天気の良いある日、処女宮脇の沙羅双樹の園…。

シャカの許可も下り、黄金聖闘士年少組と葵がお茶会をする事になった。

テーブルや椅子を持ち込み、テーブルには清潔なカバーをかけて、人数分の茶器も用意され、穏やかな時間が流れていた。

持ち運びできるコンロで湯を沸かし、茶葉を用意する葵に黄金達はあたたかな視線を向ける。


「本当にいい天気ね。この園も花が奇麗に咲いているし、お茶日和だわ。」


ニコニコ微笑みながら紅茶の用意をし、料理好きな者が作って持ち寄ってきたお菓子をお皿に並べている。

眩しいほどの美しさに、彼女が自分の恋人であればと思う者は少なくない。

用意ができて皆が席につき、談笑を始める。


ムウ「良い香りの紅茶ですね。誰が用意してくれたのでしょう？」

リア「俺だよ。」

ミロ「え！？　アイオリアは紅茶が好きなのか？」

リア「いや、そうではないんだ…。先日、アテナの護衛で日本へ行っただろう？　その時、グラード財団の取引先が茶葉を取り扱う会社だったのさ。俺が西洋人だというので土産にもらったんだ。」

「でも、本当に美味しいわ。ありがとう、アイオリア。このスコーンとジャムも美味しい。これは誰が？」

カミュ「ジャムは私が作ったんだ。アルデバランからもらったイチゴと甘夏でな。」

ムウ「スコーンは私が。」

「２人は料理が得意なのね。」

カミュ「私とムウは弟子を育成するからな。料理を最低限できるようにと練習している内に趣味になったんだ。」

ミロ「同じパターンならデスマスクも該当するな。」

バラン「シュラは弟子をとった事はないが、料理が趣味のようだ。あいつの作るパエリアは絶品だからな。」

「そうなの？　今度、作り方教えてもらおうかな？」

シャカ「君から教えを請われれば、誰も嫌とは言うまいよ。教わったら私にも腕前を披露してくれたまえ。」

ミロ「お前な、そんな図々しい頼み方があるかよ；　食べたいなら素直に頼め。」


ミロの呆れ具合に、皆から笑い声が上がった。