実はこのお茶会は、葵の気持ちを確認するために行われていた。

葵がアイオロスをどう思っているのか、探る意味合いもある。

話も終わって、少し静かな時間が流れ始めると本題に切り込んだ。


リア「なぁ、葵。」

「どうしたの、アイオリア。お茶のおかわり？」

リア「いいや、聞きたい事があるんだ。…兄さんの事だ。」

「アイオロスの事…？」

リア「覚えているか？　小さい頃、葵に聞いた事があるんだ…。俺達の誰のお嫁さんになりたいかって。」

ムウ「貴女は決まってある人の名前を挙げましたね。アイオロスがいいと…。」


葵は切ない表情を見せる。


ムウ「今もその気持ちは変わりませんか？」


ムウは優しく聞き出そうとする。


「…私は、アイオロスが好きよ。でもね、彼に気持ちを伝えるつもりはないの。」

リア「兄さんが君の事を憎からず思っているとしてもか？」

「私は…幸せになっちゃいけない。」

シャカ「それは、サガとカノンが犯した過去の罪を言っているのかね。」


葵は寂しそうな、困ったような表情を浮かべる。


ミロ「葵、アテナは２人の罪を赦された。俺達だって…。」

「それでも…。私は自分が幸せになりたいと願っちゃいけないと思うの。ましてや、その想いの先がアイオロスだなんて…。とても赦されないわ…。」


この事をもっと話せば、彼女が泣き出しそうなので黄金達はそれ以上は何も言えなかった。