春の女神と始まりの詩
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「…ぅ、ん…。」
葵は目を覚ますと、空には星が輝いていた。
茜空は暗闇になっている。
あれからひたすら走り続け、見つからないように大木の根元にできた空間へ身を潜めていたのだ。
「帰らなきゃ…、お姉ちゃんが心配してる…。」
男達の気配は既に無く、葵はトボトボと遊歩道を歩いている。
体中にできた傷は服に染み、服も所々破けていた。
道なき道を全力で走っていたので、破いてしまったのだろう。
歩いているうちに、先ほどの雑兵たちや普段の聖闘士たちから向けられる冷たい視線、態度が脳裏に浮かんでは消えていく。
(やっぱり、私がハーデスのお嫁さんだから…皆は私に冷たくするの? ペルセフォネじゃなかったら、皆は私に優しくしてくれたの?)
ジワリと涙が溢れそうになったが、葵はそれをゴシゴシと拭った。
(泣いちゃ駄目…。泣いてたらお姉ちゃんが心配するし、お姉ちゃんにこれ以上心配かけちゃ駄目だよ…!)
途中、綺麗な小川を見つけた葵は、顔を何度も洗ってから教皇宮へ戻っていった。
沙織「まぁ、葵!? どうしたのですか!!」
葵が教皇の間に戻ると、沙織、シオン、カノン、黄金聖闘士全員が揃っている。
葵が戻ったという報告を受けた沙織が此処へ通したのだが、彼女はボロボロになっていた。
沙織は葵の元へ駆け寄って、体中を見た。
「お、遅くなってごめんなさい…。」
沙織「それはいいのです。これは一体、どうした事ですか!?」
「あの、森の遊歩道を歩いていたらお花に夢中になって、森の奥まで行っちゃって…。それで、帰ろうと思ったら迷っちゃって…。途中で転んだりしたから…。」
沙織は葵が森の遊歩道へ出かけて行ったのは知っていた。
朝に彼女自身から聞いていたのだから。
しかし、夕方を過ぎても彼女は教皇宮に戻らず、ついには日暮れを迎えてしまった。
途中、誰かを迎えにやろうと思っていたのだが、もう少し待ってみた。
結果、とうとう太陽が地平線に落ち、月が出ようとしていた。
沙織は大事な妹に何かあったのかもしれないと、自分が探しに行くと言い出したのだ。
それをシオンたちが必死に止め、現在に至った。
シオン「だから、あれほど夕暮れ時になったらすぐに戻ってくるように申したでしょうに。自業自得ですぞ、葵様。」
沙織「シオン…!」
「お姉ちゃん、いいの。シオン様の言うとおりだもん…。」
自分に非があると言う葵を見て、沙織は黄金聖闘士たちがあまりに葵に冷たいのではという疑問が吹き飛んだ。
沙織「誰か、女官の方は居ますか!?」
女官「アテナ様、ここに。」
沙織「葵が怪我をしています。手当てを。」
女官「御意にございます。さぁ、葵様。こちらへ…。」
葵は目を覚ますと、空には星が輝いていた。
茜空は暗闇になっている。
あれからひたすら走り続け、見つからないように大木の根元にできた空間へ身を潜めていたのだ。
「帰らなきゃ…、お姉ちゃんが心配してる…。」
男達の気配は既に無く、葵はトボトボと遊歩道を歩いている。
体中にできた傷は服に染み、服も所々破けていた。
道なき道を全力で走っていたので、破いてしまったのだろう。
歩いているうちに、先ほどの雑兵たちや普段の聖闘士たちから向けられる冷たい視線、態度が脳裏に浮かんでは消えていく。
(やっぱり、私がハーデスのお嫁さんだから…皆は私に冷たくするの? ペルセフォネじゃなかったら、皆は私に優しくしてくれたの?)
ジワリと涙が溢れそうになったが、葵はそれをゴシゴシと拭った。
(泣いちゃ駄目…。泣いてたらお姉ちゃんが心配するし、お姉ちゃんにこれ以上心配かけちゃ駄目だよ…!)
途中、綺麗な小川を見つけた葵は、顔を何度も洗ってから教皇宮へ戻っていった。
沙織「まぁ、葵!? どうしたのですか!!」
葵が教皇の間に戻ると、沙織、シオン、カノン、黄金聖闘士全員が揃っている。
葵が戻ったという報告を受けた沙織が此処へ通したのだが、彼女はボロボロになっていた。
沙織は葵の元へ駆け寄って、体中を見た。
「お、遅くなってごめんなさい…。」
沙織「それはいいのです。これは一体、どうした事ですか!?」
「あの、森の遊歩道を歩いていたらお花に夢中になって、森の奥まで行っちゃって…。それで、帰ろうと思ったら迷っちゃって…。途中で転んだりしたから…。」
沙織は葵が森の遊歩道へ出かけて行ったのは知っていた。
朝に彼女自身から聞いていたのだから。
しかし、夕方を過ぎても彼女は教皇宮に戻らず、ついには日暮れを迎えてしまった。
途中、誰かを迎えにやろうと思っていたのだが、もう少し待ってみた。
結果、とうとう太陽が地平線に落ち、月が出ようとしていた。
沙織は大事な妹に何かあったのかもしれないと、自分が探しに行くと言い出したのだ。
それをシオンたちが必死に止め、現在に至った。
シオン「だから、あれほど夕暮れ時になったらすぐに戻ってくるように申したでしょうに。自業自得ですぞ、葵様。」
沙織「シオン…!」
「お姉ちゃん、いいの。シオン様の言うとおりだもん…。」
自分に非があると言う葵を見て、沙織は黄金聖闘士たちがあまりに葵に冷たいのではという疑問が吹き飛んだ。
沙織「誰か、女官の方は居ますか!?」
女官「アテナ様、ここに。」
沙織「葵が怪我をしています。手当てを。」
女官「御意にございます。さぁ、葵様。こちらへ…。」