葵が女官と出て行くと、沙織も付いて行こうとした。


沙織「皆さん、お疲れのところ申し訳ありませんでしたね。どうか、自宮に戻ってお休みになってください。」

黄金「「御意。」」


そして、沙織と葵が教皇の間から出て行くのを確認し、黄金達はその場で話を始めた。


シオン「…何者かに襲われたような傷もあったな。」

サガ「えぇ。」

童虎「おそらく、彼女を快く思っていない者の仕業であろう。」

カノン「このままいけば、葵は日本へ戻る事になりましょう。アテナがお決めになる事ですが。」

シュラ「例えアテナの妹君であろうとも、アテナの安全こそ最優先。傷つけてでも危険因子は遠ざけるべきだ。」


そう、黄金たちは葵を危険因子と決め付けていた。

数多くの神々と戦ってきた彼らにとって、アテナ以外の神は危険という認識があったからだ。

ハーデスの復讐を考えている可能性を捨てきれない今、戦いに向かないペルセフォネであろうとも例外ではない。


リア「しかし、アテナは葵を溺愛しておいでだ。もし、アテナも日本へお帰りになってしまったら…。」

ロス「その時は、我らが護衛に付けば良い。」

カミュ「氷河たち青銅は、葵の事を一身に信じて好いている様だが…私達はそうもいくまいよ。」

ミロ「葵は青銅達をも欺いているかも知れないのだ。我ら以外の誰がアテナをお守りするというのか。」


傷付いている葵を見ても、黄金たちの警戒は微塵も緩められない。

例え、彼女の笑顔に愛しさを覚えていても。


～続く～