（ここに眠るたくさんの聖闘士さん。…ハーデスが皆さんに酷い事をしてきた事を、私も謝ります。皆さんの捕らわれていた魂はコキュートスからもうすぐ解き放たれて、輪廻の輪に加わると思います。だけど、その前に…せめてもの気持ちを形にする事を許してくださいね…？）


葵はありったけの謝罪の気持ちを込めて祈り、自分の小宇宙が最高点まで来た事を悟ると、地面に優しく手を付いた。


「大地に眠る花達、私の声が聞こえていたら、どうか私のお願いを聞いて。…ここに眠るたくさんの聖闘士さんたちの魂を慰める為に、どうか…ここを皆で満たして…！」


すると、葵の両手から小宇宙が大地にしみこんでいく。

それはやがて、墓地全体を包み込むほどになった。


瞬「凄い、聖闘士の墓地全体が葵の小宇宙で満ち溢れている！」

紫龍「…葵はまさか、この墓地を…！」


そして、次の瞬間。


………ピョコ。


全員「「芽？」」


…ピョコ、ピョコ、ピョコ。


沙織「まぁ…！」


何と、墓地全体の大地から緑の芽が次々と現れた。

一瞬にして緑色と化した墓地だが、それだけに留まらない。

そう、ペルセフォネの力で出来るせめてもの謝罪。

それは、この荒涼とした墓地全体を花で覆い尽くして今は亡き聖闘士達へ謝りたいというものだった。