディーテ、薔薇の力ばかりではダメだぞ！」

アフロ「ふっ、私の力は薔薇達無くしては語れないのでね！」

デス「なら、アンタの苦手そうなこっちのはどうだよ！？」


デスマスクが得意とする技は肉体派のアイオロスが苦手とするところだ。


ロス「なら、先にお前を動けないようにするまでさ！」

デス「うおっ！？　そりゃ反則だろぉっ！！」

シュラ「そこをどけ、デスマスク！　ここは俺が！」


アイオロスの放った拳撃をシュラの手刀が弾き飛ばす。

一進一退の攻防がここから始まった。